八月の博物館

著者 :
  • KADOKAWA
3.47
  • (26)
  • (24)
  • (57)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 290
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732598

作品紹介・あらすじ

20年前の夏の午後、終業式の帰りにふと足を踏み入れた古ぼけた洋館。そこで出会った不思議な少女・美宇。黒猫、博識の英国人紳士。"ミュージアムのミュージアム"であるというその奇妙な洋館の扉から、トオルは時空を超えて、"物語"の謎をひもとく壮大な冒険へと走り出した-。小説の意味を問い続ける作家、小学校最後の夏休みを駆け抜ける少年、エジプトに魅せられた19世紀の考古学者。3つの物語が融合し、かつて誰も経験したことのない感動のエンディングへと到る。20世紀の掉尾をかざり、エンターテインメントの新世紀到来を高らかに告げる長編書き下ろし。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ベストSF2000年5位

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • これは是非、ハードカバーで読んだほうがいい。
    宝物の一冊です。

    どこにでもいける扉があったらいいな
    どこでもドアみたいなんじゃなく。

    単に夏のじっとりした空気を感じるだけでもこの本はおススメ。

    日本・エジプト・フランス・万博

  • いいかげんあちこちに積み上がってる本達を、綺麗に並べてあげたくて本棚の整理をしようと、この作品を手に取った。
    初版本であったので、ほぼ15年前に読んでずぅと眠らせていたらしい。
    内容に関しても、ほぼ記憶がなかった。

    読んでみて、なるほど、昔の私ならきっとなんだこれ?と読んでいたに違いない。

    で、現在の私も物語にドップリ浸りきれないまま読み終わってしまった。
    読み終わってしまってからフト気がついた。
    ひょっとしたら、そういう読み方してもいい物語だったのかもしれない。

    なんとなく納得。

    ただ、私の小学生時代、今まで見てきた私の知ってる小学生6年生は、主人公トオルのように聡明ではない。
    だから、ドップリできなかったのかも…

  •  タイトルとヴンダーカンマー的な装丁に惹かれて読みました。複数の話と様々な要素が絡み、それらが収束していく展開が面白いです。
    (一般担当/take)

  • 資料番号:010235307
    請求記号:F/セナヒ

  • 20年前の夏の午後、ふと足を踏み入れた洋館で出会った不思議な少女・美宇。黒猫、博識の英国人紳士。その奇妙な洋館の扉からトオルは時空を超えて、「物語」の謎をひも解く壮大な冒険へと走り出した。

    三者の視点から物語が進行し集束していく。とにかくわくわくして物語に引き込まれいく。読後感が心地よかった。
    子供の時に読んでおきたかったなと思う。

  • 随分前に買って、名作!と思ってとっておいた本。
    久しぶりに読み返してみた。
    終わりのほうがなんだかむにゃむにゃだけど、発想とても好きだ。
    読み終わって思い返すと、けっこうむちゃな話なんだけど笑
    博物館、美術館、とても楽しい場所。
    いつもわくわくする。
    その感じを小説にも感じることはある。
    小説とは何かをテーマにしてしまった、ある意味では前代未聞の小説。
    物語は必ず作為的なもので、自然でしかなかったらそれはエッセイか日記。
    そこに疑問を持っちゃったら、作家は悩ましいよなぁ。

  • 上野の国立科学博物館に何十年ぶりに行って来ました。インスピレーション満たしてくれるよ!

  • 1/130803

  • 16世紀のエジプト考古学者オーギュスト・マリエット。その物語を描く作家(トオル)と、作家自身の小学六年生の時代のトオル(亨)。いくつもの視点から織り成される瀬名氏のSF小説。

    ちょっとネタバレですが、既に挙げた視点の他にも、さらにその作家のトオルを描く作家(本当の未来のトオルという位置付け)も登場してますます複雑。しかも、その関連性そのものを物語の中で言及した上で、物語自体の解決のキーともなるという、ある意味かなり挑戦的な作品です。・・・って、読んだ人にしか意味が分かりませんよね、このレビュー。

    SF的な要素については、表紙や巻末の「故 藤子・F・不二雄先生に捧ぐ」の言葉からも分かるように、ドラえもんを思わせる設定や表現が随所にでてきます。ミュージアムはどこでもドア?満月博士って魔界大冒険ですよね。個人的には大好きです。瀬名氏は、後にドラえもんの鉄人兵団の小説版を書かれるんですが(既読)、ホントにドラえもんがお好きなんだなあ、と思います。

    また、この小説は後に戯曲「アイーダ」の原案でも有名になる考古学者、オーギュスト・マリエットを視点とした16世紀エジプトの時代小説の要素も持ちます。本当に盛りだくさんで、一回では全てを吸収しきれない、そんな小説かもしれません。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年、静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)在学中の95年『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞し、作家デビュー。
小説の著作に、第19回日本SF大賞受賞作『BRAIN VALLEY』、『八月の博物館』『デカルトの密室』などがある。
他の著書に『大空の夢と大地の旅』、『パンデミックとたたかう』(押谷仁との共著)、『インフルエンザ21世紀』(鈴木康夫監修)など多数ある。

「2010年 『未来への周遊券』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬名秀明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×