罪深い姫のおとぎ話

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 59
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048729512

感想・レビュー・書評

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  • なんか全然上手く行ってない変な経典って感じ。
    昔の童話に無理やり教訓つけている感じだけど、後書読む限り原作がそうだっていいたいのかな?

  • 眠りの森の美女(オーロラ姫)、赤ずきん、白雪姫、シンデレラ姫、人魚姫、マッチ売りの少女などディズニー映画のおとぎ話ヒロインたちの驚くべき裏面の解釈。あまりにも的確な改ざん(書き変え)!フロイトの心理分析みたい!著者はアンデルセン、グリム童話の持つ女性蔑視・軽視の思想を敢えてパロディーとしてセクシー小説にしたのだろう。
    オーロラ姫の15歳での自慰への目覚め、白雪姫への小人たちの恋情とお后への残酷な復讐、性に関心を持って外出する赤ずきんを襲う「狼」(正にガールハントする飢えた男性)との行為、幸せな結婚後の意外なシンデレラ姫の悲劇の人生、マッチ売りの娼婦少女など、そんな解釈を思いつくのは凄い妄想力だと思いきや、最後の解説では元々原本に残酷、性的な設定が多くあるのだという。私たちの童話への憧憬がこれらの話しをあまりにも美化して、差別性、残酷性などを切り捨てているということなのだろう。

  • 女の子ならみんな子供のころから知っていた、お姫様ストーリー。ディズニーアニメでもまた印象深いキャラクターたちだったのに。
    アダルティクに解釈され教訓たれられ、女の子としてはイタイ本でした。
    樋上公実子さんの素敵な表紙と挿絵でジャケ買い。

  • グリム童話やアンデルセン童話の主に女性差別が強い作品を、批評しつつパロディ化した作品集。女性に対する差別表現がこれほどかというほど強い。そういった歴史があったことを知るにはよいと思う。
    あとがきまで読み、差別について考える力がついてからでないと読めない。

  • 話自体はよく知られている童話を、部分的に強調して作り直したもの。
    挿絵がカラーなのがいいですね。

  • 元の童話の残酷さはそのままに、女性史的視点で手を入れた物語の数々でした。
    各話の最後の『教訓』は皮肉が過ぎて嫌らしい感じがして…私は無いほうが読みやすかったです。

  • 誰もが知ってるお伽話を大人向けにした感じ。
    作品の教訓があるのが面白い
    女性目線から言えば前時代的だと思うが、昔はそれが常識だったんだよねと理解した。

  • 桐生操とはまた違った感じで面白かった。
    すらすら読めるぜ。
    これも、ふらーっと背表紙見てたら眼に止まった本。
    この人の本は初めて読んだんだけど、ママソに見せたら「あら、松本侑子やん」って言われた(゜∀゜)
    赤毛のアンを新完訳した人らしい。
    今度、松本さんの他の本も読んでみたーい。

  • おとぎ話は、古いお話なので、
    憶測が度を越してしまうのでしょうか。
    と思いたいです。

  • 2007年9月4日読了。グリム、アンデルセン童話を、女性史の視点から読み解いたもの。各童話の後についている教訓に納得したり、反発を覚えたりした。

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著者プロフィール

島根県出雲市生まれ、筑波大学卒。『巨食症の明けない夜明け』(集英社)ですばる文学賞、評伝小説『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社文庫)で新田次郎文学賞。著作はイタリア、中国、韓国で翻訳出版される。『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)の日本初の全文訳を手がけ、作中の英米詩、シェイクスピア劇、聖書など数百項目を訳註で解説。金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔の日記と回想録を読解して小説『みすゞと雅輔』(新潮文庫)を発表。著書に幕末小説『島燃ゆ 隠岐騒動』(光文社文庫)、『英語で楽しむ赤毛のアン』(ジャパンタイムズ)など。趣味は編み物、洋裁、「すてきにハンドメイド」鑑賞。

「2021年 『金子みすゞ詩集 2022年1月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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