症例A

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732314

作品紹介・あらすじ

精神科医・榊と患者の亜左美、そして臨床心理士の広瀬。それぞれの関係を博物館の謎と絡めて描いた、多島ミステリ決定作。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にあったので借りた。初・多島作品。

    精神科病院/亜左美、榊医師、広瀬由起
    首都国立博物館/江馬遥子、岸田

    まったく接点がなさそうな病院と博物館。
    榊サイドと江馬サイドが交互に展開されて
    だんだん近づいていく。

    最初は一体どこでリンクしていくのか・・・と思ったけど
    もう8章からグイグイ引き込まれてしまいました。

    最初は榊医師のサイドが面白くて
    途中からは博物館サイドに釘づけに。面白すぎ。

    だけど終わり方が・・・(ノД`)・゜・。
    思わず、これで終わるのか~い!と。
    私には続編がないと気持ちがスッキリとしないのでした。


    あと失踪された多島さんの行方が気になるし
    心配であります。

    精神疾患ものを書いたことと、失踪が全く関係ないと
    言いきれないような気がして、ちょっと不穏な感じがしたりして。

  • ミステリとしては確かにどうかなというところはある。
    後半があまりに急ぎすぎというのも激しく同意。
    でも、久しぶりに読み応えのある物語だった。

    4/5くらいまで読んだところで、残りこんだけでちゃんと終われるの?
    やっと本編に入った感じなんだけど!
    これ前編にして後編が欲しいよ!
    と思った。

    物語では2つの場面が交互に語られ、やがてリンクしていく。
    一般的には考えられないほど良心的な医療を実践している精神病院の医師と患者の治療の話と、国立博物館に潜む謎の話。
    それぞれに興味深い展開をしていくが、なんといっても前者の描写がすごい。

    精神病の病名の特定がこんなに難しいとは。
    神経症、分裂病、境界例、…

    症状の微妙な差異を誤診すると致命的な結果を招く。
    治療もとんでもなくナーバスだ。

    そして、精神分析やDIDに対する日本医学界の現状認識。
    どこまでも慎重に正当的主張をする医師に対し、同じくらい、それ以上に慎重に客観的に診断したからこそ反論できるもう一人の医師。
    そして変わる医師。

    面白かったというしかない。

  • とても読みやすい文章でした。

    複雑な人間関係、場面展開があるのに、情景を頭に描きやすかったので、こんなに膨大な出来事が、どうしてこんなに分かりやすくなっているのだろう…と、思いながら読了しました。

    終わった後、離人症の原因のひとつと思われる児童虐待について、有名だけど、読みたい気持ちにならなかった「Itと呼ばれた子」を読むことにしました。

  • 2015.2.8読了
    精神病は病名の断定するのが難しく、誤診も多く、誤診による治療は危険でもあるということ。心の中って誰にもわからないし、自分にもわからないときがある。本人も医師も苦しい。とても考えさせられる一冊。ただ、平行していた博物館の謎は必要だった?(図書館)

  • 精神病のディテールと文章が良かった。結末は物足りない。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/10887902.html

  • 擬人化された性格の増殖。

  • 精神病の治療についての圧倒的なディテールが読ませる。2つの無関係なプロットの収束させる手際の良さも素晴らしい。でも多重人格は眉唾だなぁ。

  • 以前に努めていた病院で境界例患者を自殺させてしまった精神科医の榊
    榊は新しい病院で精神分裂病と診断されていた亜左美という患者を受け持つ

    臨床心理士の広瀬由起と治療にあたり、診断をしていく中で亜左美は以前と同じ境界例ではないかと疑い始めるが由起が解離性同一性障害ではないかと訴える
    最初は聞く耳もたなかった榊だが実際に由起の師匠である岐戸先生のところへつれていかれると・・・

    前半はこの亜左美の治療の話ともうひとりの登場人物の博物館学芸員江馬瑶子の話が平行して始まる
    江馬は博物館の展示品が実は偽者ではないかという疑いを持ちその真実を追っていく
    いつこの二つの話が絡み合うのか期待させながら進み亜左美の正体とういう点で結びつく

    多重人格の話は「催眠」とか「ISORA」みたいにホラーチックな話が多い中そういうのではなく患者が実際に多重人格なのかそうでないのかとういう精神科医目線で進んでいく
    激しいシーンなどはないがたんたんとストーリーが進みながらも博物館の謎がとけていく様や治療で亜左美の診断に悩んでいく様子に読みながらひきこまれてくる

    ラストはこれからの治療に決意する榊で終わってしまうがもっと続編を読みたくなる
    たぶんこの倍以上の物語になると思うが

    多島斗志之は自分的に当たり外れが大きい
    「症例A」と「海賊モア船長の遍歴」は圧倒的におもしろいけどあとはいまいち
    「症例A」は2読目

  • 精神科医の榊は、病院の問題児である少女・亜左美を担当するが、前任者の下した診断に疑問を抱きはじめる。彼は臨床心理士の由起と力を合わせ、亜左美の病根をつきとめようとする・・・。

    精神病に関する記述が非常に詳しく、現実的で、引き込まれるように読んでしまった。

    ただ、並行して進む博物館の文化財の贋作疑惑との絡みがいまいちで、後半は非常にあっさりと話が進んでしまった感じが否めない。ちょっと残念。

  • 読み応えある文章。
    ぐいぐい引きずり込まれる。
    その分、最後が中途半端に思えて残念だった。

    このひとの丁寧な人物描写、好きだけど、
    いつもなんだかピンとこない。

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プロフィール

1948年生まれ。広告ディレクターを経て、1985年『〈移情閣〉ゲーム』でデビュー。おもな著書に『症例A』『離愁』など。丹念な取材と計算しつくした文章で、一作ごとにまったく異なる世界を緻密に描きだし、本読みを中心に高い支持を得る

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