GOTH―リストカット事件

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733908

感想・レビュー・書評

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  • 人間の持つ『暗黒面』といわれる内容
    人を殺したいと言う願望と
    自分を殺したいと言う願望。
    殺人者に対して、共感を示し、なぜと心理分析する。
    殺人者のパートナー(シンパシー)的存在。
    高校生の僕は、人を殺したいと言う願望があり、
    猟奇殺人に、興味を持っている。
    しかし、普通は 目立たない高校生を演じている。
    僕のまわりで、おこる殺人に 駆けつける。
    僕の同級生、森野夜は、長い黒髪と白い肌をもつ美少女。
    表情を表に出すことなく、話しかけ憎い性格をもっているが、
    僕とは、打ち解けて話すことができ、森野夜は過去の事件を
    背負っていて、それを打ち明けることができる友達を
    求めていた。手首にはリストカットの傷があり、
    不眠症で、首を絞めるひもがあると、眠れると言う。
    しかし、なかなかぴったりした ひもがなかった。
    高校生の僕が、それを探し当てることに。

    身体を細かく裁断して殺す。
    手だけを切り落とす。手フェチ。
    犬の誘拐事件から発生した殺人事件。
    生きたまま棺桶に入れて、溺死させる。
    お姉さんが、殺される時のメッセージを受けとる妹。
    そこに、生まれている殺人の心の深層をあばこうとする。

    なぜか、『ゾクリ』とする表現が、ある。

  • ようやく読み終わった…!
    年末から読み始め、グロイ!エグイ!この感性わかんない!
    となかなか読み進められず、ずっと読んでいたくないからと奮起して読み終えた。
    個人的に、今まで読んだ乙一さんの本の中では一番合わなかった。
    でも、面白いかどうかと聞かれればと面白いと答えるし、乙一さんだから書ける一冊でもあり。乙一さん得意の叙述トリックには全部あっさり騙され続けましたからね。合う人は合うだろうな。

    高校のクラスの同級生である「僕」と黒髪の美しい「森野夜」は、猟奇的な殺人事件や殺人者、死体に対して異常なまでの興味を持ち、互いに共通の嗜好を持つ者として接近する。
    「僕」は、ミステリーにおける探偵の役割でありながら、正義のために動くのではなく、自分の興味や欲望を満たすためだけに動く。ミステリーとしては異色すぎる。

    一番無理があるということで印象に残ったのは『犬』。
    叙述トリックとしては見事だと思うけれど(映像化とか難しいけど漫画ではどうしてるんだろう)、びっくりもしたけれど、ちょっと想像してみると、いやいやそれ変やろと(笑)。

    全部怖かったけど、犯人の異常性では『土』かなぁ。
    普段は責任ある社会人として、周囲からの信頼を得ている男だが、人を土に生き埋めにしたいという抗いがたい欲求を抱えていた。
    男は、自分に懐いていた男の子を生き埋めにし、さらに数年後、女子高生を拉致し手製の棺桶に入れて自宅の庭に埋める。
    ふつうの良識を備えている男の、自分ではどうしようもない強い「埋めたい」という欲求が生々しくて不気味すぎた。

    最初は森野さんのわかりやすい異様さにぞくっとしたけれど、読み進めるごとに、常に猟奇的な殺人を冷静に観察し、ときに奨励さえする「僕」の、空っぽな笑顔が怖いと思った。

  • 自己満足的な内容。混乱させる意図しか読み取れない。
    幾重にも真相を覆っても、そのカサの重圧に耐え切れているようには思えない。
    どこまでも現実離れしている世界は、魅了する範囲を超えて、逆に魅力を失わせている。
    登場人物は趣味ばかりが窺え、似た価値観の人間ばかりで構築された此の本の世界は如何も受け付けない。

    読みやす過ぎる程の内容で、短時間で読み終えた。文章も短絡的。
    すっきりしたか否かを問う以前に、内側を中で語り過ぎている部分があるようにも思う。

    具現化してみると面白いトーンではあると思う。

  • すごくおもしろかった。
    残酷な描写が多いけれど主人公と森野さんの人の良さ?がすべてをカバーしてくれてる気がする。ふたりともとっても好きになりました。

    10代の高校生の多感な時期に読んでいたらもっと陶酔していたかも…と思うともっと早く読んでいたかった。大人になってしまったけど今この本を読むことができてよかった。

  • 独特な雰囲気いいですね〜

    中二病みたいなところすきです

  • トリックにひたすら酔う。

    乙一さんはこういう小説も書くのかと驚いたことを覚えてる。
    「切なさの達人」と呼ばれているのを知っていたので、何となくライトノベル系というか、泣かせることを狙った話を書いている人なのかと…誤解でした。すみません。
    第三者の目で、どこまでも淡々と冷静に物語は進んでいく。
    器用で筆力のある人だ。まぐれでこんな本を書くことはできない。
    小説家としては、ぜひこちらの路線で行ってほしいと思う。
    ラストの「声」が一番好きです。

