水の時計

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733823

作品紹介・あらすじ

医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった-。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 与える自由と、与えない自由。
    もらう自由と、もらわない自由。

    幼いころ、読み終えた後に、王子様とつばめがあまりにかわいそうで
    ただただ泣きじゃくった『幸福の王子』が、
    舞台を現代に移すと、与えたい側の善意は容易には届かず
    受け取りたい側にも葛藤や受け取れない事情があったりして
    こんなにも複雑になるんですね。。。

    初野晴さんのデビュー作とのことで、私の理解力不足のせいか
    ちょっとよく伝わってこない表現もあったけれど、
    各章の冒頭にはさまれる昴と葉月の会話などはとても詩的で美しくて
    生きること、死ぬことの意味を考えさせられる作品でした。

    カバーのイラストやタイトルデザインの美しさに感激していたら、
    カバーをめくった内側の表紙もまた素敵で
    角川書店装丁室の、作品への愛情をひしひしと感じました!

    • 円軌道の外さん

      難しいテーマですね(≧∇≦)

      だけど自分も
      使える部分はすべて
      臓器提供したいと
      昔から考えているし、
      まろんさんのレヴュー読ませてもらって
      この本すごく
      読んでみたくなりました(^O^)


      文庫化まだかな?


      2012/05/25
    • まろんさん
      私も、『Summer Snow』の最終回を観て泣いたあとすぐ、
      コンビニのレジ前にあった黄色いドナーカードをもらってきて、書きました。

      『水の時計』で受け取る側の葛藤を読んでみると
      あんなミーハーな動機で、臓器提供を決意してよかったのかしらと思うけど、
      やっぱり、薬や手術では回復の見込みがなくて
      移植にしか希望を見いだせない患者さんがいる以上は
      もらっていただけるものなら、全部使っていただきたいと思っています。

      文庫化はされてたような気がするので、機会があったら探してみてくださいね(*^_^*)
      2012/05/25
  • なかなか良かった。
    引きずり込まれる文章だと思う。特に目の話は際立ってよかった。
    もう一遍くらい話をはさんでって徐々に深刻にしていってほしかったかも。
    にしてもなかなかおもしろかった。

    ってか、横溝ミステリ大賞の審査員が酷評しすぎだよ。
    特に坂東さん。「同世代の女の子をみてセックスを考えないティーンにリアルがない。」って頭湧いてるてんのかな。
    チューブにつながれた死にかけの女の子をみてセックス考えるようなティーンがいたらやばいだろうよ。

    初野晴もだいぶ読んだ。空想オルガン楽しみだ!!

  • 確かに現実問題考えると不自然なところは目立つけれど、そんなことは言っちゃだめ。雰囲気に浸って読む作品。独特の雰囲気があって、好きな人はすごく好きだと思う。ちなみに私は「幸福な王子」を知らなかったので(タイトルだけ聞いたことがあるけれど)、「どこが幸福なの?」と意味もなく突っ込んでたけど(笑)。
    しかしこれより、前回選考に落ちた「しびとのうた」読みたいなあ。着地失敗でもいいから、K点越えの大ジャンプをぜひ見たい!

  • 時間軸をクルクル変える展開で伏線はそこまででは無いものの、結論の見えない話だった。
    臓器移植の残酷さは医療関係者なら誰もが悩むことで、移植医以外ならば想像することができるだろう。
    多少無理のある設定だが、非常に面白かった。

  • 請求記号:913.6/Ha 図書ID:00131541

  • こういう形で人間が「存在」するってのは、医学的にアリなのかはわかんないけど、その設定の是非さえ置いとけるヒトにはちゃんと楽しめる作りになってると思う。
    変に今時っぽい無駄なチャラさやディテールで多少不自然なトコがチョイチョイ気にならんでもないけど、不思議な雰囲気のある作品、というよりはむしろ、この作家の持ち味なのかな。
    珍しい作風なので、何作か読んでみよう。

  • 違法臓器移植を主題にした連作短編集。横溝正史賞だが、あまりミステリミステリしていなくて、むしろ現代ファンタジーといった方が近いだろうか。シビアリティ・レベルとリアリティ・レベルとが釣り合っていないのは意図したものなのだろうか。意図したものなのだろうなあ。

  • 残酷なこと凄惨なこと、救いようのないことだけど、感じるのは悲しみばかりじゃなく、静謐な優しさのようなもの。
    一つの結末へ向かって走る昴。
    もう少しそこを丁寧に描いていても良かったのにと思う。
    葉月と昴が主のはずなのに、完全に裏方に回っているのが残念だった。
    登場しないならしないで、なんか欠片のようなものでもいいから散りばめられていたら、もう少しわくわく感もあったかもしれない。

  • 葉月と昴。二人にもうやめなよと言っていいものか、それとも、よくやったねと言ってあげるべきなのか。
    どちらにしろ、再び動き出した時間のなかで、希望が残っているようにと祈るばかりだ。

  • 童話 『幸福の王子』 と臓器移植を結び付けた発想も、独特の雰囲気もある文章もイイ。
    だがデビュー作だからだろう、描写不足などまだまだ未熟。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/11787113.html

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