霧笛荘夜話

  • 角川書店 (2004年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784048735643

作品紹介・あらすじ

運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。そのアパートの6つの部屋に住む、6人の住人たちの様々な人生を描き出す。不器用だけれども誠実に生きていた6人だったが――。待望の連作短編集!

みんなの感想まとめ

人それぞれの人生の物語が丁寧に描かれた連作短編集で、古いアパート「霧笛荘」に住む6人の住人たちの心の交流が温かく描かれています。著者特有の切なさや儚さが漂う中で、彼らの不器用ながらも誠実な生き様が胸を...

感想・レビュー・書評

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  • 人にはそれぞれ物語の主人公として描写できる楽しさ、哀しみ、幸せがあるんだなと、つくづく感じた。著者らしい何とも言えない切なさ、ひと時の幸せの儚さが胸を打った。自分が一番幸せも、誰よりも不幸などはなく、日常の、気にも留めなかった隣人との関わり方一つで人生に深みと彩りをつけるんだなと感じた。自分が歳を重ねた時にもう一度読んでみたい。

  • 一気に読めた!

  • 霧笛荘に住まう住人たちは、それぞれ不器用に社会の下層であがいて、もがいて、たくましく生きている。彼ら1人ずつに光をあてて描く短編集。
    不幸な境遇も不幸と嘆かず、生きていく彼らを追って切なくなったり、ほっこりしたり。
    最後に明かされる、霧笛荘を老婆が守る理由、住人が選んだ結末が人のあたたかさや繋がりを示してくれていて、読後感は柔らかかったです。

  • とある港町、運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。
    法外に安い家賃、半地下の湿った部屋。
    わけ知り顔の管理人の老婆が、訪れる者を迎えてくれる。
    誰もがはじめは不幸に追い立てられ、行き場を失って霧笛荘までたどりつく。
    しかし、霧笛荘での暮らしの中で、住人たちはそれぞれに人生の真実に気付きはじめる―。
    本当の幸せへの鍵が、ここにある。
    比類ない優しさに満たち、心を溶かす7つの物語。
    (アマゾンより引用)

    オムニバス短編。
    短編ってあんま好きじゃないんだけど、この作家さんの短編は読みやすい(*´∀`*)

  •  港町の古いアパートのわけあり住人たちの人生話。一部屋一部屋どんな人物が住んでいたのか、大家のおばあさんが紹介してくれる。物悲しく人情あふれる物語。「人生いろいろ大変だなあ」とあらためて思う。

  • 浅田次郎らしい人情物の短編。出てくる人物は全員やるせない人々なんですが、彼らの心のふれあいがいい物語を織り成します。

  • 1つのアパートで織りなす、少し不思議な短編集。 儚い話だけど、一気に読了。さすがです。

  • 浅田さんってこんなに上手いんだ…。
    すごい、とただ感嘆。

  • 素晴らしい作品。
    浅田次郎短編集の中で1番好き。
    登場人物にみんな優しさが滲み出てて、半地下の薄暗い建物を想像して読んでいるにも関わらず、あたたかい。
    それぞれの傷が、そうさせるんだろうな。
    過去からの悲しみは、誰かを慰めることがあるかもしれない。

    少しそれるけど、中島みゆき「糸」を思い浮かべました。

    こんな糸がなんになるの
    心許なくて 震えてた 風の中
    縦の糸はあなた 横の糸は私
    織りなす布は
    いつか誰かの傷をかばうかもしれない
    (抜粋)

    ‘あなた’と‘私’は必ずしも綺麗な関係ではない、という風にも当てはめると更に深みのある曲だと感じ…この曲がこの本に繋がったのでした。

  • こういう、ちょっと異世界感のあるのすきなんだけど、なんか重くなる読後感だったから、星3つかなあ。でも、浅田次郎さんはやっぱ言葉のプロだと思う。表現力がすごいよなあ。きちんと異世界に連れて行ってもらえる。聡明な文に酔えるよね。こういう才能ってすごいよなあ。まあでも、物語としては…霧笛荘といういわくありなアパートの住人をひとりずつ紹介していくような構成で、7話語られるんだけど。大家さんの老いた中国の女性が語り部であるわりには、(そこまで見聞きして知っているはずはない)な部分も多くて、ちょっと引き戻されるかなあ。まあ、すべてが老女の夢物語だったとしても、いいんだけど。でも、一話ずつ主人公になる住人たちは、皆なにかちょっと人として踏み外すべきではなかった一面を持っていて、それは共感を得られる選択ではないから、読み手は重くなるとは思う。でも、大人であればあるほど噛み締められる小説じゃないかなあ。ナイトキャップを片手に、寝る前に違う世界に言って頭を休めたい、そういう読書を好むタイプには、推します。