  • 乙一『GOTH』読了。GOTHはGOTHIC。人を殺してみたい主人公と、殺されたい同級生。この2人が遭遇する猟奇的な事件の数々。グロテスクな描写はあるものの割とさらりと読めてしまうのは、作者の筆力とよく練られた筋のせいか。読後感もそれ程悪くない。てかこれ前にもここに書いた気がw

  • 2011/09/06読了

    GOTHの前書き(?)から、てっきりゴシックロリータか何かの話かと思っていたら、とんでもない物語でした。分類としてはミステリーか、それにしても黒い。
    恐怖をも感じる。これは、先日あった一斗缶事件を彷彿とさせるような、猟奇的殺人。まさにあんな感じ。
    狂っていく人の狂っていく様とは、まさにこういうものなのかと。
    乙一さんはこれを一体どういう気持ちで書いたのだろうか。予想できない。ミステリーとしてみると面白いし、なにより主人公の正体が面白い。伏線を張りつつ、ミスリードに促され、彼が何者かを知ったときの驚きは素直にすごいと思った。
    しかし、人の死に対するドライな感覚と視線。
    そして被害者となった「人」であった存在を、こういう風に書くのはいかがなものかと…。
    いやまあ、私が単にホラーとか、人の「死」を扱ったものが苦手なだけですが、まぁリアルも含めて、そういう暗黒面を好きだという人も少ないとは思うし、それが正常だろうけれども。だがそういう傾向を好む、安堵する、癒しを受ける、という人も、少なからず存在するわけで…。それがこのGOTHに登場する人々―もとい、主人公―なのだろうから。

    人はシンプルであり、かつ、ごちゃごちゃしている生き物だから、「理性」があるから、人でいられる。
    人が鬼、人の形をした人ではない残虐なものになるときも、だからこそあり得るのだろう。
    「声」での犯人の言うことが鬼であり人である存在の心理であるともとれる。

    これまでの「殺人」をした人間の心理―考えたくは無いが、考えるべきものなのかもしれない。「憎い」だとか「邪魔」だとかですむドラマティカルな動機の持ち主が多いだろうが、それだけで人を殺すというのはさも稚拙ではないか。ならあなたが命を絶てば、他者を排除したところでどうこうというものではなかろうに。
    (殺人を肯定しているわけではない。動機とか、加害者の環境がどうこうということもない。ただ、殺人の価値を問う場合、どう狂い、どういう心理で行為に及んだかが気になるだけである。
    殺人はあってはならないことだ。その概念こそ醜いものだ。あくまで、物語の一環として、殺人を見ているということを了承願いたい。)

    狂人にしか分からないことを、他者が分かるはずもないんだよ。

    さてまぁ、森野さんが可愛かったり(意外と気が利くとか、ツンデレさんだったとか)わんこもなついてきたりと、恐怖ばかりかと思う本作でも可愛いところがあってよかったな
    あと、「僕」が、所々格好いいのである。
    しかし私はこれを単行本で読んだのだが、カバーを外すべきではなかったと酷く後悔してしまった。

    外すなよ!絶対に外すんじゃないぞ!

  • あまり好きになれない作品。病んでいるというか自分に酔っている主人公とヒロイン、どちらにもまったく感情移入できない。主人公たちのやりとりよりも事件の背景をもう少し詳しく描いて欲しいと思った。

  • まわりには猫かぶってふつうの高校生に見せているけど実はいつも死のことばかり考えてる高校生の「僕」
    まわりに殺人事件がおこり犯人をつきとめるが自首をすすめるでもなく警察に通報するでもなくまわりから見てるだけで悦に入る

    ラストがあーそういうことだったのかーっていうよりふーんあっそって感じであんまり驚かなかった

    一応話のヒロインだと思われる森野を全編通して痛めたりおとしいれたり下に見たりしてる感じがなんか気に入らない

    乙一の本読んだの初めて
    話題になってるから読んでみただいぶ遅いけど
    自分の中で乙一は池袋のジュンク堂の「外反母趾は痛い」というなんか狙いすぎて軽くすべってる色紙のサイン

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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