かなしみの場所

  • 角川書店 (2004年5月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784048735346

作品紹介・あらすじ

私はほんの子供だった頃、誘拐されたことがあるらしい――。雑貨をつくりながら静かな生活をおくる果那と、彼女をとりまく人々。それぞれの人生を描きながら、ゆっくりと居場所を探していく、たましいの物語。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語は、幼少期に誘拐された記憶を持つ主人公果那の静かな日常を描きながら、彼女が自分の居場所を探し続ける様子を描いています。果那の周囲には、彼女を支える温かい人々が存在し、穏やかな時間が流れる中で、彼女...

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わってタイトルの『かなしみの場所』というのがどうもしっくりこなくて、『かなしみ』という言葉を調べてみました。

    【悲しい•哀しい•愛しい】という漢字が出てきて、あ〜これは間違いなく『愛しみの場所』だなと思いました。

    とても素敵なタイトル。内容にぴったりです。

    何か印象に残る感じではないですが、ほんわか優しい気持ちになれる、そんな作品でした。

  • もう少しストーリーに展開が欲しかったし、メッセージ性をあまり感じられなかったなぁ (私に情緒がないだけか?)
    うーん 和菓子の描写はわりかし好き!

  • あなただけの場所、見つけられましたか?
    このながく短い人生の中で

  • すごく悲しい話、というのではないです。
    あまりにも透明すぎて、ちょっと哀しいような気がする…?
    そんな本。

    この作者のお話には、少し変わった人間関係が出てくる。
    一般の人にはすぐには理解してもらえないかもしれない繋がり。
    でも、優しい。

    雑貨屋さんの、ちょっと古いような新しいような感じとか、食べ物が煮物など懐かしくてナチュラルなものが印象に残ったりとか、お菓子はケーキではなく和菓子を食べているとか…
    そういうイメージや、
    細かい泡がたくさん入った、ぽってりと丸くて厚い、ソーダガラスのコップみたいな感じの本。

  • 本の中で作られる世界、流れる時間は心地よく自然であったが、個人的には終盤に若干の物足りなさを感じた。

  • 人と出会う中で

     果那はアクセサリーなどを作っている。
     昔、誘拐された記憶があるが、そのことについて、周りの人間は何も言わない。

     彼女は自分の作品を卸す「梅屋」の奥の3畳でしか眠ることができなくなっている。結婚をして、早くに別れた。なぜかは自分でもわからない。

     「梅屋」を切り盛りするみなみちゃんは、小さいとき父親と別れた。その父親が突然尋ねてきたことがあるという。人の出会いとか別れとかは、日常にありながら、その中で人は育つ。
     おばの家の留守番を頼まれ、おばの家に住むことになって、おばと母親の兄弟がいることを知る。
     その男から年賀状がおばの家にきていて、その場所が昔スキーで一度行った場所だと知る。
     ある日、実家からの帰り道、ふらっとその場所へでかける。おじさんの家は留守だったが、母親の作ったお惣菜を置いてきた。
     彼こそ、果那を誘拐した人物だった‥。

     これまでに自分もいろいろな人と出会い、別れてきた。その人たちも、様々な出会いと別れをもっていて、それがつながったりくっついたりして、日常を作っている。そのことを改めて思い出させてくれる。
     
    2006-08-04

  • 幼い頃に誘拐された経験を持つ、アーティストの女性。「楽しかった」記憶の残る「誘拐」に関するはっきりとした寝言を聞かれ、誘拐された過去に興味を持たれたことを不快に感じて夫と離婚し、不眠になっている。ひょんなことから誘拐犯の正体を知る…

  • いつもながら大島真寿美の文章は読みやすくていい。
    (毎度主人公が同じような感じに思えてしまうこともあるけれど)

    作中で主人公が語っていた「二つ世界があるという感覚」は幼少期に多くの人が覚える感覚らしい。
    「わたし」と「わたし以外」。「ここ」と「どこか」。

    広くて美しい「あそこ」の世界を夢見ながら、主人公はどこでもない「ここ」で今日も生きていくんでしょう。

  • 離婚してから自宅で眠れなくなり、自分のデザインしたオブジェやアクセサリーを納めている雑貨屋「梅屋」の奥の部屋で寝泊まりしている果那。果那は昔、誘拐事件に巻き込まれたことがある。

    離婚や誘拐事件が落とすほんのりと暗い影の部分はあまりくどく描かれておらず、果那の日常や過去を店長のみなみさんや果那の家族と静かに語り合う姿が描かれている。

    何が起こるわけでもないのに面白いな素敵だな、と思いながら一気に読み切ってしまった。

  • 「ピエタ」がとても良かったので、大島氏の他の著作も読んでみたくなって
    図書館で借りてきて読みました。
    大島氏らしい・・・といってもまだ2作目なのでわかりませんが(苦笑、
    女性著者らしい、やさしくて柔らかい作品でした。まどろむように、ふわふわ眠るように。
    「後に残る」作品ではないのです。ふんわりと感じる作品というのか。
    (それなのに、とてもよくできた作品。)
    女性っぽい、こういう作品は好きです。

    題名の「かなしみ」は「悲しみ」ではないのですね。
    漢字で書くとしたら、哀しみ・・・それとも「愛しみ」、かな?

