- 本 ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048730167
感想・レビュー・書評
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どなたかの感想で「東京ニ十三区女」より、
こちらの方が良かったと書かれてあり、
早速図書館で借りて読む。
東京の街に絡む6つの短編に、
樋口一葉、鶴屋南北、江戸川乱歩、
泉鏡花、永井荷風、芥川龍之介という文豪たちを忍ばせ、
ねっとりした、なんとも言えない妖しい空気感を創り出す。
怖がらせようとするためだったり、
オチのために作られる文体とは、やはり違う。
抗いきれない人の情念を
短い話の中にしっかりと描かれている。
語られる東京の街に、
私も絡めとられたかように街の息づかいを感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小品ながらなかなかに読ませる作品だった。
東京という土地に焦点を当てて描かれる怪奇な物語たち。不思議と怖いの狭間を行くような作風がどういうわけか心地いい。
東京というと人が多く、騒がしいというイメージがあるが本作に出てくる東京にはそういったイメージは欠片もない。忘れ去られた、あるいは誰にも覚えてもらっていない、そういった者の無念さと哀しさ。その者たちが起こすのが怪奇なのだろうか。味わい深い一冊だった。 -
雰囲気だけで面白くない。
途中で読むのをやめた。 -
2018/1/22
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東京の下町の現代と過去を、怪奇と文豪をつなぎにして交差させる短編集。
東京下町が好きな人はもっと好きになるかもしれない一冊です。
最後の一編の中井英夫以外は誰でも知る作家ばかりを扱い、下町の昔の姿もテンポよく折り込まれて読者の興味をそそります。
ただ全体的にアイデアありきという印象を受けました。それぞれの短編のキモに、それぞれに特化した優れた作家がすでにいるために物足りなさを感じたのだと思います。
ですが中では、荷風を出した「偏奇館奇譚」は文豪の存在、怪奇、語り手の闇が非常に巧く構成されていて、長編を読んだような手ごたえがありました。
中井英夫のところは、読んでない人はちょっと分からないかもです。 -
表題から受けるほどの怪奇さは感じられず、話の終わり方もはっきりとしない感じのものが多くて読み応えが足りなかったです。
田舎者で東京の地理を知らないと言うのも読む妨げになったのかも知れませんが…。
私の中では永井荷風と踊り子の話の『偏奇館幻影』が一番良かったです。 -
208/06/30読破。
ふとした時に、ふとした奇妙な世界に入り込んでしまうことが、ありえるかもしれない。
昔からそんな妄想をした事が数度あったが、勿論、そんなことが無いことはわかっていた。
だが、これを読んだとき、小説の背景があまりにも私に密接していて、本当にあるかもしれない、ともう一度思うための
切欠を作られた。 -
可もなし、不可も無し。 怪奇と言うほどでもなく、寝る前にさらっと読了。
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なんとなくタイトルに引かれて読んでみたんですけど、う〜ん・・・。男女の関係と東京の曰くつきの土地で起こるホラー。もっとホラー色を強めても良かったのかな?
著者プロフィール
森真沙子の作品





