玩具修理者

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 499
感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048729529

感想・レビュー・書評

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  • 江戸川乱歩とか、夢野久作を思い起こす作品。
    どれが現実なのかわからなくなる感覚、本当に恐ろしい。

    ここに書かれているタイムトラベルって、気が狂いそう。
    何度も学会の日がやってくるとか、本当におかしくなりそう。きー!!ってなりそうになった。
    それに、名前もだけど手児奈の存在が怖かった。

    手児奈の字を忘れて調べたら、ウィキに手児奈伝説とともに、この作品が載ってた。

  • 「ドロシィ殺し」の登場人物にこの作品とリンクしている者がいるみたいなので、図書館で借りてみる。
    作者のデビュー作となっていたので、ふむふむと読み始めて……

    小林泰三さんのグロさは最初からやったんやな、と納得(笑)表題作である「玩具修理者」はこれでもかってぐらい、描写がグロい。
    でも、面白い。
    「酔歩する男」は……これはSFホラーかな?思いのほか私好みでした。難しい話が多いけど、わかりやすく書かれているからぐいぐい読めた。
    てかラストよ!!そうなるかー。


    で、シノダとチヌもドロシィ殺しに出てたよね。同一人物ではないかもやけど(てか、内容的に同一人物とは確定できない)意外とリンクしてるんやーと意外。

    他のお話も読んでみたいな。

  • 「玩具修理者」
    必ず治るけれど。
    一つだけでは修理しようとしないのは、色んなパーツを組み合わせて作るからなのだろうか。
    生き物の生死にまで関われるとなると、技術以前に普通じゃない人物だよな。

    「酔歩する男」
    話をしていたが。
    約束通り三人で話し合いをしていれば、違う未来があり死ぬこともなかったかもしれないな。
    狂っていると思った時点で止めていれば、こんなことにならなかっただろう。

  • いまひとつ、かな~。

  •  表題作は、筆者のデビュー作である短編。
     男女の会話で進む物語で、メルヘン殺しシリーズなどで見せる、とぼけた会話や執拗とも言える人体損壊描写の片鱗が垣間見える。話者が淡々としているのに痛い描写をしているので、凄みがある。
     クトゥルフの知識があったらより楽しめるのかもしれないと思った。
     「酔歩する男」の方はホラーというよりSFのように感じた。
     時間はビーズのように連なっているのではなくバラバラに存在している、という見方でアプローチするタイムトラベルもの。

  • 「アリス殺し」がめっぽう面白かったので、デビュー作とやらを。ホラー短編と銘打ってはおりますが、まるっきりファンタジーSF.グロいところ気味悪さがホラーというのならそうなのでしょうがファンタジー要素たっぷりで楽しめました。
    「玩具修理者」ゾクゾクが止まりません。最後の三行は息をのみます。
    「酔歩する男」ただの男女間のトラブルを?とも思わせながら後半なんだなんだ!と驚愕。二度読みしてしまいました。

  • 収録作「酔歩する男」が素晴らしい。

  • 玩具修理者のみなら☆10
    酔歩する男が悪いわけではない、玩具修理者が強すぎる。

  • 読んだことないと思って借りたけど、前にも読んだことあるなーと思いながら読んだ。
    タイトルにもなってる玩具修理者の方は普通に普通のグロホラーで面白い。描写がねちっこくて良い。
    酔歩する男はガッツリめのSFで読んでてわけがわからなくなってくる。たぶん根っからの文系の私には物語の筋は追えても、その実、タイムトラベルの話を100理解できてないと思う。でも不気味でゾワゾワして好き。
    作者さんの名前、ずっと小林泰三(たいぞう)さんだと思ってた。泰三(やすみ)さんなのね。

  • さて感想。面白かったね!表題の短編はどのシーンも脳内にビジョンが浮かぶんだけどそのシーンの陰陽が濃いのが不思議だった。反射が激しくて見えないような影に沈んで見えないようなイメージで浮かぶシーンが多くて本当に不思議。45ページとは思えない印象の濃さもね。短い話なのであまり多くは→語らないことにする。
    もう一つの中編「酔歩する男」はタイトルがとても好き。筆者は二日酔い時の記憶の喪失と混乱をモチーフにしたのだろうか?面白いのは血沼の二重性で、この話には二人の男しか出てこないのに3人の男が存在している点なんだよな。まあこの話に描かれたたけで実際は無限大の血沼と小竹田が存在しているのだけれど。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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