山がわたしを呼んでいる! (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048708364

感想・レビュー・書評

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  • 気短で怒りっぽくて、おまけに名前まで"あきら"だなんて、男っぽくて。
    そんな自分を変えたい。控えめで淑やかな女性へと変身させたい。
    芸能界で活躍する憧れのあの人のように...

    そんな"あきら"の崇拝してやまない憧れの人、雪乃が近頃山に行き
    心優しい気持ちになって癒されたから、重要な充電スポットとして
    皆にもこのエネルギーを感じてほしいと綴ったエッセイを読み
    "山"に行けば少しは自分も雪乃に近づけるかもしれない。
    だからとにかく"山"に行こう!と、あきらは親友を誘います。

    しかし親友に全くその気はありません。
    それどころか"山"に行きたいというあきらに、丁度いいとばかりに
    友人から頼まれていたバイトの穴埋め役として、"山小屋"の
    アルバイトを押し付けてしまうのです。

    そうして意気揚々と山に登ったあきらを待ち受けていたものは───

    なんとすべてが想定外だった..!?

    明るくコミカルなストーリー展開が、壮大な山の自然と、美しく咲く
    高山植物の描写や、山小屋での暮らしぶりとほどよく調和していて
    心地よい山風が体内にもす~っと流れ込んできます。

    「神様の御用人」の著者
    浅葉なつさんの作品と出会えて嬉しい♪

    神様も...ちょびっと出てくる? かな...。^^

  • 「神様の御用人」シリーズよりも前に書かれた作品。山に登ったことがなくても、主人公と一緒にお勉強できます。夏山シーズンにぴったり。
    ひらひらと場違いな服装で、山小屋の何たるかを全く知らずに、アルバイトにやってきたあきら。(女の子です)怒ってばかりいる大樹と、マニュアルなしでは行動できない曽我部くん、セクハラ親父の武雄、医者だという何故か山伏の格好をしている宮澤。個性的な山男とおっさんたちに囲まれて、とてもやってらんない、と山を降りようと決心したところで、武雄が骨折。人手不足から仕方なく山に残ることになったのだが・・・。
    イケメンカメラマンの福山(まんまだね)に山の美しさを、大樹には厳しさを教え込まれ、なんとか慣れてきたところに遭難事件発生!あきらと、曽我部しか残されていない山小屋で、どう乗り切るのか?!
    コメディだけど、みんな、それぞれに悩みながら、訳あって山と対峙している様子が、だんだん明かされます。山は全ての事情を飲み込んで、どんな人でも受け入れてくれるのでした。
    テンポの良い文章と、ノリツッコミが面白くて、これはもう、文章で書いた漫画!すごく楽しめました。浅葉さんは第二の有川浩ではないかと、密かに思っております。

  • 山が私を読んでいる!なんて今風なタイトル。
    電撃文庫の兄貴分であるメディアワークス文庫を大のオヤジが読むことを決めさせたのは、やはりこのタイトルに違いない。
    今風なかきっぷりに一瞬ひいてしまったが、最後まで一気に読んでしまった。
    主人公が自分の居場所を求めて自分探しをするのだけれど、その本人が自分の魅力に気づかないという 、なんとも現代の若者の典型例が終始描かれている。
    若干まどろっこしい展開も爽やかキャラたちがすっきり展開させてくれて素晴らしく読みやすい。このキャラならきっとこんな感じの行動パターンというのがはっきりしているのだ。武士道シリーズの誉田氏に作風がにているが、キャラが若々しく、まさに若手というかきっぷりに大変好感がもてました。次回作期待しています。この第二弾でも、今度は海が私をよんでいる!でもよいです。

  • 数年前に読んだ本を 最近 山岳小説にはまり 再度 手に取った本です

    山岳小説と言っても この物語は とても気軽に読めるので 好きです^_^
    でも 内容は山の楽しさも怖さも十分に伝わってくるのが 山岳小説だな〜と思わせる

    主人公の大学生の女の子が繰り広げる「山」の物語を 読んでみてください
    楽しいですよ^_^

    • razy.cさん
      ありがとうございます^_^
      ありがとうございます^_^
      2018/01/06
  • 山ガールのお話ではない。森林浴位の軽い気持ちで来た女性が、バリバリの山小屋で働くことに。山の神に呼ばれたのか?迷い込んだのかは判らないが、知らぬ間に着ていた鎧を脱いでいく。そこにはありのままの姿を受け入れてくれる仲間が居て、自分を受け入れ始めた女性が居た。暖かくなったら山に行ってみよう。

  • 山を舐めちゃあかん。いくら暑い時期だからと言って薄着で登山しちゃ後で痛い目にあう。山で水飲むのもお金が掛かる。風呂に入浴するのも、食料を運ぶのも大変。この本を読んで改めて勉強になりました。

  • 登山好きな私からすると、最初の頃のあきらの無知具合が焦れったいというかイラつくというか、、
    ただの教訓話ではない厚みはあるので、それでも楽しめました。

  • 2019/3/10読了。
    とある理由から山岳知識ゼロの、あきらは、山に登り山小屋でアルバイトをすることに。
    モデルは、日本アルプスか、尾瀬か。。
    ストーリーは、まあ至って普通だけど、山の風景の描写がとても心地良く(恐らく登山の経験がある人、それも小屋泊まり経験者なら尚更だと思います)、どこかにまた行きたくなった。呼ばれてるのかな?

  • 山小屋に泊まった経験のある人であれば実感する「山小屋あるある」が色々出てきて、その部分に関しては読んでいて楽しむことができた(私も、山小屋の従業員が布団を屋根の上に投げ上げて干しているのを見たことがある)。
    しかしながら、「エンタメ作品なので多少誇張した部分がある」ことや「山小屋には、あんな変人ばかりがいるわけではありません」とあとがきで断ってはいるものの、山小屋の主人である武雄の行為があまりに幼稚すぎて白々しい。自分の顔写真入りのTシャツを作ったり、そのTシャツを売り捌くために、水鉄砲で他人の服を汚すことに興じるような人間がいたとしたら、愛想をつかされて誰も相手にしなくなるだけだろうと思う。

    大きな勘違いをして、山小屋のバイトにやってきた女子大生あきらが主人公であり、あきらが山小屋で様々な体験を重ねることで自分にとって本当に必要なことが何であるのかに気づく成長物語だが、残念ながら主張内容にそれほど説得力がなく、主人公の心情にも五十代男性の私には共感するところが無かった。
    山小屋で起こりそうなエピソードをストーリーにうまく取り込んでいて、小粒ながらもきれいにまとまっている作品だとは思う。

    登山者がその山に登りやってきたのは「山に呼ばれた」からだという見解は、なかなか面白いと感じた。

  • 色々と人からの評価を気にして萎縮するより、考えすぎずに大らかに楽しく前を向いて進んで生きたいと考えさせてくれる!

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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