- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048729482
感想・レビュー・書評
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時々華子に会いたくなって読み返す
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同棲していた男が別れ話を切り出すところから物語がはじまり、男に出ていかれた女性のところに、彼が好きになった女性が転がりこんでくる。ありえない状況なのに、だんだん受け入れて彼女を気に入ってしまう主人公。はじまりから終わりまで、つめたい床に裸足で立っているような心細さがある。
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またしても三角関係。気持ちの悪い惰性と執着の愛情。花子の現実から浮いた清々しい性格。花子の人間味のない体と性質は人をひきつけてしまう。彼女は言った、ゲームオーバーまで逃げるのだと。「ゲームオーバー」が訪れた彼女はそれでも人間味を感じさせない。いてもいなくても浮いている、微笑を残してどこかにいってしまうような人になりたいな、という理想そのままの人が花子だと思った。
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自分の中にある感情、情景と共鳴して、すっと、身体を通り越して心に浸透していくような物語。
別れ話をした後の何気無い言葉が「勝手にとげとげしく響いて驚いた」り、「1ミリグラムの誤差もなく、正しい重量をもった『おかえりなさい』に胸がいっぱいになった」り、感じてはいるけれど言語化できなかった部分を言葉にしてくれていて、自分の中に居場所ができた気がして嬉しかった。 -
相関図にしてみたら、恐ろしいほどドロドロしてるはずなのに、江國さんが書くと、まったくそうならない不思議さ。
そこが大好きです。 -
静かな本だった。
それでいて、なんだか今日の私にぴったりとくる本だった。
また違う日に読んでいたら、評価も変わっていたかもしれない。
それでも、今日はこの本を買おうと思った。 -
終盤、自分が落下する体験。
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女性目線の恋愛小説。
恋すると怠惰になっちゃう!そんな女性心をワシヅカミにする一冊。ちょっと変わった友情模様も、泣けます。 -
初めはタイトル、雰囲気に惹かれ何気なく手にした本。
この本が私が読んだ江國さんの初めての本で、本当に良かったと今でも思っています。
この本と出逢ったあの頃の地元の駅ビル、その二階のほの暗い書店、あの空気、本の手触り、重さ
匂うように鮮明に思い出せます。
本が私を待っていてくれた、そんな気さえするのです。
帯の映画公開告知
どんなに胸踊らせたことか…
胸にずっと抱いていたい、そんな大切な大切な本となりました。
以降、古書店でこの文庫版が棚に並んでいるのを見かける度に、訳もなく連れて帰ってあげたい衝動にかられ、気付けば支払いを済ませて安堵感に包まれる
結果、家の本棚にはまるで瓜二つの姉妹のように仲良く並ぶ「落下する夕方」、それを微笑ましく眺める私
これから先、こういう思いを抱けるものに、一体いくつ出逢えるのでしょう。
少なくとも、あれから10年以上経った今…私自身色々と環境が様変わりはしましたが、この本のような特別な思いを抱けるほどのものにはまだ出逢えていないような気がします。
幸せです。