妄想ジョナさん。 (メディアワークス文庫 に 1-2)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.59
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本棚登録 : 203
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048708746

作品紹介・あらすじ

大学一年生の春、恋する僕は確かに幸せだった。憧れの人が、自分の妄想の産物だと気付くまでは。大学二年の秋、傷心から立ち直れない僕の前にひとりの女性が現れる。その名はジョナさん。彼女もまた僕の妄想の産物だ。驚いたことに彼女は、僕を妄想から解放すると宣言した。自らの妄想に導かれ、壮大な脱妄想計画が幕を開ける。大学キャンパスがロンドンに変じ、ラブホテルが魔王の城と化す、妄想にまみれた東京多摩市で展開する、騒々しくも切なく、悲しくも情けない新感覚恋愛ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 妄想にとりつかれた僕。
    街を歩けばただの道もレンガづくりになり、しゃべるカエルがキセルをくわえ、二足歩行のウサギが目の前にいる。
    そのウサギ、ヒロインもやはり妄想。

    そんなヒロインに心を奪われてく―。

    …そんな感じでしょうか。

    とにかく主人公の妄想がすごい。なんか尊敬できるくらいに。
    妄想ってやっぱさみしいですね。妄想してるときは楽しくても戻るとさみしくなる。

    ジョナさんは、妄想だけど妄想から現実に引き戻そうとする妄想。主人公のために必死になる彼女はかわいいけどかなしい。
    彼女のためにがんばると彼女から離れなきゃならなくなる。
    なんかもどかしいです。

    ラストは、さみしいけど前を向かなきゃならなくなる。前を向こう、と思えます。

    読んでよかったかな?
    また時がきたらもう一度ジョナさんにあいたいです。

  • 現実に存在する統合失調症の症状にヒントを得てポップにまとめようとしたのかな?な印象。イマイチ「様々な妄想を目にしながらもそれが妄想であると頭のどこかでわかっていてそれらに付き合っている主人公像」が噛み砕けず…

  • 自分も妄想することはよくあるけども主人公は次元が違う。「妄想する」っていうのは誰でも口に出したことあるんじゃないかな。こうだったらとかこんな風にとか思ったり。でも主人公は勝手に妄想が見えてしまう。安藤さんが言っていたような医学的な観点は全然分からないし、そうならないと分からないだろうと思うけど、少なくとも私たちの想像する妄想とはちょっと違うお話でした。自分の心の中の拠り所?可能性への一歩?妄想で人生が壊れ、妄想で治る。なんとも不思議なお話だと思いました。
    h29.6.8

  • 妄想が過ぎる男の子の話。

    世界は楽しいんだろうが、社会とは離れてしまう。
    見えてきたら重症です!

  • とにかくジョナさんがかわいい。安藤に対抗意識を燃やしている所なんてもう最高にかわいい。さらっとゲスいことを言ってしまう部分も好きだ。最後のシーンは不覚にもうるっときてしまった。

  • ヒロインが存在しない恋愛小説というこの作品。どう足掻いても報われることの無い恋愛なんて悲しみ以外のなんの感情もわかない。その点この作品はまだ救いのある結末だったかなって思う

  • 友人も恋人も「妄想」。
    けれど、その妄想は主人公自身も現実と見分けが付かないほどに自身の周囲を侵食していて・・・。
    妄想から生まれた美女(ジョナさん)と共に、主人公が現実世界と向き合うまでの成長を描いたほんのり甘くてちょっぴり切ない恋の物語。
    読みやすく、笑って泣ける心の温かくなる作品です。

  • 妄想が止まらなく、現実にまで侵食してきた少年と、そんな彼を更生すべく現れた同じく妄想な彼女ジョナさん。設定と展開がいい!!

  • 何を信じているかなんて人それぞれだなと再確認させられた。
    作者の方、人間が好きなんだろうなあ。。と思わせるような暖かい雰囲気が好き。それだけに、もっとドロドロなのも書いてみて欲しかったり。

    他の作品もチェックしてみようと思う。
    書店にて表紙買い。タイトルが秀逸。
    ファミレスはジョナサン派。

  • 非常に評価しずらい作品だと思いました。挿絵と出版社からライトノベルであろうという先入観で読み始めたら人物像のビジュアル面での描写が薄く、一般的な小説のような印象でした。
    妄想によって繰り広げられる世界は決して破綻することなく、現実感を保ちながら主人公が成長していく物語です。
    ライトノベルのような派手さとスピード感を求めて読み始めてしまったために、評価は星3つとしました。

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