月魚

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 851
レビュー : 165
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732888

感想・レビュー・書評

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  • 「古書無窮堂」店主の真志喜とその友人瀬名垣のお話。
    「水底の魚」と「水に沈んだ私の村」の二つ。

    しっとりとしていて・・・せつなくて、さりげなく微糖で
    そこがまたいい感じだし、うまいです。さすがです。
    純文学っぽい仕上がりなので、ゆっくり読書しました。

    個人的なイメージは=水と夕方、オレンジ色=
    表紙のシックな図柄は“真志喜”のイメージっぽい。


    古書のことが書かれていて深い部分があります。
    しをんさんは古書とか愛してやまないのだろうなぁ・・・
    古書だけでなく本に対する愛情が伝わってきます。
    私も本との出会い、大事にしなきゃ!って思いました。

    タイトルがなんで「月魚」なの?って思っていたけど
    由来が分かるシーンが静かで幻想的で好き。

    しをんさんは何を書いても面白かったり、美しいですね。好きです。

  • これはいわゆるBL(ボーイズラブ)なのでしょうか。
    直截な表現は出てきませんが、匂わせる以上には全体的に漂い続けています。
    美青年の古書店店主と、ワイルドな天才古書店青年が過去に縛られながら、お互いの存在に惹かれあいながら付かず離れずの関係をしている話です。
    古書店の業みたいなものがもわもわしていますが、ビブリア古書堂の事件手帖でもそうでしたがそんなに薄暗い怪しい世界なんでしょうか。ただの読書好きには縁遠い世界です。
    連作で後半の話はさらにBL臭が漂っています。完全に趣味の世界なんだろうなあ。
    美しい世界観なので読んでいて気持ちいいです。

  • 古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
    二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
    瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
    しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
    透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
    月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。

  • 由緒ある古書店に生まれ、その店を継いだ真志喜(ましき)。
    古書の世界に魅せられ、本卸しとなった瀬名垣。
    彼らの関係は、兄弟のように育ったことにより育まれた部分もあるが
    真志喜の父が姿を消したことにより、それぞれが罪の意識を背負っていることによる影響が強い。
    ある日、村の旧家の古書買い付けに出向いた2人はそこで意外な人物に出会う…。

    美しい本でした。うっとりしてしまう。
    「まほろ」でも多田と行天は過去にとらわれていけれど、
    行天があっけらかんとしているので
    過去が話題にされるシーンがありました。
    本作の真志喜と瀬名垣の場合、
    強がったり、相手を思いやったりした結果言えない気持ちが多くて、お互いその話題を最後まで避けるのです。
    更に傷を背負ったからといって後悔していないから、より深くて複雑。
    その罪の意識の上で互いを思い合う故に成り立つ
    美しい関係に心を奪われます。。。恍惚。
    皆さんも虜になれば良いさ。

    そして美しいのは二人の関係だけではなく、それを綴る文章もなのです。
    どうやったらこんな文章が書けるのだろう。
    三浦作品の中で抜群でした。

  • 【0511・めも】図書館で借りました。独特のひんやりとした空気感が新鮮。
    自分まで『無窮堂』にいるような気分になります
    ましきと瀬名垣の会話が格好よかったり、意味深でドキドキします。

    初めの印象は変わらず、
    続きが気になって気になって次々ページをめくる訳ではなく、ゆったりと、かみしめながら読む事ができました。
    Fのつくおなごなので、どうしても萌えざるを得なかったのですが(笑)
    でも、すごく澄み切った、綺麗だけれどどこか切ないお話でした。

    ましきと瀬名垣、みすずと秀郎の関係性というか、すごく良かったです。
    そしてましきちゃんのひとつひとつの所作が美しい(^////^)

  • かたや、古書を探して売りさばく
    ひょうひょうとした若い男、
    かたや、老舗古書店の若い店主。
    幼なじみで互いに
    言いたいこと・したい態度を取りつつ 、
    過去の重荷のような本音は言わず、責めず、
    しかし相手の存在を頼りにしていて
    なおかつそれを自覚している仲。

    三浦しをん作品の虜になりました。

  • Y

  • ホモ小説

  • 耽溺とか、耽美とかといった言葉でごまかす必要はたぶん、ない。

  • しおんさん、恥ずかしながら初読み。
    古書の世界とても奥深くて、学生の頃通った神保町の古書街を思いだし、それだけでもどんどん惹かれて読めた。
    そして風貌も性格も正反対の二人が、自分の気持ちに膜を貼りながら大切に思い合うような距離感が、なんとも絶妙に描かれていた。
    真志喜の父との別れとなる子どもの頃の出来事、そして10年後の再会が、二人の気持ちと関係性に大きく関わるのだか、それが古書に起因するというストーリーがよく仕立てられ、とても好きなお話だった。
    M県の山奥にある旧家も、着物で現れる未亡人も横溝正史か?のような、幽玄ともいうような、特別な世界観をかもし出すのに一役かっていた。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。小説家。2000年『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞、15年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞受賞。

「2020年 『自転車に乗って アウトドアと文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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