  • 浅田次郎さんは読みやすいです。本当に読みやすい。エンタメ本のお手本です。大御所も大御所ですからワタクシなぞが今さら何を書き散らかしたところでその評価にいささかの翳りが出るわけもなく。なら一体何を書けば良いかと考えてみるとこれがまたなかなかに難しい次第でありまして。

    差し当たっては一言申し上げたい所存でございます。

    浪花節もいけんじゃん!

    浅田次郎界の皆様方に置かれましては本書が購読2作目であるということを鑑みて頂き「このド素人が片腹痛いわ!」などと罵詈雑言を浴びせるのは我慢して頂けないかと切に願う所存でごさいます。

  • 『いいかね、これだけははっきり言っとく。この霧笛荘の住人に、不幸なやつはひとりもいなかった。どいつもこいつも、みんな幸せだった』色々な人生を送る人たちの気持ちを描いた物語。それぞれの生き方が心にしみる。自分が生きるだけでも大変なのに、いつも人のことを気にかけていて、切ないけど元気をもらえるような…。




  • 七話からなる短編集
    ”霧笛荘”という不思議な名前のアパートの不思議な住人たちについて語られている
    それぞれがみな忘れたくなるような過去を持っていてどの話にも魅力的なものがあった


    自分の過去を忘れる事が出来るならどんなに楽なんだろうか
    霧笛荘には様々な人間がいる
    新しい自分に相応しい生活をする為にやって来た者
    人生を終わりにする為にやって来た者
    自分の居場所を確保する為にやって来た者…


    人間は誰もが皆辛く苦しい想いを抱えているのだと
    そう訴えられている気がした

  • 古い共同住宅「霧笛荘」。そこには、住人6人+管理人のおばあさんが住んでいます。

    その住人たちそれぞれを主人公にした短編集。そしてその一編一編がつながっています。

    世間一般からは、変な目で見られたりする生き方をしている住人たち。
    でもそれぞれ一生懸命で、自分の守りたいものをしっかり守って生きていく。
    というか、守らないと生きていけない。
    そんな生き方は、すこし悲しく見えてしまうけれど、でもそれぞれは幸せなのでした。

    しっかり生きている住人たちは、むしろ強いんだとも思います。

    個人的には、三話目の「朝日のあたる部屋」の鉄男の話が好きです。

  • 霧笛荘に住んでいた男女6人の話。昭和を感じさせる話でした。

  • 浅田次郎さんはさすが!としか言いようがない。
    ノスタルジックな設定のなか、言いたいこと、大事なことはちゃんと書かれている。相変わらず安心して読める作家さんである。

  • 「発見!角川文庫2011」でこの本を知りました。
    「不幸の分だけの幸せはきっとある――」というフレーズに惹かれて読み始めました。
    私が今、とても幸せです。
    なぜなら頑張っているからです。
    去年の今頃の自分は、他の人に話せないぐらい最悪なものでした。
    でも辛いのは今だけだと必死で頑張り、今の自分に変われたのです。
    霧笛荘に住んでいた人たちにも、悲しい出来事がありました。
    でも、あきらめませんでした。
    さきほど私は幸せだと言ったけれど、正直辛いと思うときもあります。
    家族や学校の期待が大きくて、自分が押し潰されそうになるときもあります。
    けれど私は絶対にあきらめないで生きていきます。

  • あり得ない話だけど、異国情緒があり、心がホンワカする

  • 古びた中国館(だよね?)霧笛楼に暮らしていた六人のある意味世捨て人が、いかにしてここにやって来たのか、あるいはいかにして暮らしていたかを淡々と書いた本。
    纏足の老婆に導かれ、一部屋一部屋を巡りながら話に過去に遡ります。

    この題名、実はCD屋で見たのが最初なのですよね。
    まあ、結構前だったのと、買いはしなかっのとでそれが朗読なのかイメージCDなのかはわかりませんが。

    館のイメージは横浜の異人館でした。
    なんとなく。

  • 浅田次郎、天才だね。なんでこんなに流麗に文章が作れるのか知りたいね。文句なく面白いです。読まなきゃ損するよ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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