ハルビン・カフェ

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 84
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733489

作品紹介・あらすじ

福井県の西端にある、海市(=蜃気楼の意味)という、いささかロマンチックな名前を与えられた新興の港湾都市。凶悪犯罪の多発により、警官の殉職率が東京をはるかに凌駕するレベルに達したとき、それが熱病を呼んだ。市警察の下級警官の一部が地下組織をつくり、マフィアに報復テロルを宣言して、法の番人自らが法秩序を脅威にさらしたのである。-彼らは、『P』と呼ばれた。打海文三が真価を発揮した最高傑作渾身の書き下ろし1000枚。

感想・レビュー・書評

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  • 2014.1

  • つらぬくのは、愛か、復讐か。そして動乱の7日間が始まった!

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    物語の舞台は福井県の西端にある、新興の港湾都市。
    ある程度、現代との地続きを思わせる未来の、ロシアと中国と朝鮮人によるそれぞれのマフィアを持つ、生き残ることの厳しい都市・海市(かいし)。
    かつて、マフィアによる警官の殉職率が高く、愛しい人を失った遺族たちが報復としてテロを行い、警官はマフィアと内部に潜むテロの支援者を炙り出そうとしていた。これらのルーチンワークにより、さらに復讐心を胸に潜む者が増え、海市の法秩序は悪化の一途を辿っていた。

    とある都内での事件をきっかけに、かつてテロの支援者を炙り出そうとした刑事たちが再びこの港湾都市へ赴く。
    そして、再び海市で多くの人々が血を流すことになった。


    400頁にも満たない単行本、手にしてもそれほど分厚くないのだが、癖のある文体のせいか読み終えるのにかなり時間が掛かった。
    途中で疲れて何度も表紙を閉じたし、読み始めて30頁もしない間に読み続けるのが辛いとも感じた。

    それでも、最後に何が待ち受けているのか、その答えが知りたくて読み進めた。
    読み進めるほど、謎は明かされて、更に深い謎が提示される。
    物語の区切りを迎える度に、語り手が変わりそれぞれの人物が胸に秘めている事実を知る。もしくは、彼らの目線から新しい事実が差し出される。
    そして、次は誰が殺されるのだろうと想像する。

    7日間の物語の間に、かつての騒乱の物語が挟まれるせいか、あまりにも簡単にパンパンと人が死ぬ。あの人も殺人を犯す、この人も銃口を人に向ける、この少年もあの少女も銃を手にする。
    かなり陰鬱な作品。

    物語を読み終えても、どことなく腑に落ちない印象が拭えない。全ての事実を読み終えて再び頭から読み直したい衝動に駆られるが、たぶん、冒頭で力尽きてしまいそう。

  • ざらついた空気。退廃的な灯。人間の乾いた闇と粘つく欲望。狂気とか愛とか切望とか熱狂とかの線引きはどこでするのかはたまた必要か不必要か。自分の中の熱情に皆実直で、その昏さに激しく惹かれる作品。

  • 日本推理作家協会賞候補(2003/56回)

  • 人間関係や組織が複雑に絡み合いすぎて、関係図描きながらいかないと
    頭に入るまで、ちょっとややこしい。

    警察の内部派閥とそれに複雑に関係していく組織Pの存在。
    福井県が舞台なのも、ちょっと閉鎖的な雰囲気にちょうどいいのかも。

    面白いよ。
    映画化できそう。

  • 読み進めるのに苦労しました。他に何を書いているのか調べたら、作者は昨年、亡くなっておりました。

  • ●名作傑作だと言う評判を聞いていたので、手に取ってみる。
    『裸者と裸者』は超名作傑作でしたしね。

    ●・・・んー、面白いっすよ。
    しかし私の記憶力思考力読解力がとみに低下しているせいか、人物関係および思惑が、いまいち掴みきれませんでした。
    さすがに最終的にどうなったかぐらいはわかるんですけどね・・・。一瞬『モンテ・クリスト伯』を連想しましたですよ。(←や、そう行くのかと思ったら、続きがあったと言う。)
    キャラは立ってます。でも洪孝賢の動機は、理屈としてはわかるけど、やっぱり無理があるんじゃ? あまり説得されませんでした。
    ごひいきは水門監察官と小久保管理官のペアかな。
    水門女史の執念とド根性には頭が下がります。ははー。●まあ、ただの犯罪小説ではないことは確かです。それは誤読。

  • ハードボイルド、クライムノベル。淡々とした文体に情報過多ゆえに物語よりも記述を読んでいるような感覚になる。
    舞台は無国籍の架空都市。猥雑な空気と匂いに、絡まる人物の豊富さとそれに連なる謎と真相と事実は、単に読み進めていけば読者に与えられるほど安易ではないけれど、じっくり読みイメージして、自身の頭の中で物語を再構築したい方にはオススメ。
    漂う空気感は独特かつ心地いい。

  • 第5回大藪春彦賞受賞作

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