スワロウテイル

著者 :
  • KADOKAWA
3.62
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本棚登録 : 277
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048729796

作品紹介・あらすじ

あたしは自分の誕生日も知らない。国籍もない。そして名前もなかった。あたしの生まれた街はあたしによそよそしくて、肌寒くて、どこかいやなにおいだった-。孤独で貧しくて、けれど決して希望を捨てない街=イェンタウン。円で夢が叶う街。少女アゲハを通して描かれる、切なくて愛しい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 小さい頃あこがれた世界。今ある此処ではない何処かの世界。なのに今いる世界と似ているようで、懐かしい。今までで何回も読み返した本。最後に拳銃の引き金が引かれる瞬間。これだけの為に5回も6回も読んだ。華やかさの裏に、残酷さもある。その逆もまた然り。

  • 円(イェン)を求めて日本に集まってきた外国人たち。彼らは円を手に入れるためなら何でもやる。
    娼婦のグリコはなりゆきで少女を預かった。名前はアゲハ。グリコの兄や仲間たちは墓荒らしをしている。

    グリコが金を貰って寝ていた男が、アゲハにも手を出そうとしたため、グリコは隣人のアーロウに助けを求める。ボクシングの元チャンピオンのパンチで男は死んだ。死体は仲間たちが墓のなかに隠した。

    墓荒らしで手に入れた金でグリコが歌うライブハウスを作って大盛況。グリコにはメジャーデビューの話も飛び込んでくる。

    アーロウの元妻がマスコミに殺人事件の顛末を語ったことから、マスコミも代議士も動き出す。
    死んだ男は代議士の不正の証拠を持って逃げているところだったらしい。アーロウの妻もアーロウもグリコの兄も、代議士に雇われた仕事人が次々と殺していく。
    しかし、墓荒らしの仲間にはもっと強力な仕事人が紛れ込んでいたため、代議士の仕事人は返り討ちに遭う。

    仲間は半分以上死んだし、メジャーデビューの話はいったんなくなったけど、代議士の不正は明らかになったし、一件落着だ!

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    このままだと全員死んでしまうのでは、というペースで中盤以降、登場人物が殺された。
    悲しさを感じる間もなく撃ち殺される人々。イェンタウンは怖いところだ。

    浅草へ向かう電車のなかで読んだ。
    初めて登ったスカイツリー。展望デッキから見下ろした東京の街はとても広大だった。この景色のなかにはとんでもないお金持ちも住んでいるし、今まさに生まれた命もあるだろうし、ぜんぜんお金がなくて困っている人もいるだろうし、交通渋滞にイラついている人もいるんだろうな、なんてことを考えていた。

    あれだけ大きい街なら見えない部分もたくさんあるはずだ。もしかしたら鉄砲を買える店もあるかもしれない。覚醒剤が手に入る場所もあるかもしれない。イェンタウンみたいな場所もあるかもしれない。
    リンのように暗躍する仕事人もいるのかもしれない。

  • 映画化されて、一時期流行ったこともある。語り口が魅力。

  • どうやらカタカナの名前は苦手なのだと気づいた。
    終わりかたがスッキリしていて良かった。

  • 小学生以来に読んで、やっとこさ意味がわかった本。こんな話だったんだ

  • 個人的には映画の方が好き。
    charaの歌うMYWAYが泣ける。

  • 非常に読みやすいのだけれども
    それに反して痛々しいのが
    難しい文章よりも
    辛く響く

  • 温かく、かつ残酷、
    でも最後に残るのは温かさ。
    華やかなだけが幸せじゃない。
    そう思わせてくれた。

  • キャラクターが好き。どのキャラも魅力的。

  • ちょっと物語としては無骨な気もしたけれど、魅力的だった。映像用の作品だったのかな、著者のあとがきだかによると。映像があるならそちらも見てみたいと思わされた。

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著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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