グラスホッパー

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735476

感想・レビュー・書評

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  • 「マリアビートル」を読むために再読。
    前読んだときはたしか、最後が寂しい気がして微妙だったような記憶があるけど、今読むとそうでもない。
    前は鯨さんに思い入れながら読んじゃったからなー。がんばれ鯨!って。
    鈴木くんはいいやつだ。蝉は可愛らしい。まあどいつもこいつも悪いことやってんだけども。

  • 図書館で借りた本。

    亡き妻の仇をとるために、危険な道へ入り込んだ「鈴木」は、当の仇が交差点で車にはねられたところを目撃するが、その事故現場から立ち去った男がいた。
    それは、巷で有名な「押し屋」ではないか。「押し屋」の正体を確認するために、男を追いかけるように、上司から命令され、追いかける。
    しかし、追いかけた先には温かい家族があった。

    一つの事故を、「鈴木」、殺し屋の「蝉」、そして相手を自殺へと追い込む自殺屋「鯨」の側から見た視点でそれぞれが交差しながら描かれている。

    押し屋らしき男の息子と、鈴木がサッカーをして遊んだ時の、「PKって、何の略か知ってる?」のくだりがほほえましく、穏やかでないこの話の中で、ほっこりした気持ちになった。

  • 2013.05.鈴木の妻は,令嬢という非合法薬剤を扱う会社社長の長男に面白半分で轢き殺された.その復讐のため鈴木は令嬢に入社した.殺しの業界には,自殺させる鯨,ナイフで刺し殺す蝉,毒を使うスズメバチ,そして押し屋がいた.鈴木は令嬢幹部の比与子に誘拐した若い男女を殺すように命じられる.その時,寺原長男が目の前で轢き殺された.その場所から去っていく男を鈴木が追う.その男は一般的な住宅地に住み,二人の子供がいる槿という男だった.鈴木は槿が押し屋なのか確信が持てず令嬢にその家の場所を教えないが,比与子に誘き出され令嬢に捕まってしまう.ところが,蝉が鈴木を横取りする.そこに押し屋を探している鯨がやって来て蝉を殺す.鯨と蝉が争っているうちに鈴木と槿は逃げ出す.比与子と鯨は,槿の子供から教えてもらった住所に行くものの,全く違う場所だった.そして,その時に寺原も殺されたとの連絡が入る.誘拐された男女というのは,スズメバチで,彼らに毒殺されたのだ.落とした指輪を探し出すために戻った鈴木は,鯨と遭遇する.しかし,鯨は車道に飛び出し,バンに轢き殺される(押し屋?).読みやすいものの,あまり読んでいて楽しいものではないね.

  • 妻に死なれ復讐のために「令嬢」に入社し、成行きで押し屋の素性を探ることになる鈴木、殺し屋の蝉、自殺屋の鯨。
    悪人ばかり出てきて、人がどんどん死んで行く。
    劇団の仕事ぶりを最後に知らされて、ああ、そういうことかと納得。

  • 初めての伊坂幸太郎、面白かった!
    登場人物が悪党ばっか(笑)
    鯨は戦わずして勝てるなんて最強すぎる。
    蝉が一番好きかも。

  • 妻に死なれた男と、自殺屋と殺し屋と押し屋がアングラな「業界」で関わりを持ち、追ったり追われたり捕まったり殺したり、実に派手に動くんですが、読み終わってみれば「あぁなんだ、バッタがはねてただけか」みたいなお話です。
    登場人物が魅力的ですが、会話というよりもそれぞれが自問自答しているカンジ。
    言葉の選び方がいちいちかっこよく、実際に言われると「はぁ?」なんだけど、この中の登場人物に言われるとなんだか納得してしまうセンテンスが豊富。
    サラっと読めてキラっと光るようなお話でした。
    こういうのあまり選ばないので読んでよかったw

