蒼のなかに

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 54
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735360

感想・レビュー・書評

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  • 揖保乃糸で有名な播州地方にルーツを持つ零細編集プロダクションの女性の、女性特有の病に直面した苦悩と仕事、女の業を、祖母・母・娘、女三代の人生、太平洋戦争時の大陸引揚げや素麺にまつわるエピソードを交えながら綴った作品。
    前半、素麺の小ネタや祖母の神事には興味を持てたが、四十も半ばになって複数の男性にモテモテのキャリアウーマンという設定はどうなの?と思ってしまったが、いよいよ病気の影響が強くなってからの女性性を自問自答する展開、そして祖母や母の想いも受け止めながらの再生過程には思わず引き込まれてしまった。まあ、最後まで男がみな優しいのは。。。と思わなくもないが(笑)

  • 播州出身の玉岡かおるさん
    とてもチャーミングな方です
    父の里 揖保乃糸
    素麺は飽いたとか言ってましたけど
    家族とか恋人とか、病気とか、もちろん仕事とか
    迷いながらもどん底から起き上がって来る沙知
    ゆっくり読みました

    ≪ 蒼の中 世界の底の また宇宙 ≫

  • 少し前に読了したのに、いざ書こうとすると印象が薄い。あれっ。

  • しょっぱなからの主人公に全く共感できなかった。いくら仕事ができても何よりプリ脳だし勝手だしいい加減に見えたので、はぁ?いい年の女の恋愛事情なんかどうでもいいんやけど・・・と途中何度も読むのやめようかと思ったが、そうじゃなかった。情報は随所随所にパッと投下される。物語は、母娘の確執と、教科書では数行ですまされた満州からの過酷な引き上げと病と巫女である祖母の祈りとが織り交ざり、大きな誤解が解けるラストに胸が詰まる。今は少し、共感できる。とりあえず、検診にはいきましょう、うん。

  • 主人公に色々災難が降りかかってるのに退屈。

  • 小説。バツ一のキャリアウーマンが検査入院する時間軸と、仕事関係で繋がる微妙なポジションの男たちや元夫との心理的な横軸が、見事な人生模様を織り上げている。かゆいところに手が届く存在の彼や、お互い強情だから決して甘い雰囲気になることを許さなかった彼や、結婚していた頃とは見違える元夫とのやり取りなど、すんなり入り込める。少々特異的な生い立ちや郷土についての感情も自然体。終盤、手術を受けて退院するところからアップテンポで話が進むところは、まるで人生の大手術と言う感じ。過去を受け入れて前へ進む流れが、自然な成り行きで魅力的。

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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