ドミノ

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1428
感想 : 262
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733021

作品紹介・あらすじ

迫りくるタイムリミットもつれあう28のマトリクス。必死の思いでかけまわる人々が入り乱れてぶつかりあって倒れ始めたドミノはもう、誰にも止められない。

感想・レビュー・書評

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  • 27人と1匹!!(プラス数名)という登場人物に!
    これはもしや「消滅」を読んだときの展開になるのではないかと、少し引き気味の導入になった。

    が、しかしなんの、なんの。これだけドタバタして、同情人物が多いにもかかわらず、ストーリーを見失うことなく、笑えた。しかも声が自然に出て笑ってしまった。想像してみる…漫画のようにそれこそ猪突猛進で走っていく同情人物の姿。それが頭の中でフィルムのように映像となり、彼かの必死の形相までもが映像化され、音まで伴い、パラパラと展開がしていく。こんなにドタバタしてるのに、ストーリーが手にとるようにわかり、ちゃんとついていけるようになっていた!『お見事でございます』と、つぶやいた。

    物語は、関東生命八重洲支店の保険契約の話しから始まる。次に、ミュージカル「エミー」のオーディションであったり、バイク仲間のオフ会であったりと、接点のない一つ一つが点として存在している物語が、東京駅という場所で「ドラヤ(おそらくトラヤを想像)」の黒の紙袋によって、繋がりそれは線になる。

    とにかくドダバタで登場人物各人が主役であるコメディだった。
    漫画のような小説。映画のような小説であった。

    余談ではあるが、見開きに当時の東京駅の地図があり、東京駅の進化を感じた。
    また、表紙が白黒で、「ウォーリーを探せ」のような感じで、登場人物たちがいないかなぁーと、探してしまった。

  • 文句なしに面白かった!
    登場人物が多すぎて頭がこんがらがりそうだなぁと思っていたけど、イラスト付きの人物紹介、さらにそれぞれの人物にキャッチコピー的な一言まで付いていて、それだけで人となりや雰囲気が掴めるのですんなりと物語の世界に入っていけました。
    登場人物それぞれのドラマ、事情があって、それが交差していくうちにどんどんドタバタしてきます。
    でも本人たちはどこまでも大真面目に任務を遂行(大げさ?)しているだけなので、そこがまたウケました。
    これぞエンタメ!スカッとする一冊です。
    『ドミノin上海』も絶対読みます!

  • 私が読む恩田陸氏作品の4冊目にして、本書が1番面白かった。
    ドタバタエンタメ。

    本書発行時より、東京駅構内も周辺も様変わりが激しいが、結構よく行く場所なので情景が目に浮かび面白かった。

    本書が書かれた頃は、携帯電話の普及率が微妙なところ。
    北条和美は持っているが、俳句仲間のオフ会メンバーが落ち合えなかったのは携帯電話を所持していなかったからかな?
    私は、元刑事達と北条和美が好き。


    誤字脱字あり(初版)
    ★登場人物吾妻俊策の年齢が冒頭紹介では71歳なのに70ページでは73歳。(なんで身長・体重・人相まで知っているの?という不思議な点もあるが、まあ、ご愛嬌といったところ)
    ★「共通点が(あ)るような気がした」(154ページ)

  • 色々な人のちょっとした行動が重なりに重なって、カオスなドタバタ劇が起きるコメディです。
    時々爆笑しながら楽しく読みました。
    「そんなこと偶然起きたりしないだろう」と思うような展開も、小説だからこそ楽しめるし、現実でもちょっとしたドミノ倒しみたいなことが起こってるんじゃないかなとワクワクさせてくれます。
    それにしても、今作の東京駅近辺の治安の悪さはなかなかのものでした笑
    読者としては遠巻きに見ている感覚で、実際に騒ぎに巻き込まれるのはめちゃめちゃ疲れそうです。
    登場人物が多く、人物紹介の段階で身構えましたが、展開が早く場面転換も頻繁だったので、しっかりついていけました。
    今作でも恩田陸さんの新たな作風に触れて、本当に多彩な方なんだと改めて驚かされました。
    続編も楽しみです。

  • 久しぶりに愉快なスラップステイックを読んだけど、しかも恩田陸さん作! ワサワサと大勢の出演者が居るけど冒頭にイラスト付き紹介があるので さして混乱せずに読み進むことが出来ますね。折しも巨額の不正入手事件が続いたばかりの生保業界だけど、こんな愉快な生保会社ならば加入しても良いかも(笑)
    新作のドミノも読んでみようかな。

  • ひゃー、面白かったあ!!
    タイトル通りドミノ倒し的に、27人と1匹の登場人物たちの「必然」が、「偶然」に錯綜していく。
    しかも舞台は、ほぼ東京駅構内。
    こんがらがる諸事情。濃いキャラたち。飛び交う紙袋(笑)。なんてハイテンション!全くもって見事です、恩田さん!

    ちなみに私の一押しキャラは、
    笠智衆似の吾妻俊策(71)。

    続いて『ドミノin上海』を読みます!



    《恩田陸を読むぞ2021⑨》 
    ルール:図書館にある恩田陸の棚の、左側にある本から先入観無しで読んでいく。シリーズ物に当たったら、1から順に読む。

    • かまぼこさん
      タイトル見て読んだことある気がしてたんだけど、違った。読んでみようっと。
      タイトル見て読んだことある気がしてたんだけど、違った。読んでみようっと。
      2021/07/07
    • いちまろさん
      前に聞かれたオススメ、これにします!(笑)
      前に聞かれたオススメ、これにします!(笑)
      2021/07/07
  • 28もの登場人物が東京駅で事件に巻き込まれるドタバタコメディー。
    こんなに接点がない登場人物たちが後半になってどんな形で関わってくるのか気になり、読み進めました。最後は並べたドミノがダーっと倒れていくのをみているかのような、爽快な気持ちになりました。
    最初はこんなにも登場人物がいたら話についていけないかも、と不安になりましたが、イラストつきの登場人物表があったので助かりました。

    えり子のキャラクターにはツボりました(笑)
    自分の上司について表現の仕方がおもしろすぎ(笑)
    「すげえ汗っかきだから遠目でも分かるよ、スプリンクラーが歩いてくるみたいだから」(P.78)
    「たぶん、浜に打ち上げられたトドみたいになってると思うんで」(P.193)

  • 映画を見ているように画が浮かびます。
    面白くて一気に読みましたが、少しドタバタしすぎな感じはあります。

    でも世の中って自分でも気づかないうちに、他の何かと繋がってたりするのかもしれないね。

  • 多くの登場人物がそれぞれの場面、物語で展開していき、最後に一箇所に集まっていく。
    キャラクターは特徴的。
    登場人物が多くて、ごちゃごちゃした感じ。

  • 様々な用事や事情を持った人達が、東京駅に大集合!色々とやらかす。

    という話でした。

    まず、あれだけの登場人物がいて、登場人物と同じ数だけ事件あり。

    それなのに、ぐちゃぐちゃにならず、登場人物が訳分からないことになることも無く一気に読めたというのは、もう作者さん、すごいです。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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