  • かなしみの場所
    眠りの場所
    生きる場所
    作る場所

    私にも梅屋があったらなぁと思いながら読みました。
    みなみちゃんがしっかりぱっきりしててすき。

  • 穏やかな眠り。かなしくなんかなかった。

  • すらすらとした文章。

  • 和菓子が食べたくなる。

  • 読み終わったあと、
    なんだか懐かしい気持ちでいっぱいで、
    小さいころの他愛無い時間に思いを馳せてみたりしました。

    いっぱい美化された部分はあるかもしれないけれど、
    胸がほんわか暖かくなりました。

  • 人前でまとまった時間しゃべるのは久しぶりということもあり、ちょっとドキドキして、昨日の朝はなんと6時前に目が覚めたのであった。もう一度寝てしまうと寝坊するかも…と思い、そのまま起きて本を一冊読んでしまう。

    こないだ読んだ『すりばちの底にあるというボタン』のことを書いていたら、それを読んだ人から、「この作品がとても好き」と教えてもらったのが『かなしみの場所』。
    「まどろむようにたゆとう作品です」というので、どんなかなーと思いながら借りてきていた本。

    梅屋という、ひとことで説明するのが難しいような店(強いていえば雑貨屋?)で働くみなみちゃんに「さすが果那さん。相変わらず、地に足がついてませんね。」などと言われる果那が主人公。

    果那は、梅屋に、自分がつくった作品をおいてもらっている。みなみちゃんはその作品を気に入ってくれて「かなしいくらいにきれい」と褒めてくれる。

    ▼…自分の作った物を、誰かがお金を出して手に入れ、自分の部屋に飾ったり、プレゼントに使ったりする、それはうれしいながら、恐くもある。恐くなってくると、みなみちゃんに、わざわざ意見を求めたりする。
     みなみちゃんは、お客さんの感想を教えてくれたり、自分の意見を交えたりしながら、私の主観的評価とのズレを指摘してくれる。たいした額ではないが、一応これで生計を立てているのだから、そういうズレを修正しておくのは案外大切なのだ。(p.16)

    【一応これで生計を立てているのだから、そういうズレを修正しておくのは案外大切なのだ。】

    自分の部屋で眠れない果那は、しかしなぜか梅屋の奥の三畳間ではよく眠れる。ちょっと一休みのつもりが、がっくりと眠ってしまい、心ゆくまで眠らせてもらえるのだ。しかも、「果那さんが奥で寝ていると、千客万来」「ありがたや、ありがたや」などとみなみちゃんは言って手を合わせたりする。

    果那が、かなりはっきりしゃべっているという「寝言」から、話はちょっと動き出す。

    遠い昔、子どもの頃に果那は誘拐事件に巻き込まれたことがあり、ただ、そのことを親たちが必死になって隠そうとしていて、どの程度の事件だったのか、犯人は誰だったのかはさっぱりわからないながら、果那の記憶はすべて失われていたわけではなかった。

    果那は自分を誘拐した人を長いあいだ捜していた。
    「私を誘拐した人の手のひらはとても温かく、やさしかった。すっぽりと包まれていると、もう大丈夫だという気持ちになった。
     あの手のひらがここにないのが、寂しい。」(p.57)

    けれど、両親も叔母さんも、決して誘拐事件のことにはふれない。決して話そうとはしない。

    話は、みなみちゃんの、子どもの頃に出ていったほんとの父(今の父は二度目の父)が会いに来て「捜した、捜した、こんな田舎に住んでいたのか」とやってきたときの話も交えて、すこしずつ動いていく。

    「誰かが、誰かに会いに来る。誰かが、誰かに会いたいと思う。会いたいと思って捜し当てる。それってなんなんでしょうね」(p.22)

    みなみちゃんがふともらした、そんなことば。この物語は、探し続けて会えなかったり、会いたいと捜し当てたり、絶対に会いたくなかったり、そんなのが動いていく話でもある。

    ゆるゆるとこの話を読みおえて、半分すぎまで読んでいた佐野眞一の『甘粕正彦 乱心の曠野』をしばらく読んでから、昨日は図書館へ出かけた。

  • 昔誘拐されたことのある女の人が、その記憶を寝言で話してしまう癖があって、それを旦那さんに聴かれていたことから離婚したり、引っ越したり、誘拐犯の叔父と会おうとしたりするお話。
    お話の最初と最後では、外見は特に変わらない。だけど心は明らかにすっきりとしている、そういう終わり。

  • 初大島さん。SNSのコミュニティ絡みでメッセを交わした方より教えてもらった。幼い時の誘拐の記憶をたぐるストーリーはちょっとしたミステリ仕立て。誘拐の真相は、あのとき何がああったのか。

  • 主人公の幼い日の記憶にある誘拐事件の真相が明かされていく、暖かいお話。出てくる人たちも魅力的だ。主人公が作品を卸している雑貨店「梅屋」のスタッフであるみなみちゃんは、カフェのプロデュースを任されるほどの能力の持ち主で感性豊かな上、芯が強くしっかりものです。しっかりものの女性には本当にあこがれます。また、離婚したご主人の下で働いていたという男の子。沖縄まで追いかけていくほど「一緒に働きたい」と思えるボスにめぐり合えているのがうらやましかった。

  • ふたたび大島真寿美さん。

    きゅん となるタイトルです。


    やたらと、お話に出てくる人の名前がいいなーと思いました。


    梅屋。みなみちゃん。篠田さん。あつ子叔母さん。御坂梅さん。

    カワサキリュウジ。(カタカナっていうのがまたいい)


    綿紅堂の和菓子。

    羽二重餅。栗羊羹。薄紅桜。


    寝言を聞かれると眠れなくなる。

    寝言がキーワードなんかな。

    かわいい。

    2015.9 二度目読了。たしかに星3な内容だった。。ふわふわした内容かも。主人公の果那が子供の頃誘拐された謎を解きに…といったものが背後にずっと流れてる。
    合間合間に和菓子が出てきて和む。
    果那は離婚は別によかったのかなあ〜。
    そいえばタイトルはなぜ、かなしみの場所、なのかはわからなかった。。

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。2019年『妹背山婦女庭 魂結び』で直木賞を受賞。

「2021年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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