木島日記

  • 角川書店 (2000年7月14日発売)
3.50
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Amazon.co.jp ・本 (337ページ) / ISBN・EAN: 9784048732345

みんなの感想まとめ

独特の入れ子構造と緊張感が魅力の物語で、折口信夫を題材にした作品が展開されます。特に第一話「死者の書」では、古書店の書棚にある自分名義の書物を巡る複雑な設定や、謎のキャラクターたちが織り成すストーリー...

感想・レビュー・書評

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  • マンガは刊行当時読み耽ったので懐かしいというのが第一印象。「マンガ原作者がマンガを更にノベライズする」という構造が作中の折口信夫や柳田國男の皮肉れ具合に呼応している気がする。

  • 新聞の広告コピーにあった「ロンギヌスの槍」という言葉が目にとまり、何かと思ったら大塚英志だった。折口信夫、戦前の東京、あってはならない物語、オカルト民俗学といったワードや表紙のイラスト(結構インパクトあり)にも惹かれるものがあり、珍しくハードカバー書籍を購入。

    第一話「死者の書」は始まりからイイ感じ。折口本人が書いたかどうか疑わしくもあるノートの日記に書かれた古書店の書棚にあった自分名義の書物の中にかかれてある物語という複雑な入れ子構造や、謎の仮面男、「月」(どうみても綾波レイ)という女性、謎の瀬条機関の公用語がドイツ語(これもエヴァっぽい)などの設定がゾクゾクさせる。またそもそも折口が八坂堂を訪れるきっかけとなった美蘭との出会いの坂のシーンも白日夢を思わせるようなこちら側と向こう側の境界をさまようような雰囲気があってこれまた心地よい。全体的な緊張感と入れ子構造の設定、昭和初期という時代設定から「もしやこれは『ドグラマグラ』のような物語になるのでは?」と期待した。

    ただ第3話あたりから美蘭と一ツ橋の掛け合いや木島、アーヴィング女史、土玉その他の登場人物のやりとりが全体的な緊張感を失わせており、残念ながら期待したような展開にはならなかった。次々と起こる出来事も嘘か真かの境界線上という僕の好きな領域からは大きくはずれ、なかばよくある荒唐無稽なB級伝奇もののようになってしまっているのも残念である。

    大塚自身あとがきで[これはキャラクター小説であり、コミックとタイアップして表紙にアニメ絵の1枚でもつければ売れてしまうようなジャンルである]というようなことわり(言い訳?)をしていることから、もともと僕が期待した方が間違っているのかもしれない。

    ただこれがコミックのノベライズというのにはちょっと驚いた。最初の1・2話あたりを漫画でやるというのは(しかも角川の少年エース増刊らしい)結構キワドイのではないだろうか。

    謎の組織がどうしたこうしたというのは「多重人格探偵サイコ」にもでてくるようなので、小説版でも読んでみようかとも思う。

  • 【14】

  • 原作ではなく作画に問題あり。

  • 漫画よりわかりやすい。

    死者の書で有名な折口信夫。
    それに惹かれて読み始めた木島日記。

    うん、面白い。

  • 以前、同タイトルのコミックを読んだことがある。
    今回懐かしくなったので読。

    折口信夫を狂言回しとした、
    様々な奇妙な出来事が語られる。

    個人的には、漫画版では良く分からなかったり、
    割愛されているところを補完してもらった感じでありがたかった。
    その分、冗長すぎるというか説明がくどいと感じた所もあったのだが。

    どうせなら挿絵をもっと入れて欲しかったなぁと思う。
    うーん、また漫画版の方を読みたくなった。

  • 漫画の方を読みたい。以上。

  • 話の筋は面白い。けれど、説明し過ぎて小説としては美しくない。作者いうところの「キャラクター小説」としては妥当な形なのだろうか。「ぼく」は謎の日記を手に入れる。その日記の文章を引用し、またその日記に登場する人物を折口信夫であろうと考え小説に仕立てた。その日記を元にした小説では、日米開戦の近付く不穏な空気の中で民俗学者・折口信夫の周囲には奇怪な人物が集まる。軍部の野望、軍と関係の深い研究機関の暴走、同盟国ドイツの思惑、その渦中に放り込まれ折口信夫は現実とは思えない体験を重ねていく。

  • なかなか私好み。ほんとは漫画から入りたかった。こういう日本民族のルーツが見られる話は興味深い。郷土史とか。うわっつらの年号だけ覚える歴史はつまんなかったけど、歴史の裏側や当時の風俗が分かるのは楽しい。

  • 古本屋で購入。民俗学を題材にした、ミステリー、オカルト(?)なんだろうか。エンターテイメントとしては楽しく読める。
    ただ、一個一個のネタについてのツッコミが甘い気がするのがちょっと気になった。
    コミックのノベライズという点は重要なのかもしれない。

