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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731805

作品紹介・あらすじ

堕天使!堕天使!この稀代の怪人は一挙に男女十数名を惨殺し、日本各地に花嫁衣裳の死体をバラ撤いた。警察の必死の捜査を尻目に、完全密室に殺人を敢行し、はたまた空中に雲散霧消したかと疑わしむるなど、その妖術はまさに千変万化。この恐るべき兇賊に狙われた人々の悲運…ところへ躍り出た義侠の名探偵がどうしてこれを黙過すべき、敢然奮起してここに知恵比べ腕比べ胆比べ、殺人鬼と雌雄を決する痛快壮烈の大活躍!!現代を代表する11人のミステリー作家による、リレー形式の「長編本格推理小説」800枚書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  •  11人の作家さんたちが繋ぐリレー小説。
     事前の打ち合わせなしに、ミステリをリレー小説で書くて、すごいことだよね。
     だって、誰が犯人とか、そういうのも決めないで進めるわけだし。
     ある作家さんが伏線と思って書いたところが、次の作家さんが拾わないかもしれないし、特に気にしないで書いた部分をクローズアップするかもしれないし。
     実際、次の作家さんで、展開をガラッと変えられてるの、結構あったしね。

     それに、この作品のオリキャラはともかく、それぞれの作家さんの既存シリーズのキャラが登場すると、他の作家さんはそのキャラをよく研究しないといけないし、大変だなぁ、と。
     口調とか、行動とか。
     まぁ、オリキャラにしてもそうだけど、やっぱ作家によって、キャラの雰囲気変わって来ちゃってますね。
     メインとなる美科由紀子さん、作家さんによって、性格も口調も変わりすぎだー。

     あと、もともと自分が好きな作家さんの章はサクサク読めるけど、そんなに得意でない作風の作家さんの章は、なかなか進まないものですね。

     それと、村瀬さんの章、いや、話としては好きだけど、1人だけこの構成は何かズルいなー、て思う。











     ところで結局、村上さんの生死てどうなったの?

  • 堕天使!堕天使!この稀代の怪人は一挙に男女十数名を惨殺し、日本各地に花嫁衣裳の死体をバラ撤いた。警察の必死の捜査を尻目に、完全密室に殺人を敢行し、はたまた空中に雲散霧消したかと疑わしむるなど、その妖術はまさに千変万化。この恐るべき兇賊に狙われた人々の悲運…ところへ躍り出た義侠の名探偵がどうしてこれを黙過すべき、敢然奮起してここに知恵比べ腕比べ胆比べ、殺人鬼と雌雄を決する痛快壮烈の大活躍!!現代を代表する11人のミステリー作家による、リレー形式の「長編本格推理小説」800枚書き下ろし。

  •  以前、「9の扉」というリレー短編集を読んで、その構想の面白さに惹かれ、同じく「リレー小説」を探し探して、辿り着いた一冊。発行年月を見て躊躇しましたが、「まずは、読んでみなけりゃぁ」とちょっと勇気を出してみました。

     堕天使殺人事件と名付けられた事件は、残酷でグロいです。そして、こんなに先が見えないのは気味が悪く、引っ張られるしひねられるしで、かなり悩んだけど面白く読みました。

     最後に各作家が「自分が書き終わった後の展開はどうなるのか」の予想が載っていた。それを読む限りでは、読者が惑わされるのは当たり前かと。。。。でもこの振り回され方は癖になりそうです。

  • ◆第一章 悪魔の犯罪・・・二階堂黎人(れいと)
    ◆第二章 天使の婚礼・・・柴田よしき
    ◆第三章 堕天使の来歴・・・北森鴻
    ◆第四章 黙示録の獣・・・篠田真由美
    ◆第五章 堕天使、空を飛ぶ・・・村瀬継弥
    ◆第六章 棺の花嫁・・・歌野晶午
    ◆第七章 殺戮の聯環(れんかん)・・・西澤保彦
    ◆第八章 アージニャー・チャクラの戦慄・・・小森健太朗
    ◆第九章 <<堕天使>>の最期・・・谺(こだま)健二
    ◆第十章 探偵、登場!・・・愛川晶(あきら)
    ◆第十一章 堕天使昇天――森江春策の推理・・・芦辺拓

    以上11人によるリレー小説。全体的な打ち合わせは一切行わないというルールの元で1つに繋がる作品を目指した。最後、各著者が今後どういう展開になると予想して自分のパートを書いたのかが記されている「『堕天使殺人事件』――私はこう予想した」が掲載されている。

