新版ダリの繭

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731874

作品紹介・あらすじ

幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリズムの巨人-サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けたこの天才に心酔してやまない宝石チェーン社長が、神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上がった推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が辿り着いた意外な真実とは?!都市を舞台に、そこに生きる様々な人間たちの思惑を巧みな筆致と見事な理論で解き明かした、有栖川ミステリの真髄。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったー♪
    こんなにぐっちゃぐちゃな事件現場も珍しいのではないかと思う混乱ぶり。
    訳が分からなくて楽しいというよく分からない状況だった。(私だけかな?)
    それでも最後にはなるほどそういうことだったのかと納得出来たし満足。
    さすが火村先生。

    火村先生とアリスさんのやりとりも面白くて、読みながら何度も声を出して笑ってしまった。
    危ない危ない…。

    この小説の中で重要な要素になっているダリについては、絵を見たことがある程度で全く知識がなく、引用されるエピソードにいちいちドン引きしてしまった。
    情熱的な天才?
    ガラとのエピソードから思い込みが激しそうな人柄を想像してしまったけれど実際はどうだったんだろう?
    少し興味がある。

    それにしてもコントロール出来ない恋心(執着心)は怖い。
    幸せで美しいだけではないということなんですよね。

  • ダリの熱狂的な支持者である、宝石会社の社長が殺されて…。という設定のためか、ダリやシュールレアリズム系の作品に対する蘊蓄や、映画「アルタードステーツ」などで80年代に一時期脚光を浴びた”フロートカプセル”(当時はタンキングと言ってたような気がする)がメインのガジェットとなる。
    犯行そのものの意外性よりも、何故ひげがそられていたのか、何故遺体がタンクにはいっていたのか?等の細部が小さな謎として散りばめられ、それがしっかり回収されるラストは鮮やか。文章はいつもながらに滑らかで読み易いし、キャラも過不足なく描かれている。
    ・・・が、この作者の作品としては謎、というよりも話が小粒だし、無駄な描写が多く退屈な部分が多々ある。
    冗長な映画を見たような気分。もっと刈り込んで良かったのでは・

  • ラストはうわァそんなことがあるのかとなる作品

  • 火村先生2作目。

    あなたにとっての繭とは??
    やっぱり二人の会話は面白い!仲良すぎ!

  • ドラマ化したことを機に初・有栖川有栖。緻密な文章の構成で最後まで犯人の目星がつかず、ミステリー好きにとって中々良い作品だと思う。また、魅力的なキャラクター達(特に例の2人)がこの物語の面白さを際立たせており、シリーズ化しているようなので、これからもどんどん読んでいきたい。(あと個人的にオチが好き)

  • 火村+有栖川コンビもの。
    東野さんちの加賀恭一郎もの読んでて、
    こっちのシリーズを読みたくなった。
    かなり初期のものですが未読だったので。
    若いです ^^;;

    本格ものにシリーズものが多いのって、
    謎解き部分が技巧的になりがちなので、
    さて、わかった真相を探偵役がどう料理するか・・・って
    ところで「小説」させる必要があるからなのかもね・・・などと。

  • いわゆる本格ミステリーを書く作家さん。必要な情報はしっかりと読者に提示してくれていたのに、結局最後まで犯人がわからなかった。残念。

  • 名前はよく聞く有栖川有栖。古風なミステリーという印象だったけど、ずばり。所々、小説の深みに入っていくように本筋とは関係のない思考がなされるが、それは本作品において全く必要のない要素だ。単純に筆者が書きたいから書いただけの錯誤。純文学なら書きたいことを書けばよろしい。しかし、ミステリーに、それも古典的ミステリーに敬重するスタイルを貫くなら、まずもって作品の純度を上げることに専念するべし。BECKのアヴァロンに出ていた年寄りのバンドみたいな感じさ。二足の草鞋を履いたような作品だった。

  • 作家アリスシリーズ2作目。相変わらず読みやすいが、本格推理かというとちょっと疑問。次作に期待。

  • 概ね予想通りの真相だった。推理してではなく勘が当たっただけのことだが。登場人物がなかなか面白い人揃いで途中までは全く犯人がわからなかったが、話が進んでも好感度が上がらない人に目をつけてみた。

    推理小説というよりは、「謎」の要素がある一般小説といった印象。

    死体が着ていた服が、果たして本当にきれいなのかという疑問は残った。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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