  • コミックのノベライズなのですが、コミックは読んでません。
    舞台はオカルト万歳な昭和初期です。
    実在の人物もいじっているので、リアルと混同しそうになりますが、あくまでこれは大塚英志の世界。
    怪人物ばかりが登場するなか、比較的まともなのが、狂言回しな折口博士。
    基本的には折口博士の日記を小説化するという形式で進んでいきます。
    まぁ、オカルトネタの豊富なこと。学窓会まで出てきたり。
    面白かったです。
    ちょっと読みづらい感じはあったけど、そこそこのスピードで読めました。
    あとがきがちょっと愉快でした。思わずうなづいたw

  • 「あとがき」を読んではじめて知ったが、このハードカバーはコミックのノベライズ版とのこと(原作者は同じ)。

    昭和初期、民俗学者の折口信夫は偶然に古書店「八坂堂」に迷い込む。その店にはオカルト紛いの歴史書に混じり、折口が構想中の小説が新刊書として置かれていたのだった。奇妙な仮面を被った主人・木島平八郎が語る奇妙な話。木島に「取り憑かれた」折口は、次第に奇妙な人物、奇妙な事件に巻き込まれていく……。

    長編ではあるが連作短編の形を取っており、全部で5話(最終話のみ前後編)が収録。ロンギヌスの槍、偽天皇、ユダヤ人満州移住計画、サヴァン症児を利用したコンピューター……と昭和の闇に埋もれた事件が語られていく(無論フィクション)。

    作者は「多重人格探偵サイコ」の原作者でもある。あの世界が好きな方には楽しめる作品だろう。ちなみに自分は、作品の面白さとは別に、この作者の物言いがどうも好きになれない。それは読み手の勝手だろうけれど。

  • 木島平八郎に憑かれていらい折口先生の周りで起こる
    おかしな事件や奇妙な人々の話し。

    どれも夢と現が曖昧で
    確かにあってはならない話しばかり。

    結局この先どうなったかは分からないけど
    この話しの雰囲気 大好きです!!

  • 戦争の足音が聞こえてくる時代を舞台に繰り広げられる怪しげな「あってはならない物語」。この雰囲気、好きです。

  • あってはならない物語。

    昭和初期の東京。民俗学者にして歌人の折口信夫は古書店「八坂堂」に迷い込む。奇怪な仮面で顔を覆った店主・木島平八郎は信じられないような自らの素性を語り始めた…。

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    漫画「木島日記」のノベライズかと思ったのだが、少々違った。折口信夫の日記を書き写したものを、「わたし」が見つけ、それを小説化したもの、ということらしい。
    偽天皇、ロンギヌスの槍、人魚、六族協和に河豚計画、二・二六事件やら、伝説と現実の物語をうまい具合に組み合わせている。この人の本は初めて読んだが、なかなか面白かった。

  • 世の中にあってはならないものは、世の中に必要なもの。

  • 帯背
    オカルト民俗学小説!

  • 森美夏の漫画である方が・・・とか言わない。

  • ミステリー・・・カテゴリでいいのか?
    大塚英志の中で好きな作品。

  • 面白かった!こういうどうでもいいくだらないおもしろい話がものすごく好き。そしてオタくさい。何がかっていうと、美蘭の様子とかしゃべり言葉のチョイスとか大上段に構えている人たちとかあとキャラが濃すぎるところ。と思ったら、解説はキャラクター小説ということだったのでへえ納得。あっこういう風に組み立てているのだな、とか毎度セオリー的な話の流れ、章が進むにつれて主人公たちと近しくなっていく様子はまさしくキャラクター小説だなとおもった。一ツ橋くんや折口博士はもう、私の中で歩き出している。あと、これは長年の疑問なのですが、オタの人たちの発想力と言うか何でそんなこと考えるんやろというのが気になる。この本で言えば、美蘭が使われた測定器とか、犬さんの終末観(世界の時間の流れが一つ一つの事象について全部ずれてきて、どんどんずれていって、もどって何事も無くまた新しい世界が始まる)

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。国際日本文化研究センター名誉教授。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『木島日記』『多重人格探偵サイコ』『クウデタア<完全版>』(KADOKAWA)他多数、評論に『暮しのファシズム』(筑摩選書)、『「14歳」少女の構造??大塚英志まんが評論選集80’s-90's』(ちくま文庫)、『感情化する社会』(太田出版)、『大政翼賛会のメディアミックス』(平凡社)『日本がバカだから戦争に負けた』(星海社新書)、他多数。

「2026年 『「学問」の本筋 柳田國男と双極の民俗学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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