- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048728621
作品紹介・あらすじ
…永島利明は大学の薬学部に勤務する気鋭の生化学者で、ミトコンドリアの研究で実績をあげていた。ある日、その妻の聖美が、不可解な交通事故をおこし脳死してしまう。聖美は腎バンクに登録していたため、腎不全患者の中から適合者が検索され、安斉麻理子という14歳の少女が選び出される。利明は聖美の突然の死を受け入れることができず、腎の摘出の時に聖美の肝細胞を採取し、培養することを思いつく。しかし、"Eve 1"と名づけられたその細胞は、しだいに特異な性質を露わにしていった…。第2回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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我々の細胞と共生しているミトコンドリアによる反乱が題材の小説です。
ミトコンドリアは独自の遺伝子を持ち、単細胞生物の名残がある細胞小器官です。
この共生が無ければ、我々は動き移動することもできません。
エネルギーを管轄するミトコンドリアが自由意思を持ち、人間を裏切ったらどうなるか。
彼ら・彼女らには、これからも仲良くいてもらいたいと思える一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに本棚から引っ張り出して、捨てようと思ったけど、読み出したら引き込まれてイッキ読み。
細胞のなかのミトコンドリアが身体を乗っ取る。ホラーが苦手になった自分にとってはサイエンス色の強さが読みやすい。
ビジネス書もいいけど、たまには古い本を引っ張り出すのもいい。
捨てにくくなったのも確かだけど。 -
◎
筆力があるので、どんどん読み進んでいってしまいます。
生物学的?にも難しい感じはなかったと記憶しています(読み終わってから数年後にレビューに加筆してます・苦笑) -
なかなか面白いサイエンスホラーでした。
ミトコンドリアの反乱と言う面白い視点で話が進んで行きます。核が細胞を支配しているのではなく、実はミトコンドリアに踊らされて進化をしてきて、ミトコンドリアが数億年を掛けてその支配を乗っ取るというSFで人類滅亡の危機が訪れて、、、
序盤の薬学部の実験や腎移植の云々かんぬんは正直そこまで詳細に丁寧に解説してもらわなくても良いかなぁ、ちょっとダラダラ感があり、そこだけはマイナスポイントでしたが、本題に入って行くと展開も早く最後まで飽きずに楽しめました。
久しぶりに他の作品も読みたい作家さんに出会いました。次はブレイン・ヴァレーを読んでみよう! -
著者が薬学系の大学院生だったため、当時中学生だった私が薬学部を目指すきっかけとなった本。
知能を持つミトコンドリアが人類を支配下におこうと暴走する話ですが、大学院生の研究室生活の様子や実験試薬・器具・機器類も詳細に書かれており、ストーリー以外の部分にも注目です。
田湯正法(薬品製造化学)
https://bit.ly/3JhNxTM-
すみません、お尋ねしたいのですが、この小説、中学生の女の子に読んでもらっても大丈夫でしょうか?性的描写、暴力的な場面などはありませんでしょう...すみません、お尋ねしたいのですが、この小説、中学生の女の子に読んでもらっても大丈夫でしょうか?性的描写、暴力的な場面などはありませんでしょうか?多少怖いのは大丈夫そうなのですが
昔読んですっかり忘れてしまっていて・・・本は手元にあるのですが、一番直近でお読みになられているようですので伺いました2023/01/27
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ミトコンドリアが寄生(パラサイト)するサイエンス・フィクションです。
物語は重要人物それぞれの過去と現在を行き来しながら進みます。
専門用語がたくさん。でも重要視せず軽くスルーしても十分理解できました。
主人公(?)の妻が事故により脳死状態になり、臓器移植することから始まりますが、20年以上前の出版当時と、脳死や臓器提供についての認識に時代差を感じました。
普段SFは好んで読むことはありませんが、ページをめくるのが楽しかったです。
強いて言えば、ホラーを感じなかったので、☆は4つにしました。これは読み手の想像力の問題かもしれませんが… -
映画をやっているのを見かけて読んでみたが・・・・。
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ホラー小説大賞受賞、ということで読みました。
設定はおもしろかったけど、専門用語の羅列が多過ぎて
ほとんど飛ばしたことだけ覚えています。。