  • 殺し屋が絡み合うストーリー。面白かった^^

  • 鈴木、蝉、鯨、槿、それぞれの視点で区切られているから読みやすくて面白かった。

    ただ喜ばしい内容ではないし、言葉だけであんなにも暗い陰鬱な気持ちに引きずり込まれるとは・・・。

    特に鯨の威圧感・・・読者にまで自殺を促せるような・・・心に重たいものがのっかってしまった。
    「人は死にたがっている」あながち間違ってないとも思うんです。

    ただ、孝次郎が...かわいい...。
    そして、鈴木と奥さんの会話も心和らいだ。

  • 妻の復讐に燃える男、上司とのわだかまりがある殺し屋、罪悪感を抱える自殺屋、そして、なごやかな家族のある押し屋。
    四人の行動が絡まる伊坂幸太郎らしいミステリーだった。
    自分は押し屋をめぐる環境と、自殺屋が抱える状況が好きだったが、全体的に急ぎすぎてる印象。そのわりにハラハラする部分も少なくイマイチ。
    鯨の最後なんかはもうひとひねりって感じになる。

  • こちらも先輩からもらった本。登場人物それぞれの動きを描いていき、一見バラバラな話しが後半一気に収斂していく。。。この作者はこれが非常にうまいですね。知らない内に徐々に集まってきてますから。ただ、この作品は前半非常に面白く読めたのですが、最後が何となく今一つ。もう少しひねってあったら★4つだったのですが。

  • 裏社会とのつながりから、人と人の関係を改めて考えさせられる。
    テンポ感もいい。

  • 徐々につながるストーリ、展開を楽しみながら読めた
    基本的に鈴木以外は、面白かったけど、鈴木の存在が重要なのかな

  • 再読。マリアビートルを読んで読みたくなったので。すぐさま続けてマリアビートルが読みたい。こないだ読んだばっかなのに。あさがおの家族がすごく好きだ。ほんと、健太郎と孝次郎はなぜ劇団にいるのだろう。鈴木と同じく、それを思うと切なくなる。サッカーはどこで覚えたのか。すみれさんも好き。こういう家族を持てるなら結婚しても良いと思う。令嬢のような会社は実在するのだろう。全部死ねばいいのに。やはり、「人は誰でも、死にたがっている」という言葉は残る。

  • 無関係の3本の線が
    一つになる瞬間*
    その瞬間を早く読みたくて
    一気に読んじゃった*


    みんなは
    最後、
    どう解釈するのかな?

  • 伊坂作品の醍醐味、巻き込まれ型の主人公+ばらばらの事象が最後に一気に収斂、の王道を行く作品。
    伊坂作品の登場人物は、自暴自棄なのに自分のルールは確立されきっているから泰然自若すぎて、唖然とみているうちに、暴走した思考がどんどんよじれていってしまう。それなのにただひたすらに淡々としているから、どうにも好きになってしまうのです。この頃の詭弁めいた教訓の垂れ方も軽やかで好き。
    見事に色々と引っかかりました。

  • 必死で切り抜けようとする主人公、
    その周りのよくわからない組織たち、
    それぞれの時間軸、
    目を覆いたくなるようにリアルな人、が死ぬ描写。
    なのに殺している人間たちを不思議と憎めない感覚。
    伊坂さんらしい作品だな、と。

    おもしろくてどんどん読み進むんだけど、
    オチがよくわからなかった、、
    とおもったら続編があるとのことなので、読もうとおもいます*
    謎がとけるといいなあ。

    (2011.04)

  • 伊坂幸太郎の作品を順番に読んでいます。
    これは面白かったけど、今までの作品に比べて印象に残らなかったかも…鯨って最後どうなったんだっけ。読み返してみなくちゃ(>_<)

  • 伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」再読完了。何度読んでも面白い。何故、再読したのか?→新作「マリアビートル」を読む前の準備運動。気合を入れて読むぞ!

  • マリアビートルを先に読んだのがかえって良かった。
    マリアビートルではあまり本筋に関係ないものの存在感のあった槿の人柄?が垣間見えてすっきりした。
    どこまでが現実の世界にあり得る話なのかはわからないが、近いものはあるのかも知れない。

    人間が持つ心の闇とか罪悪感といったダークな部分と超ダーティな世界を描いているのだが、読み手の気持ちを暗くさせることはなく、どちらかと言えば楽しく読める作品だ。
    次々と各登場人物の目線に切り替わる展開も読みやすい構成だと思う。

  • 気の効いた会話と、時間軸をちょっとずらせばいいと思っているのか!オモシロインダケドネー。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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