ユリイカ

著者 :
  • KADOKAWA
3.24
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本棚登録 : 79
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732673

感想・レビュー・書評

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  • バスジャック事件に巻き込まれ、
    人生が狂ってしまった人たちの悲しいお話。
    三島賞受賞、映画のノベライズ本。

    何だか色がない本だな、と思った。
    ずっと暗くて静かなんだけど、それはただの狂気で。
    あまりにも客観的に書かれすぎていて感情移入ができなくて、
    でもそう書かないとこの本は成り立たないな、とも思う。
    今まで読んだどの本とも違う、漣のようだった。

    Hello,hello,can you hear me?

  • 気になりつつもまだ観ていない映画『ユリイカ』のノベライズ。
    映像を観た後で原作を読む(あるいは、原作を読んでいて、後に映像化されたものを観る)ということはあるけど、映像をノベライズしたものを先に読むことはあまりないので、(しかも今回は映像も観ていないので)どうかなぁと思いながらページを開いた。
    最初は、登場人物が多いし、場面展開も早くて、混乱し、状況を把握するのに苦労したけれど、読み進むうちにだんだん人物やつながりがわかってきて、どんどん読むペースが早くなり。
    最後の1/4くらいは、止めることができずに読み切った。
    これは映画も観なくちゃと思った。

  • 映画とノベライズとの見比べ。映画でカットされた背景が小説でわかる部分がある。真の旅先のことなど

  •  和田たんぽぽ読書会1月の会で感想を述べあう。
     初めより登場人物が多く複雑なので、人間関係図(家系図を含む)を作ったという方が、何名かいた。また2回、3回読んだという方がいて、熱心さに僕は驚く。
     最後まで読んでも、題名の「われ発見せり」にどこが結び付くのかわからない、という意見が出た。映画が先に制作された小説なので、映画を是非観たいという方がいた。
     バスジャック事件が多くの人の運命を変えてゆく物語で、西鉄バスジャック事件(僕は覚えていない)を基としたらしい。結末は穏やかだが、暗い印象の作品だったという意見に、同意する方がいた。
     僕は2/3くらいのページまでしか、読んでいないことを告げた。耐えられない程の苦しみを背負うと、人は死ぬか狂うか宗教に走るかする。しかし多くの人の苦しみの量は決まっていて、安楽と釣り合う、と感慨を先輩が洩らしたことに同意する。主人公のように、これでもかという程に災難が降るのは、珍しいと僕は述べた。これは小説だから、と応じる方がいて、僕も自分の人生とくらべてもいけないと、受け入れた。
     40代の作者の作品で、この世界を描いたことは驚嘆する、と述べた方がいた。

  • バスジャック事件で人質となった運転手の沢井は、乗客の兄妹直樹・梢と共に助かるが、心に深い傷を負う。
    彼は街から失踪し、兄妹も母の家出、父の自殺後心を閉ざし二人だけの世界に引きこもってしまう。
    二年後、街に戻ってきた沢井は、兄妹の家に同居し家族のように暮らし始めるが、同じ頃連続して殺人事件が起き、そして―沢井がとった行動とは…。
    (アマゾンより引用)

    もとは映画らしい(;・д・)
    映画のノベライズ。

    だから、なのか何なのかちょっと分かりづらい(`ε´)
    映画で映像として観るぶんにはいいかもしれない。
    ってか、映画を観た後で読んだら面白かったかもしれない。

    バスジャックされたバスの運転手の心情を描いたお話だけど、正直あんま面白くなかったなぁ…(-_-;)

    現実から邂逅に入る映画によくあるタイプだけど、これを小説でやられるとまぁ何と分かりづらい
    最後にまたプロローグ読み直したりして…

    イマイチでした!!

  • 映画からのノベライズだからか、場面の転向が突然で物語をつなげるのが大変、そして妙に説明が多い文章につかれた。あいつはどうなった、こいつはどうなった、というなんとも消化不良なまま終わってしまった。

  • 梢 久留米 源平合戦 プロゴルファー ファッションモデル ログハウス 田村直樹 アキラ 東京 沢井 バスジャック 饂飩 八番ライト茂雄 均 桂子 弓子 秋彦 雲仙普賢岳 焦燥 悲観 四つの墓 松岡
    ユンボ【jumbo】削岩機・掘削機などを載せた大型台車。商標名。◆英語の発音はジャンボとなるが、土木現場ではユンボと呼ぶ。
    甘木市(あまぎし)は、福岡県の中央に位置していた市。2006年3月20日に朝倉町、杷木町と対等合併し、「朝倉市」となった。

  • 再生を望む。映画も見よう。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    九州のある地方都市。バス運転手の沢井はバスジャックに遭遇し、直樹・梢の兄妹とともに生き残るが、事件によって心に深い傷を負う。そして、世間の興味本位な中傷。―それぞれの家庭が崩壊していく。二年後、消息を絶っていた沢井が街に戻ってくるが、同じ頃、連続殺人事件が起きて…。カンヌで世界の絶賛を浴びた、癒しと再生の一大叙事詩。新進気鋭の監督、青山真治が自ら小説化。

    内容(「MARC」データベースより)
    九州のある地方都市。バス運転手の沢井はバスジャックに遭遇し、直樹・梢の兄妹とともに生き残るが、心に深い傷を負う。カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞などを受賞した作品を監督自ら小説化する。

  • 読んだのはこれで二回目。
    全編にわたってトラウマ語りが展開されます。

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著者プロフィール

1964年7月13日、福岡県北九州市門司に生まれる。立教大学英米文学科卒。
1996年『Helpless』で劇場映画監督デビュー。2000年『EUREKA』がカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞をW受賞。同作の小説版が三島由紀夫賞を受賞。2011年『東京公園』でロカルノ国際映画祭金豹賞審査員特別賞受賞。2015年度まで4年間、多摩美術大学映像演劇学科教授。2016年度、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科の学科長を1年のみ務める。2020年公開の『空に住む』が遺作となった。2022年3月21日逝去。

「2023年 『青山真治クロニクルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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