刺繍する少女 (KADOKAWA新文芸)

  • 角川書店 (1996年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784048729437

みんなの感想まとめ

不気味さと独特の「ひんやり」感が漂う短篇集で、ページを捲る手が止まらない魅力があります。各短篇は、異常な情念や執着心を描き出し、読者を不安な気持ちにさせつつも、引き込む力を持っています。特に「寄生虫図...

感想・レビュー・書評

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  • 森の奥で燃えるものが良かった。

  • 短篇集。
    どの短篇も話の展開がいい。
    そして、独特な「ひんやり」感。
    「森の奥で燃えるもの」。「美少女コンテスト」、「ケーキのかけら」…などなど。

    個人的に、というか、なんというか、「図鑑」は読んでいて、だんだん結末が見えてきたけれど、まさにその通になって、思わず「ひぃっ」と声を上げてしまった。

    ほんとにちょっと「ひんやり」した。

    「アリア」は少し悲しいお話しだけれど、だけど、なにかもっと違う感覚がある。

    優れた短篇ばかりだと思う。

  • (2012.11.03読了)(2004.07.02購入)
    【10月のテーマ・[女性作家を読む]その④】
    短編集です。「野生時代」1994年11月号~1995年8月号に連載。
    平凡な日常の一部が切り取られたようで、特に事件やドラマがあるわけでもない。
    だからと言って、つまらない読み物というわけでもありません。手持無沙汰で、なんか読んで時間をつぶそうかというときに、いいかもしれません。
    「アリア」「ハウス・クリーニングの世界」といったあたりが、好もしいかな。

    【目次】
    刺繍する少女
    森の奥で燃えるもの
    美少女コンテスト
    ケーキのかけら
    図鑑
    アリア
    キリンの解剖
    ハウス・クリーニングの世界
    トランジット
    第三火曜日の発作

    ●ぜんまい腺(61頁)
    「その人が生まれた時授けられた、時に関わりのある情報を、ぜんまい腺はつかさどっているの。時刻、曜日、日にち、期限、時代、過去、寿命、未来……。それらからあなたは解放されたのよ」

    ☆小川洋子さんの本(既読)
    「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子著、文芸春秋、2009.01.10
    「小川洋子の偏愛短篇箱」小川洋子編著、河出書房新社、2009.03.30
    「カラーひよことコーヒー豆」小川洋子著、小学館、2009.12.01
    「原稿零枚日記」小川洋子著、集英社、2010.08.10
    「妄想気分」小川洋子著、集英社、2011.01.31
    「人質の朗読会」小川洋子著、中央公論新社、2011.02.25
    「言葉の誕生を科学する」小川洋子・岡ノ谷一夫著、河出書房新社、2011.04.30
    「最果てアーケード」小川洋子著、講談社、2012.06.20
    (2012年11月4日・記)

  • 10の短編集。

    ふと偶然出会った人との、些細な、けれど強烈に印象に残る出来事。

    素直にきれいに終わる話もあり、
    ドキリとするような結末もあり。

    妻を持つ男と関係を持った人妻は、男を待つ間、図書館で寄生虫の図鑑を見て過ごした。
    何の未練もなく、宿主にくっついていられるなら、目玉なんて必要ない。

    結末に、思わずえーっ!wだた。
    「図鑑」

    夜明けの緑をさ迷う人々、とよく似てる)^o^(

  • 小川洋子独特の、静かで心地良い文体で書かれた短編集。大事件ではない、けれど忘れられないような物事を、とても綺麗に描いている。

  • 生と死、狂気と現実、互いに反するように見えることの境界線が曖昧になって、小説の中で絶妙に溶け合っているような感じ。

  • 幻想的でありながら生々しく冷たい、ここではない世界へと誘う短編集。
    精神的な行動における残酷さが小説の端々に染み込んでいる。

  • 全体的に、かなしい。
    森の奥で燃えるもの、と、キリンの解剖、ケーキのかけら、が特に好き。

  • さんざ探し回ってようやく手に入れた短編集。ケーキのかけらが特に好き。小川先生の話って空気が張詰めてるのにどこか鈍い感じがする。それがとても素敵。

  • 勝手に長編だと思っていて、
    なんとなく敬遠していた作品。
    小川さんの長編って、結構怖いので。
    (「ミーナの行進」とか「博士の愛した数式」は好き)

    小川ワールドをほどよく堪能できる 短編集がいいなあ(´▽`)

  • 『森の奥で燃えるもの』には、ぜんまい腺っていう不思議な言葉が出てきます。

  • 不思議なことに、誰も死なない穏やかな夜に限って、死を思い浮かべてしまう。
    (P.29)

  • こういう、ひんやりした感じのシュールな短編集ってよく見かけるよな〜・・
    ただ、私は村上春樹さん以外の方のこの手の話を読むと、どうしても“狙った”感ばかりが目についてしまうんですよね。
    小川さんは「ミーナ・・」や「博士・・」のような長編の方が好きですね。

  • 時間切れで途中断念。病院の待ち時間においてあった本を読んだ。最初の2編ほどしか読めなかったが病院にこんな死の臭いのする本がおいてあることにちょっと戸惑う。刺繍する少女母の入院したホスピスで昔知り合った少女と出会う。彼女は相変わらず刺繍していた。母との最後の時間が終わったとき彼女も姿を消す。残ったのは彼女が刺繍したベッドカバー。死と濃密になったとき現れる少女。森の奥で燃える火正確な題名は覚えていない。そこは時間のない世界。そこで燃える火はみな青い。ただずっと森の奥で燃えている火だけは赤く、時間を失う理由を知る青年。彼は愛する彼女の時間を奪う。どちらも「静謐な時間」というものが感じられ、あちらの世界とこちらの世界の教会がぼうっとするような感じがある。改めて今度借りてこよう。

  • とっても今一歩な本だった。3日経ったら内容全部忘れそう。(桐切)

  • 短編10作。1作が短いです。その分、ぞくっとくる美しさの描写より、グロテスクな部分が目立ってしまっているような気がします。表題作の「刺繍する少女」と「森の奥で燃えるもの」がよかったかな。全体的には、他に読んだ著者の作品に比べると今ひとつです。

  • 日常に潜む狂気と倦怠を描いた秀逸の短編集・・・なんちって。鋭くて残酷で悲しいものがたり達・・・かな?

  • 2007.04. 小川さんの小説と病院は、なんだかとてもよく似合う。静かな空気、消毒液の微かな匂い、隣りに横たわる死。怖くはなくて、読んでいるとひっそりした気持ちになる。

  • なぜだかわからないけど、村上春樹の文章と共通点を感じた。
    小川洋子を読んでいてそんなことを思ったのははじめて。

  •  不気味だが怖いもの見たさに、ページを捲る手が止まらない。寄生虫図鑑の話が怖すぎて忘れられない。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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