    小樽運河でウエディングドレスを着た花嫁の死体が見つかった。しかも恐ろしいことにこの死体はバラバラのパーツをわざわざ縫合して作られたもの、つまり、これ一体で複数の人間の命を奪ったことがわかる死体だったのだ。時を同じくして、ある新聞社に【堕天使】を名乗る者からのビデオ・テープが届く。テープには貴公子のような男、そして怪物のような男が女性の脚をチェーンソーで切断するという凄惨な場面が映っていた・・・。

    打ち合わせが全く無い状態で繋いでいくなんて、収拾つくんだろうか?と読み始める前は思っていたが、始まってみればやはりプロの方々。よくそんなこじつけを・・・!よくそんな符合の発見を・・・!という部分が多々。←褒めてます 
    もちろん、「あれ?」「なんで?」「さっきの設定は無視?」みたいな部分もたくさんあるけれど、リレー小説ならではと思って楽しまないと損かなと読み進めた。宗教やら伝説やらまで出てきての展開はすごいなぁ。登場人物も、作家それぞれの有名(?)シリーズの主人公達が出てきているようだが、私が知っていたのは残念ながら芦辺さんの森江春策のみ(それも、前すぎてうろ覚え^^;)。最終的に推理するのはこの人だが、それまでにも何人かそれっぽいのが登場。前から知ってたらもっと楽しめただろうなぁ。しかし根津愛のフェードアウトの仕方にはびっくりした。そんなのアリか!
    物語そのものについてはなんとか完結させている(その技量はすごいと思う)ものの、やっぱり動機やらトリックやら犯人の行動やらには納得いかない部分も多い。がしかし、物語の始まりはとても魅かれる。最初の二階堂氏が全部書いたらどうなったんだろう?

  • 11人のリレー小説。

    打ち合わせなし、なので、ミステリとしては若干話が
    蛇行している感じはある。
    当然、みんな違う結末を想定して書いてるのだから。

    が、それはそれで面白いし、ほとんどの作家さんを読んでる
    私としては、色々な探偵さんがちょこちょこ出てくるのが
    とても楽しかった。

  • 11人の作家によるリレー探偵小説。
    一遍ごとに小さな謎の解決があり、最終的にどう決着をつけるかの各作家の予想付。
    試みも作品も面白かった!文庫に落ちてないのかな、これ…。

  • 試みは面白いし、事件の風呂敷の広げ方が、中盤まではワクワクさせられるものだった。

    だからこそ、中盤~終盤にかけてのグダグダっぷり、さらにはあの結末には「ええ~……」という感がぬぐえない。
    時間を返せとまでは言わないが、この無茶苦茶感は爽快ではない。
    とはいえ、終盤になればなるほど整合性を保つのが難しくなるのであろう。
    仕方がないのかな……

    でも一編の事件小説としては非常にガッカリさせられた。
    トリックも殺人の理由も「ハア?」というものだったし。なんだこりゃ、が正直な感想。

    ただ、作者さん一人一人の力量はやはり大したものだと思いました。
    よくぞまあ、ここまで繋げたな、と^^;

  • (執筆者)二階堂黎人・柴田よしき・北森鴻・村瀬継弥・歌野晶午・西澤保彦・小森健太朗・谺健二・愛川晶・芦辺拓

  • 他の方の評価は低いようだが、面白かった。
    ひとつの小説としては確かにイマイチかもしれないが、かなり興味深い。
    各作者のむちゃぶり具合とか、なんとか収集つけようとがんばってる様が文章から読み取れる。
    各作者の苦労がにじみ出ている。

  • 新世紀「謎」倶楽部著と書きましたが、その構成メンバーは
    次の11人の作家となっています。

    二階堂黎人、柴田よしき、北森鴻、篠田真由美、村瀬継弥、
    歌野晶午、西澤保彦、小森健太朗、谺健二、愛川晶、芦辺拓

    そして、この作品はこの11人の作家による、リレー推理小説です。

    11人もの人数で推理小説をリレー形式で書くという、
    大変面白い試みがなされております。

    流石に11人もの人数ですので、何もかもが綺麗に繋がり、
    そして綺麗に収まる、とはいっていないようにも思えます。
    しかし、次々と書き手が変わり、視点が変わり、状況が変わる。
    それ自体が非常に面白いと感じられました。

    また、各作家の代表作の主人公が次々と登場するのも魅力のひとつでしょう。
    生憎、私はそのほとんどの主人公を知らなかったのですが。

    ………

     彼は最後になって、そのハトロン紙で包まれた小包を開いた。
    中にはラベルも何もないビデオ・テープが入っており、一枚のメモが同封されていた。

    《特ダネを君にあげよう。堕天使より》

     メモには、ボールペンの字で、たったそれだけが書かれていた、
    小包の宛名書きを確認すると、メモ同様、教養を感じさせる非常に達筆な文字であった。

    ………

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

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