- Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048732314
感想・レビュー・書評
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特長は精神病理学の圧倒的なディテール。
巻末の参考文献一覧を見れば、著者がいかにその分野を徹底調査した上で本書を執筆したかが伺える。
精神分裂病、境界例、解離性同一性障害など様々な患者と向き合い、適切な処置判断を下す上での医師の苦悩が伝わる。なんとも難しい世界だ。
クライマックスは物語中盤の展開。眉唾と一蹴できないリアリティを感じた。並行して進むサイドストーリーがリンクする終盤はやや駆け足で進み、着地の仕方も謎がスパッと解決したとは言いがたいが、読後感は良い。
週刊文春ミステリーベスト10 10位
このミステリーがすごい! 9位詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
謎が残り、後味が悪い終わりかただった
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2015.2.8読了
精神病は病名の断定するのが難しく、誤診も多く、誤診による治療は危険でもあるということ。心の中って誰にもわからないし、自分にもわからないときがある。本人も医師も苦しい。とても考えさせられる一冊。ただ、平行していた博物館の謎は必要だった?(図書館) -
「<精神的にも肉体的にもヘトヘトになります。>」
あれ!?続編は!?????????
と思ってしまうぐらい、途中の超盛り上がりから、ラストへの失速が悲しい。
これで終わりなんだー。なんだか、それはちょっと待て・・・がランクが低くなった理由でござる。
私って、ラスト重視者なのね。
主人公精神科医の精神分析への抵抗など、なるほど、なるほどと読んでて理解できる分面白い。
途中からは非常にテンポよく、さくさくと読めていってしまい、これはいったいどうなるの!?と期待を物凄く持たせる。
そこで、おしまい!というなんとも言い難い1冊。 -
サイコパスとか多重人格とか流行ってたころの本で、その中でもしっかりしたまじめな多重人格もの。まじめすぎて合わねえ・・・。でも最後まで飛ばし読みしなかったのは面白かったのかな??
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解説のとうり、本当によく調べあげた上で書かれている作品。多島斗志之の本に対する、真摯な姿勢は本当にすごいと思う。
中身もそれ相応の作品となっているのでゼヒ、読んでほしい