- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048735490
作品紹介・あらすじ
親友を突然うしなった男の子、不登校を続ける少年と廃品回収車の老人、モトクロスの練習に打ち込む少年を遠くから見守る一人の女性、仕事を抱えながら女手ひとつで育てた息子を襲った思いがけない病…。苦しみから立ちあがり、うつむいていた顔をあげて、まっすぐに歩きだす人々の姿を色鮮やかに切りとった、絶対泣ける短篇集。
感想・レビュー・書評
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いろんな形の喪失で止まってしまった心が、再び動き出していく様子を描く短編が7つ。
どれもやさしくていい話でした。
長編してもいいくらいの内容のものも多くて、もう少し続きが読みたくなりました。
この手の話は数あれど、白々しくなく押しつけがましくなく、くどくもなければ嘘っぽくもない。
「ひとり桜」がいちばん好きかな。
子供が出てくる話は切なすぎて苦しくなってしまうしね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は中でも足を失ったひきこもりの少年とその親を描く「青いエグジット」と、息子と父が次々入院して死にさらされる「ハートストーン」が泣けて、感動した。
人間、生きてると辛いこと、耐えがたいことがたくさんあるけど、生きてるだけで、きっと転換期がやってくる。そんなメッセージが伝わってきた。 -
心温まる7つの短編。それぞれがいい話だった。
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この本は7つの短編集で出来ていて、感動する話や心に刺さる話が多いです
自分は特に〜の話が好きって書こうとしたんですが、短編の題名を見ているとどれが1番良かったなんて比べられなかったです笑
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石田衣良作品については以前、大学の講義で扱われたことがありました。
文体としてはそれほど好みというわけではないですが、
酒鬼薔薇事件や池田小事件への作者の執着心に大変興味があります。
短編集と知らずに読みましたが、喪失と再生(回帰?)をテーマにした今作は今の日本、それから私個人的な事情に大変共通したものだと感じています。
個人的に「ひとり桜」と「夕日へ続く道」がすき。 -
苦しみから立ちあがり、うつむいていた顔をあげて、まっすぐに歩きだす人々の姿を色鮮やかに切りとった短篇集。
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痛みを抱えた人が何かのきっかけで前を向けるような、そんな話を集めた短編集だった。どの話もさわやかな読後感。あとがきの「ここに収められた七本の連作のうち、ひとつでもあなたの凍りついた傷口に届くものがあれば、作者としては満足です」が沁みた。
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短編集だったけど、どれも短いながらも前向きで良い作品だった。
やっぱり石田衣良の作品は心が揺さぶられる。 -
災難や悲しみにあった人々の再生の物語。7つの短編。
著者の作品は初めてです。
子どもがらみのお話は、苦しいです。
フィクションだと思いながら読み進めましたが、やっぱりきつかった。
短編で、7つも悲しい思いをした人たちの話が続くのは、ため息ものでしたが、立ち直っていく人たちが強くたくましく、最後は、応援したい気持ちで読み終えました。 -
わたしの特に良かったと思う作品は、『天国のベル』と『夕日へ続く道』です
短編集なのに、どれもいいお話ばかりでした!