続 巷説百物語 (怪BOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (761ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733007

作品紹介・あらすじ

公に解決できない事件を金で請け負い恨みを晴らす小悪党一味たち。暗闇に潜むあやかしたちを描きながら、人の心の奥底をあぶり出す、傑作妖怪時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 京極夏彦作品はいつ読んでも、何から読んでも裏切られたことがない。
    文章量と本の厚みがハードなので、連続して何冊も読むには体力がいるけれど…。
    今回も久々に読んだけれどやっぱり面白い。そして1冊読むとすぐに次が読みたくなる。

  • 凄い!
    ほかになんといえばいい。
    「後巷説百物語」ではなく、こっちで直木賞を獲って欲しかったな~。
    それだけの価値がある。有り余る。
    ☆5じゃ足りないくらい。
    いや~、この本を読めて良かったな。

  • 最後が切ないです。<br>
    又市さんは格好いいと思いますよ。(そこか)<br>

  • やっぱり、面白い!今までの伏線というか、キャラクターが最後つながるのが、めちゃめちゃに面白い!
    後半で、物語が変動する。また、続きが読みたくなる。

  • 今回は6本の中篇から成ります。
    ストーリーテラー役に山岡百介を抜擢。
    「巷説百物語」よりも、より山岡百介、小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らの人となりがクローズアップされています。
    彼らの過去の因縁も絡み合っているのです。
    これら6本は、実はそれぞれのお話の間に「巷説百物語」の七本が挟まるという時系列になっております。
    凝ったつくりです。
    前作でチラリと話題にのぼった村が舞台になったりして、なんだかうれしい。
    そうして、物語にダイブしてしまう。
    作者の巧妙なトリックかと思います。
    怪談に彩られてはいますが、わりときちんとした理性的な解釈がなされていて
    そこに人間の性とか、因縁とかがちりばめられていて、読み応えがあります。
    オススメ!!

  • なんでしょう…読後はいいようのない不思議な感覚に包まれました。前作の又市一味の大仕掛けは健在です。ですが、その仕掛ける理由や目的というのでしょうか、そういったものが前作とは変わってきていて物語が進むにつれて切なく、寂しい気持ちが増していきました。何気なく読んでいる側の自分にも、百介のような覚悟を突き付けられている気がしました。

  • 2001(平成13)年発行、角川書店の単行本。6編。この話は前の「巷説百物語」と並行した時間の話であることがわかる作品群。この後の作品群では話の時間軸が(はっきりわかるほどには)明言されていないと思う。それはとにかく、この作品群は北林藩をめぐる説話である。藩、領民ともに生活が苦しいという設定をしたが故の厳しさ、恐ろしさがあり、正視に耐えない面があります。他のこのシリーズの舞台は江戸に大坂、「遠」も舞台はそこまで厳しい生活をしている設定ではなかったと思う。妖怪出すならある程度の余裕が必要ではと思わせる作品。

    収録作:『野鉄砲』、『狐者異』、『飛縁魔』、『船幽霊』、『死神』、『老人火』、備考:『死神』は目次では『死神-或は七人みさき』、初出:『野鉄砲』季刊「怪」第六号、『狐者異』季刊「怪」第七号、『飛縁魔』季刊「怪」第八号、『船幽霊』季刊「怪」第九号、『死神』季刊「怪」第拾号、『老人火』書き下ろし、

  • 目次
    ・野鉄砲(のでっぽう)
    ・狐者異(こわい)
    ・飛縁魔(ひのえんま)
    ・船幽霊
    ・死神 或は七人みさき
    ・老人火(ろうじんのひ)

    「巷説百物語」の続編ではあるが、前作が一つ一つの作品が独立していたのに対して、今作は前作の隙間を埋める様な時系列となっていたり、治平やおぎんの壮絶な過去も語られる。
    また各作品が微妙にリンクしていて、あの時の人がここに、この時のものがあそこで再び三度顔を出す。
    そして最後、彼らと百介の決定的な差である、覚悟の有無で彼らは永遠に袂を分かつ。

    一番長い「死神」は、事件そのものの凄惨さもさりながら、おぞましいほどの業の深さが無残。
    人生を変えてしまうほどの衝撃を受けることは、ままある。
    しかし、その後の人生をどう生きるかを決めるのは、やはりその人自身なのだ。

    そして、自分はどこに立っていたいのか。
    それを決めるのもまた、自分自身。
    どっちつかずを続けていた百介はついに覚悟を決めた。
    ということは、この先の物語は百介抜きなのか。

    曲がりなりにも作家として身を立てようというのに、百介の鈍さったらどうだろう。
    君は関口なのか!?と問い詰めたいくらい。
    けれど関口…じゃなかった百介に先んじて読める物語の先なんて所詮序の口で、又市の繰り出す仕掛けは遥かその先を見据えている。
    武士の面子も、世の理も関係ない。
    民の安寧。
    希望がないと人は生きていけない。
    今はつらくても、いつかきっと…夢物語ではない、地に足の着いた幸せを、希望を持たせてくれる。
    そのために妖が必要なのだ。

  • 借りて読了。最後の「老人火」で涙。ハッとさせられる言葉もたくさんでステキな読書時間だった。又市さんとおぎんちゃんにはもう逢えないのかな。寂しい。

  • 十数年ぶりの再読。
    オムニバス?ながら各話の人物が少しずつ絡み合いながらメインの『死神』に集約する。
    ラストの『老人火』は切ない。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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