管仲 上

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734479

作品紹介・あらすじ

時に戦雲が天を覆う春秋時代前期、「管鮑の交わり」として名高い管仲と鮑叔は周の都で出会う。以後、ふたりは異なる性格ながらも互いを認め、ともに中原の沃野を駆け抜けていく。しかし、時代はまだこのふたりの天才を知らなかった-。のちに、思想家、為政者として卓越した能力を発揮し、理想の宰相と称された管仲の生涯と、彼を支えた人物群像を余すところなく描いた、渾身の歴史長編。

感想・レビュー・書評

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  • なぜ師弟関係の管仲と鮑叔が争ったのか、通り一遍の説明では腑に落ちない。 宮城谷昌光先生の解釈や想像が入るにせよ、下巻の最後には納得できる記述がある。 また、争った後の管仲・鮑叔の関係も誤魔化さず、明らかにしてある点も素晴らしい。

  • 『管鮑の交わり』と故事で称される管仲と鮑叔の物語。ちなみに、管鮑の交わりとは、互いに理解し信頼し合った、きわめて親密な関係、とある。


    鮑叔は斉の大夫(小領主)の三男であり遊学し、管仲は裕福な家庭に育ちながらも父を失い困窮する。その二人が苦楽を共にしながら信頼を深め、互いに別の主に仕え敵対することがあっても、最後には斉の君主を覇者へと導いていく。

    特に鮑叔は自らが最大の評価をされている状況でさえ、管仲には及ばないと一歩引き下がり彼を推める徹底ぶり。



    「貧しいのはなんじばかりではない。貧しさと戦っているのか。つらさから脱するために努力しているのか。生きた知恵を産み、成長させよ。貧しさがなければ、そういうことにも気づかぬであろう。」
    父が亡くなり兄が散財し実家が衰困、自身も職を持たないために愛する人を迎えることもできない、そんな状況で管仲が聴いた天の声である。


    「人はもちまえの器量を、越えてもしたまわっても、不幸になる。したがって器量いっぱいに生きることが最善であるが、それがむずかしいのは、いうまでもない」
    鮑叔が妻の弟の檽垣(じゅえん)が少年であったときに最初に言った言葉。この言葉が胸にあったかどうかは分からないが、その後檽垣は管仲に仕えて管家を家宰として盛り立てていくことになる。


    「ほんとうの財とは、物ではなく、人です。まず、たがいが財でありたい」
    管仲が妻となる梁娃(りょうあい)に言った言葉。ずしりとくる。互いに尊重しあい、ただ二人でいるだけでそれがかけがえのない財産と言える、そんな関係は理想といえる。



    2015.6.18

  • 春秋時代の政治家・管仲が、不遇時代を経て斉の桓公に仕え、天下をとるまでの物語。まるで中国の史書を読んでいるかのような(や、本物は読んだことないけど)簡潔な文体で、中盤までは話がこれからどう転ぶのか先が読めず淡々と進む。しかし、淡々としているのに所々妙に哲学的なのはやはり中国である。

  • 歴史よりも人の行動の描写が面白かった。

  • 管鮑或いは水魚の交わりで知られる斉の名宰相の管仲と親友・鮑叔の二人が主人公。二人の生い立ち、出会い、管仲の若い日の恋、20歳前後で当時の覇者・鄭の太子に見出された鮑叔。あくまでも文章は薫り高く、ほのかな香りが漂ってきそうな気品があります。登場する女性も美しいだけでなく、貞淑な魅力があり、古代の人物の素晴らしさを感じます。鮑叔が斉の僖公に公子糾の補佐役として管仲を推挙する場面は前半の感動です。

  • 管鮑の交わりで有名も、古い偉人なため、どのような仲であったのかを知ることが出来た。ただ、いつもの宮城谷作品の胸躍る場面は無かった。

  • 管仲と鮑叔の出会いから斉に入るまでの話。管鮑の交わり。漢字が難しく、辞書がないと読めない^^:。

  • 管仲 (角川書店)上下巻
    紀元前650年位 斉:これまでの時代は王や皇族中心の政治であったなか、管子は国王を暗殺しようとした王の下で国民中心の政治を行っていく。

  • 運命に翻弄されつつも天才的な視野を持つ管仲と、人間的な魅力と才能に溢れるホウ叔。二人のまっすぐな関係と才知を描いた作品。

  • 『管鮑の交わり』で有名な斉の宰相管仲の話。
    鮑叔と出会う不遇時代から鮑叔の力で斉の公子の一人に仕えるようになり陽が当たるようになるまでがこの巻に書かれていた。

    斉に入るまでは結構面白かったけれどそれ以降は話がやや端折られているような速さで進んだので本の後半は面白さがやや落ちた気が。

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著者プロフィール

宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ)
1945年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。1991年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、1994年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年『楽毅』で司馬遼太郎賞、2001年『子産』で吉川英治文学賞、2004年菊池寛賞をそれぞれ受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。
2006年、紫綬褒章受章。2016年、第57回毎日芸術賞受賞、及び旭日小綬章受章。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『呉越春秋 湖底の城』など多数。また『風は山河より』など日本の歴史に題材をとった作品もある。

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