エ・アロール それがどうしたの

  • 角川書店 (2003年6月25日発売)
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本棚登録 : 77
感想 : 10
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734608

作品紹介・あらすじ

堅苦しい考え方を捨てて自分の生きたいように生きていこう!東京・銀座の老人ホームを舞台に、華やかに恋をして生きる高齢者達の姿を描いたこの夏最大の話題作。大ベストセラー作家・渡辺淳一、二年ぶりの長編小説!

感想・レビュー・書評

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  • 渡辺淳一さん(1933~2014年)の作品、ブクログ登録は9冊目になります。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    東京・銀座の瀟洒で明るい高齢者のための施設「ヴィラ・エ・アロール」。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味の言葉である。ここの経営者・来栖貴文は、この施設を「仕事や世間から解放された高齢者たちに、楽しく、気ままに"エ・アロール精神"で暮らしてほしい」という方針から設立した。来栖の理念のもと「ヴィラ・エ・アロール」には自由で闊達な雰囲気があふれ、楽しい語らいや恋愛問題が絶えず生じている-。「老後」に対する日本人の既成概念を打ち破り、これからの新しい生きかたを示唆する、斬新な衝撃作。

    ---引用終了


    長生きするように努力する。
    その意味を、作中人物に、次のように語らせています。
    ちょっと気になったので、書きとめておきます。

    p220~p221

    「年齢をとって元気でいるということは、あなた自身のためであるとともに、家族のため、そして社会のためでもあるのです。こんなことをいっては失礼かもしれませんが、高齢になって元気でいられるということは、それだけみなの負担にならず、医療費もかからない、ということです。さらにはっきりいわせてもらうと、九十、百歳と、高齢になればなるほど、風邪などひかれて、二、三日であっさりと亡くなられることが多いのです。逆に、五十代、六十代などで患われると延々とベッドに横たわったまま、多額の医療費がかかる、ということになるのです。現在、国民総医療費の三分の一に当たる十兆円のお金が、老人医療につかわれていますが、健康な高齢者が増えると、それが大幅に縮小できることは間違いありません」

  •  
    ── 渡辺 淳一《エ・アロール それがどうしたの 20030626 角川書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4048734601
    ── 《エ・アロール 20031009-1218(木)21:00-21:54 TBS》
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%A8%A1%A6%A5%A2%A5%ED%A1%BC%A5%EB
     
    (20160618)
     

  • この老人保健施設の状況は身近でリアリティーもあるのですが、内容はあまりにも老人の性、恋愛騒動に話が偏りすぎており(それだけ!)、そんな面ばかりではないだろうと反発も感じました。ポルノ映画の上映会などは笑えた物語でしたが、それ以外の物語は描かれている老人たちの姿が悲しく、残酷にさえ感じました。「それがどうしたの」という拘らない前向きな話として書いているとは言っても、あまりにも矮小な世界でした。渡辺淳一氏は一体どういうつもりでこの本を書いているのか、と少し人格を疑いたくなったのが正直なところです。特に栗栖院長の優柔不断な態度で岡本杏子老嬢に接する姿勢は嫌悪感を感じるほどでした。ラストの主人公栗栖氏の恋人との別れは著者の「化身」などと同じパターンですね。主人公もそういう意味で滑稽な存在として描いているのでしょうか。

  • 〈内容〉もっと華やかに、もっとポジティヴに――。こんな生きかたをしてみたい!「老後」に対する日本人の既成概念を打ち破り、これからの新しい生きかたを示唆する、斬新な衝撃作。

  • 私立の高級老人ホームを舞台にしたお話。
    多少のことがあっても、Et alors?
    そういうのって、結構好き。
    オススメです。

  • 前に豊悦のドラマであったから読んでみたかった作品。自由な感じの老人ホームを舞台にした物語。おじいちゃんおばあちゃんになっても恋愛問題で揉めたりと、なかなか面白かった。でも主人公の院長には幸せになってほしかったな。

  • フランス語で「それが、どうしたの?」という意味のエ・アロール。
    モットーであり、主人公来栖(くるす)氏が経営する老人ホームの名称でもある。
    このホームで起きる、様々な出来事。
    年など関係なく恋をする入居者達。
    2年ぶりの書下ろしである、この本は、とてもタッチが軽く、
    とかく重くなりがちな老人社会について明るく描かれている。

  • 高齢化社会、年金問題、病気・・・老後というと暗いイメージがつきまといますが、この作品は銀座の老人ホームで、恋に遊びに明るく楽しく生きるお年よりを描いた物語です。こんな老後が待っているのなら、年をとるのも悪くないかも。

  • 歳をとっても、男と女なんだなぁ〜と感じました。
    この話の人たちみたいな素敵な高齢者になりたいですね!

  • 老いとは何か。老いることによって制限されるものとは何か。我慢を強いられるものは何か。年を重ねて不自由が嵩増しするのはどうしてだろうか。肉体が老いても心は老いていない。やがて直面する幾つかの場面に私は何に頷けるだろう。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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