GOTH: リストカット事件

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733908

感想・レビュー・書評

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  • 僕と森野はゴス(GOTH)仲間だ。異常な殺人事件やそれを実行した犯人に対して暗い魅力を感じている。一般の人に比べると感覚がずれている。悪趣味だ。だが、悲惨で聞いた瞬間に首が吊りたくなるエピソードを僕らはいつも求めていた・・・。

    主人公二人の思想や行動基準が理解しがたく、彼らに対して何一つ共感することができなかった。作者自身はこの作品をライトノベルのつもりで書いたそうだが、「犬」「記憶」は本格ミステリとして一級品で読者の想像を覆す破壊力有り。他に類を見ない新感覚な短編集だが、万人にはオススメできないかな。

    週刊文春ミステリーベスト10 7位
    このミステリーがすごい! 2位
    本格ミステリ・ベスト10 5位
    本格ミステリ大賞受賞(2003年)

  • 叙述トリックは騙された後に前に戻って読み返すのがお約束な私。笑
    グロい描写もあったけど面白かったです。
    さすが本格ミステリ大賞受賞作

  • 叙述トリック苦手。作品評価は「すげ〜面白い」と評価するまでの読解力が追い付かなかった。疑問点をネットの考察なんかを読んで「ふぅ〜ん」という感じ。悲しい。

    暗黒系、リストカット事件、犬、記憶、土、声とどれも短編で纏められていて、かつ絶妙に繋がっていると理解。どれもレベルが高いと思った。もう一度読んでも良いかなと思わせる作品。

  • 黒乙一、全開作品。独特の暗い世界観。
    最後のあの会話の場面で誰もが???になるはず。
    ページを読み飛ばしたのかと思い、前のページを読み返した人は自分だけじゃない、きっと、、

  • あとがきに「〈乙一のウリであるせつなさが感じられない〉という(読者からの)感想があって憂鬱になりました」とあり、納得しました。そんなことないです。いろいろ挑戦してください。


  • 人の死んだ場所を見に行くのが趣味の僕と死体を見たがる美少女森野夜。異常者を引き付けてしまう夜と異常者を見たがる主人公はすぐに事件に首を突っ込んでしまう。ミステリやらホラーやらジャンル訳が難しい。あえていえばゴシックミステリか。
    もとはライトノベルだったようで若干中2感がある、独特の距離感。構成は流石だなぁと感じるが、パターンがほぼ同じなので、最後の話のオチが読めてしまうのが残念。星2にしようかと思っていたが、最後の「樹」の動機にきゅんと来たので+1。

  • 面白かった。ミステリ部分もすっかり騙された(笑
    でも、どうも主人公に共感できないのは、私が歳をとってしまったからなんだろうなあ。高校生のときに読んでたら、カッコいい!!となったと思う。

  • 他人を寄せつかない美少女『森野』と彼女が唯一話をするクラスメートの『僕』は他人には言えない趣味を持っている。異常な事件やそれを実行した者に対して、暗い魅力を感じるのだ。
    そんな二人の周りで起きる猟奇的な殺人事件。


    猟奇的な事件に興味を持つのはどんな理由からだろうか。興味本位や犯人の動機が知りたいと言うのが一般的だろうか。中には疑似体験として自身の欲求を満たす者もいるだろうし、高じて犯人を崇拝したりする人までいるだろう。
    この主人公はもっと異質だ。淡々と観察するだけなのだ。傍から見れば自分の世界のみで生きているような『森野』の方が異質に感じられるだろうが、彼女は感情が出しづらいだけで何も感じていないわけではない。しかも子どものころの体験も、人格形成に大きな影響を及ぼしている。それに対し、ごく普通の家庭に育ち、何処にでもいるような少年の方が恐ろしい。友達や家族と会話をしていてながらも、何の感情も抱いていない。猟奇的な現場を見ていても高揚すらせず、まさに観察しているだけなのだから。犯人の方が罪悪感やら喜びやら何かしらの感情を持っているのに比べても、そら恐ろしく感じられる。
    だが、話が進むにつれ、彼が単なる観察者から自らかかわっていく変化は、内面の変化が見えてこなかっただけに、なんとなく違和感を感じた。

  • 顔が歪んでしまうような残酷な描写や、理解できないような犯罪者の心の中が書かれていてすごいな乙一!と思いながら読みました。人って怖い怖い

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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