続巷説百物語 (文芸シリーズ)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (761ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733007

感想・レビュー・書評

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  • なんでしょう…読後はいいようのない不思議な感覚に包まれました。前作の又市一味の大仕掛けは健在です。ですが、その仕掛ける理由や目的というのでしょうか、そういったものが前作とは変わってきていて物語が進むにつれて切なく、寂しい気持ちが増していきました。何気なく読んでいる側の自分にも、百介のような覚悟を突き付けられている気がしました。

  • 目次
    ・野鉄砲(のでっぽう)
    ・狐者異(こわい)
    ・飛縁魔(ひのえんま)
    ・船幽霊
    ・死神 或は七人みさき
    ・老人火(ろうじんのひ)

    「巷説百物語」の続編ではあるが、前作が一つ一つの作品が独立していたのに対して、今作は前作の隙間を埋める様な時系列となっていたり、治平やおぎんの壮絶な過去も語られる。
    また各作品が微妙にリンクしていて、あの時の人がここに、この時のものがあそこで再び三度顔を出す。
    そして最後、彼らと百介の決定的な差である、覚悟の有無で彼らは永遠に袂を分かつ。

    一番長い「死神」は、事件そのものの凄惨さもさりながら、おぞましいほどの業の深さが無残。
    人生を変えてしまうほどの衝撃を受けることは、ままある。
    しかし、その後の人生をどう生きるかを決めるのは、やはりその人自身なのだ。

    そして、自分はどこに立っていたいのか。
    それを決めるのもまた、自分自身。
    どっちつかずを続けていた百介はついに覚悟を決めた。
    ということは、この先の物語は百介抜きなのか。

    曲がりなりにも作家として身を立てようというのに、百介の鈍さったらどうだろう。
    君は関口なのか!?と問い詰めたいくらい。
    けれど関口…じゃなかった百介に先んじて読める物語の先なんて所詮序の口で、又市の繰り出す仕掛けは遥かその先を見据えている。
    武士の面子も、世の理も関係ない。
    民の安寧。
    希望がないと人は生きていけない。
    今はつらくても、いつかきっと…夢物語ではない、地に足の着いた幸せを、希望を持たせてくれる。
    そのために妖が必要なのだ。

  • 借りて読了。最後の「老人火」で涙。ハッとさせられる言葉もたくさんでステキな読書時間だった。又市さんとおぎんちゃんにはもう逢えないのかな。寂しい。

  • 十数年ぶりの再読。
    オムニバス?ながら各話の人物が少しずつ絡み合いながらメインの『死神』に集約する。
    ラストの『老人火』は切ない。

  • 前作「巷説百物語」から、複雑に絡み合った縁が、近作「続巷説百物語」の死神で終結します。
    時代を経ることに数多の人々の念に、読んでいて心を押しつぶされそうになりながら読み進めました。
    もうどうしようもなくなり「誰か助けて」と願っていたところに、又市さんが登場して救われた気持ちになります。
    小悪党で、強請りたかり・詐欺はするけれども、人の道は外さない。そんな又市や仲間は、善人ではないけれどもヒーローと言っていいのではないでしょうか。
    自分は、表の世界しかみたことのない人生ですが、だからこそ又市たち裏の世界への尊敬とあこがれが理解でき、最終話の「老人の火」でのせつなさに、じわじわ涙しました。

  • シリーズ第2作…かな?

    ナンバリングされてないから、順序がいまいち分からない(笑)?

    連作中編的な物語は、かなり好きな部類。
    最後の別れの切なさがなんとも言えないところ。

    人気シリーズだったと記憶してるが、“二度と会うことは無かった”という別れを描かれた山岡百介は、シリーズ通してのレギュラーキャラなわけではなかったということか。

    ★4つ、8ポイント。
    2014.11.14.了。

  • とてもおもしろかった。悪党を懲らしめながら表にでず、それらを妖怪のせいにしうまくまとめるやり方がとてもよかった。

  • 【状態】
    展示中



    1

  • これは、この巻はショックを受けた。

    巷説の続きだ~!とウキウキとして読んだけど。

    前半まではウキウキだったけど、後半がね…。

    又さんらの仕掛けは、胸のすく・溜飲下がるってのんももちろんあるけど、
    やはり、哀しい、もの悲しい、やりきれないものの方が多いかなぁ。

    哀しいもんだね。

  • 又市たちと山岡百介の別れまで。又市が山岡を知り合い以上に引き上げた話の『鮒幽霊』が載っているのはこの本。
    最後はちょっとせつない話だった。
    アニメとは全然違った。アニメは右近の妻は死んでないし(実際は死んでたけど右近はそれに気づかないふりをして〜って考えたらちょっと怖くなった)、黒幕は又市たちのバックにいた奴だしと、細かいところが結構違う。
    原作はアニメと違い、全く山岡とおぎんをプッシュしていなくて(むしろ又市とおぎん寄り)、期待していた身としては残念だった。アニメの山岡を心配するおぎんを、治平と又市が顔を合わせてニヤニヤするところが好きだったのに。
    原作は、本当に山岡を巻き込まないように細心の注意を払っているのが見受けられて、こいつら優しいなーという思いになる。
    治平が死亡ラストは、その過程が分からないだけにちょいとショック。アニメの治平は『刀語』の真庭蝙蝠の骨肉細工並みに身体を変化させていてビビったけど、声も姿もしっくりきてた。惜しい人を無くした……。
    山岡はもう江戸を出なかったというのが、とても寂しい。

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著者プロフィール

’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞、’19年埼玉文化賞受賞。

「2020年 『文庫版 今昔百鬼拾遺 月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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