おしろい蝶々

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 206
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732895

感想・レビュー・書評

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  • こういうお話是非もっと書いて欲しい。
    こんなに綺麗な文章を書くお方だとは知らなかった…
    この本が埋もれてるのがほんとうに勿体無い…
    全体的にものすごく綺麗で和風、BL感漂ってるけど、JUNE系とか商業BLほどあからさまな感じがしない。
    救いはないのに上品で綺麗に終わる。
    耽美、退廃とか好きな方是非。

    特にお気に入りなのは、おしろい蝶々と花影。
    すごーく救いがなくて残酷な話なのに、静かな空気感の中で話が閉じていく。完結された世界観。
    ほんとうに美しい…

  • 皆様お書きになっていますが、耽美で退廃的で、尖っていて。
    美しい怪異譚の1冊です。
    残酷で儚い物語がお好きな向きには、お勧めします。

    以前に他のアンソロジーを拝見して、すっかりファンになったので
    今回はこの作者様の作品だけを読みたくて借りてみました。

    江戸から昭和の初期、戦争前の、華麗で懶惰な空気が作品に
    満ちていて、江戸川乱歩・泉鏡花・永井荷風などの影響も感じます。

    個人的には皆川博子さんなどの世界観にも近いような気がします。
    怖いのですが品がいいので、嫌味な感じはありません。
    擬古文が大丈夫な方なら問題なく読めます。

    覗いてはいけない万華鏡のような世界ですね。

    風邪っぽくて詳しいレビューは書けませんが、読み応えのある本でした。

  • 美文は記憶に残っていたが、こんなにも男しか出てきてなかったか。
    「闇月夜」が理想的すぎてどうしようもない。

  • CLAMPさん目当て。
    一編ごとに挿し絵の雰囲気が変わっていてかなり良かった。
    綺麗すぎます。
    内容も不思議な空気が出ていて素敵だった。
    結構前に読んだ。

  • 短編集。
    CLAMPが装丁挿絵で綺麗。

    この本はホラーに分類されるのかなぁ…。美しい日本語というか耽美です。
    さりげなく男×男なのです。和が好きな人におすすめです。

  • だから七海先生怖いですって…っ!!(ビクビク でも、文章の美しさ、世界の綺麗さは半端ありません。胸の中がきゅんとするくらい、涎が出るくらいにその美しさが乗っています。触られているような恐怖まで感じる物語。でもこれはホラーに分類していいのかわからないですね。そして短編集です。

  • 美しい文章で独特の世界観があります。華やかで幻想的な美しい情景と悲哀に満ちた物語です。自分の鈍い頭ではついていけない部分もあり……。雰囲気を味わいました。

  • 全部の話が、退廃的で不謹慎ながら非常に萌えました。「琅扞物語」最高です!

  • 真っ昼間の花街の暗がりに浮かぶ白い手首は、まるで蝶々のように私を誘う……表題作ほか、蛇屋の二階の美少年との逢瀬を描く「夜の孔雀」、都落ちした貴族とその従者の行く末を描く「琅玕物語」など全6短編。

    装丁・装画 / CLAMP
    初出 / 『ASUKA』(角川書店)、『Amie』(講談社)、『青春と読書』(集英社)、『妖かしの宴』(PHP文庫)、書下ろし1編。

  • ☆おしろい蝶々
    甘くて暗い闇にどっぷり浸かっていた二人だけど…
    うーん、そういう類の幸せって、きっと長くは続かないものなのね。

    ☆夜の孔雀
    二人して堕ちているときはいいけれど、片方が現実へと帰っていく(目を醒ます?)ときのもう一方の反応が怖いよね。温度差がはっきりとわかって。
    なぜ明るく幸せになれないのか、亮ちゃんよ。
    想いのすれ違いって、悲しいね。
    もったいない?って言うとちょっと変だけど、
    好きなことに代わりはないのに、それが伝わらないなんて。

    ☆琅玗物語
    私だって大切な人のためなら、たぶん三郎君と同じことすると思う。
    でもそれが「君」の良心を苛ませていると思うとね
    「君」が自分さえいなくなれば、、と考えた矢先のあの出来事は、何かの因果なのかね…。

    ☆☆花影
    自分の家庭が上手くいかなくなったのは、父が養子にした子どものせいだと思っていた主人公。
    大人になってから、その養子から聞く真相…
    好きな相手が、何を見ているのか。
    いつも目で追っているからこそ、わかるのだろうね。
    なんだかやるせなかった。

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著者プロフィール

加門七海
<プロフィール>
東京都生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』でデビュー。伝奇小説・ホラー小説を執筆するかたわら、オカルト・風水・民俗学などへの造詣を生かしたノンフィクションも発表。自身の心霊体験をもとにした怪談実話でも人気を博す。小説に『203号室』『祝山』など、ノンフィクション・エッセイに『大江戸魔方陣』『お咒い日和』『墨東地霊散歩』『加門七海の鬼神伝説』など、怪談実話に『怪談徒然草』『怪のはなし』など多数。

「2023年 『神を創った男 大江匡房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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