この闇と光 (角川書店新本格ミステリー書き下ろし)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 302
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731379

感想・レビュー・書評

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  • 『開かせていただき光栄です』を読み終えたことだし、頭の中が外国モードになっているうちにこの本も読んでしまおう…と(罠…)、数年前から読むのをずっと迷っていた『この闇と光』にトライしてみた。

    この作品内に出てくる物語の数々にくらくらしながらページをめくりました。『罪と罰』の内容を知っていたら、もっともっと深く楽しめたんだろうなぁ…と残念に思いながら読み終えましたが、途中でひっくり返りそうになるくらい驚いてしまいました。こういう風に驚いて夢中になったのは久しぶりのような気がした。もし迷っているのならぜひぜひ手に取ってみてほしいし、できればあらすじとか帯とかも見ないでまっさらな気持ちで読んだ方がより楽しめると思います。ほんと横っ面にパンチをくらったような衝撃でした。極上の「王」と「王女」が求める美の魂の在り方。楽しかった。

  • 103:読んでいてすごく不安になる本。ミステリ、というと違うけど、読者の立ち位置というか先入観がどんどん否定され、どこへ行くんだろうという手探り感に翻弄される。盲目の主人公とともに心細さに揺られる、というか。
    「父王と姫」というキーワードから異世界もの? ファンタジー? と思わせてテレビや車の単語でそれを否定し、読んでいくうちにレイアが「姫」であることも疑わしく思えてくる。舞台が現代日本であるらしいことや、父とレイア、ダフネの関係がひどく危うい、もっというなら犯罪の匂いがぷんぷんする……というところで1章が終わり、後続の章は謎解きのようでいてさらなる謎を投げかけてくるようでもある。
    私には結局、おとうさまが何を想ってレイアとの閉鎖王国を築き上げたのかは理解できなかったけど、理解できるのも何となく恐ろしい気がする。皆川博子さんに似た雰囲気。

  • お噂はかねがねだったのですが、やっと手に取れました。
    服部先生作品は初めて読みましたが、わりとオチをぼかして書かれるタイプなんだな…。
    意外とトリックとかは予想がつきやすいんですけども、さくさく読めるしミステリ初心者にもオススメできるかもですね。

  • 物語の構成が面白く、前半はどこか外国の古い話かと思いきや、後半展開がガラリと変わる。
    盲目の主人公が光を取り戻すが、取り戻した世界の方が醜く闇の世界のよう。
    何事にも光があり、しかしそれは闇にもなり得る、人もまたしかりでその対比を色々考えさせられる。
    動機も含め、終わり方はフワッとした感じで釈然としなかったが、全体的に表現の美しい文章だった。

  • 全260P程の長くない話ですが、その前半146P程かけてこの世界に引き込み、馴染ませ、染められた所で突如その世界観が全て奪われます。結局真実はどれなのか、不思議な世界を壊さず不思議な世界のままで閉じた感じで、すっきりしない感じがしました。前半の児童文学の様な読みやすさと、面白いという評価が最後まで読ませてくれましたが、それがなければ途中で読むのをやめていたと思います。

  • タイトルと文庫版表紙が気にいったのですが、図書館にあったのでハードカバー版を読みました。
    というかヤングアダルトコーナーにありました。
    目が見えないって本当に不便なんだなぁとしみじみ。
    特に絵が見えないのと、本が自由に読めないのはつらい。
    色々見事に引っかかりました。

  • ひゃー!面白かった。予備知識ゼロで読んで大正解でした。

  • お話は面白かったけど文章が少し読みにくかった。わざとなのかもしれないが、洋書をぎこちなく翻訳したような雰囲気。
    描写し損ねたのかなというシーンがいくつか見受けられた。些細な部分だったけども。

    屋敷の中の人間のことについてはなんとなく察していたけれど、主人公の性別については気づくことができなかった。

  • 叙述トリックだと聞いたうえだったので、
    どこに仕掛けがあるのか考えながら読んだ。
    最初読み始めた印象と、ちょっとひっかかった違和感が最後に「ああ、やっぱりそうか!」で回収されてすっきりした。
    何の情報も持たずに読んだら絶対驚かされただろうな…。

    それにしても面白い設定。
    目が見えない主人公が、文字や数字の概念がわかるようになる過程はそれだけで読みごたえがあった。
    5歳やそこらの子供、しかも視覚を失った子供が、
    極端に限定された知識を与えられた場合、
    倫理的なことは置いておいてどうなるかというのは
    想像するだけでなんだか興味深い。

    大変面白かったです。

  • 盲目の主人公同様ぼんやりとよく分からないまま話が進んでいき、違和感を感じ始めたら一気に面白くなった。
    やっぱり、と、まさか、の両方を味わえてよかった。
    あんな風に育ったら物の見え方もこんなに違うのか。何が真実となるかは人の内面によるのだなあと感じた。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部まゆみの作品

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