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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784048732888
作品紹介・あらすじ
古書店『無窮堂』の店主・本田真志喜と幼馴染で「せどり屋」の瀬名垣太一。田舎町の旧家に買い付けに行った先で出会った人物は、二人の「罪」を呼び起こした。新進気鋭の女性作家が描く「罪」と「再生」の書き下ろし
感想・レビュー・書評
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常々思っているのですけど…
その昔文豪が書いた物は純文学とされ、私小説とされても嫌悪感を抱かれず絶賛される。
人がする評価って勝手ですね…
BLなどというジャンルが無い時代にもそういった作品はあったわけですが、あからさまな同性愛を書いた物は現在BLという括りで一般文芸よりも下に見られています。
一般文芸を読んでいると時々匂わせBLがありますが
匂わせBL…新たなジャンルです。
わたしが勝手に作りました( ̄▽ ̄)
憧れ、依存、執着、それ故の憎しみ等々…
匂わせBLなどと言うと批判されそうですけど笑
この「匂わせる」が意外に難しい。
あからさまなのは問題外です。
しをん作品なら「まほろば」漫画だと雲田はるこの「昭和元禄落語心中」なんかそうですね。
しをんさんのBL愛は半端なくてご本人の細胞がBLで出来ていると言っても過言ではないと思います。
だからこそ、しをん作品の男性は色っぽい!
「まほろば」もそうですが、この「月魚」も過去の罪を共有し離れられない。いや、離れたくないから罪を引きずっている。共依存であり両片思いの2人です。
何の内容もないレビューを朝から語ってしまいましたが「月魚」はよかった笑
以下しをんさんのインタビューから
『月魚』ははるか昔すぎて、あまり覚えていないのですが、なるべく繊細な感じに研ぎ澄ました文章で書きたいなと思っていた気がします。前述のとおり、私は「JUNE」に載っていた小説が好きでして……。当時は「耽美系」といったように呼ばれていましたが、そういう耽美なムードを醸しだせたらいいなと願って書いた一作です。
お互いに好き同士なのに、いろんな事情があって素直には気持ちを伝えられない、というの、萌えますよね……。
大好きだ‼︎三浦しをん‼︎
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古書店「無窮堂」の店主の真志喜と幼馴染の瀬名垣の、お互いが必要としているのに過去の出来事に囚われて素直になれない、でも離れずにそばにいるという関係が心地よかったです。
書物の命は長い。何人もの間を渡り大切にされてきた本は、老いることを知らずに「無窮堂」でのんびりと次の持ち主が現れるのを待っている。
しをんさんが書く古書の世界はとても興味深く読みました。面白かったです。
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読んでいる間ずっと、独特な静けさのある雰囲気が漂っていた。過去に因縁があろうとも、瀬名垣と真志喜がずっと連れ添っているのは、夏にトマトを差し出したあの日に運命付けられていたかのように惹かれ合ったのだろう。また、古書店は目当ての本が無いイメージしか無かったが、本と人を何年も経て繋ぐ素敵な役割があるのだと知れて良かった。二人がこれからも水底にひっそりとある月のように平穏に優しく光る関係を続けられますように。
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これはいわゆるBL(ボーイズラブ)なのでしょうか。
直截な表現は出てきませんが、匂わせる以上には全体的に漂い続けています。
美青年の古書店店主と、ワイルドな天才古書店青年が過去に縛られながら、お互いの存在に惹かれあいながら付かず離れずの関係をしている話です。
古書店の業みたいなものがもわもわしていますが、ビブリア古書堂の事件手帖でもそうでしたがそんなに薄暗い怪しい世界なんでしょうか。ただの読書好きには縁遠い世界です。
連作で後半の話はさらにBL臭が漂っています。完全に趣味の世界なんだろうなあ。
美しい世界観なので読んでいて気持ちいいです。 -
昔、試しに読んでみた恋愛小説があまり面白いと感じられず、それ以来ジャンルそのものを避けて読んでいた。それでも好きな要素があれば進んで読めるのでは? と思い、BL要素のある小説を探してこの本に辿り着いた。
この小説のジャンルが恋愛小説かというと首を傾げるが、間違いなく言えるのはたしかに求めていたBL要素のある小説だということ。それもただ匂わせるだけではなく全体的に織り混ぜられており、登場人物の言動や独白に滲んでいる。滲んでいるという表現はやや弱く感じられるため不適切か。
先が気になりページを捲る手が止まらなかったのは久々の体験。
ネタバレになるのでここにはつぶさに書かないが主要登場人物の感情とともに紡がれていく物語には個人的に意外性を感じ引き込まれた。加えて古書店がどのように経営されているかにも詳しく取材されており、自分の知らなかった業界に触れられて新たな知見が開けてよかった。
描写が瑞々しく、どちらかといえば平易な文体であるためどの場面もさっと目に浮かぶような心地がした。
最初に触れた通りBLなので、それが嫌いな人は読むべきでない。
というより自分は本の評判をある程度見てから実際に読むかどうか決めるので、BL嫌いな人はこの本をなぜ手に取ってしまうのだろうかと思う。前情報を全く入れずに読みたい層なのだろうか。 -
幻の古本に人生を変えられた人達の話。
古本屋の書き方や、父親との葛藤については面白い。
ただ、恋愛については、いまいち好きではないかな。
大事なことは言葉なしでも通じあえるという感じが、物足りないかも。 -
ざっくり言えば、老舗古書店の若き店主と、卸を生業にする幼馴染の青年二人が、幼い頃に起きた出来事を発端とする罪悪感と依存に長年縛られ、もだもだする話。BLの雰囲気がそこはかとなく漂っているので、苦手な人は避けるべし。古書が絡んでいるものの、そちらに重点を置いているわけではなく、でも古書が味わいにプラスとなってはいる。とりあえず、作者がすごく楽しんで書いたように見える本だった。
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古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。 -
【0511・めも】図書館で借りました。独特のひんやりとした空気感が新鮮。
自分まで『無窮堂』にいるような気分になります
ましきと瀬名垣の会話が格好よかったり、意味深でドキドキします。
初めの印象は変わらず、
続きが気になって気になって次々ページをめくる訳ではなく、ゆったりと、かみしめながら読む事ができました。
Fのつくおなごなので、どうしても萌えざるを得なかったのですが(笑)
でも、すごく澄み切った、綺麗だけれどどこか切ないお話でした。
ましきと瀬名垣、みすずと秀郎の関係性というか、すごく良かったです。
そしてましきちゃんのひとつひとつの所作が美しい(^////^)
著者プロフィール
三浦しをんの作品






その時は何の前情報なしで読んでましたが匂わせBLだったんですねw
その時は何の前情報なしで読んでましたが匂わせBLだったんですねw
まほろばも読んでるし笑
まほろばも読んでるし笑
けど、読んでるということは匂わせBLはいけるのか?
いや、いけないですよ〜w
けど、読んでるということは匂わせBLはいけるのか?
いや、いけないですよ〜w