いつかパラソルの下で

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735896

作品紹介・あらすじ

病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父。四十九日の法要が近づいたこ、私は父の生前の秘密を知ってしまう。大人たちの世界を瑞々しい筆致で綴ったハートウォーミング・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 「暗い血」ねぇ・・ハッピーエンドで終わりそうになかったんだけど、いい感じの終章。

  • 長らく積んでいた。買った当初は帯の、大人のためのハートウォーミングストーリーという言葉に気恥ずかしさを感じた覚えがある。
    両親が普通の人間だということに気がついたのは、十代もおわりの、ほんの二、三年前だったかもしれない。それは至極当然のことなのに、私は非常にショックを受けたような気がする。
    両親の過去に興味を持ったのもその頃で、本人たちから部分部分は話を聞いてはいたものの、彼らがどう思われているのかはよく分からない。きっとこれからも聞く機会はあまり無いと思うが、できたら足跡を辿ってみたい。

    • 抽斗さん
      >両親が普通の人間だということに気がついたのは、十代もおわりの、ほんの二、三年前だったかもしれない。それは至極当然のことなのに、私は非常にシ...
      >両親が普通の人間だということに気がついたのは、十代もおわりの、ほんの二、三年前だったかもしれない。それは至極当然のことなのに、私は非常にショックを受けたような気がする。

      私もそのことに気が付いたとき、非常にショックで、そのことに目を背けたい気持ちになったことを思い出しました。
      でも、篠田さんはそこでご両親の過去に興味を持ったのですね。

      私は森絵都さんが苦手で、どうにもなじめないと思っていたのですが、もしかしたらそこらへんに理由があるのかもしれない、と篠田さんの感想を読んで考えました。
      2012/11/17
  • 親と子の関係
    自分と自分を取り巻く世界との関係

    物語を通してみんなが成長したり、気付いたり。
    切ないけれど、とてもステキな物語です。

    イカが食べたくなりました。
    イカイカ祭り。

  • 感想
    他人との関係は死で完結する。悪い印象は薄れ良い思い出が浮かぶ。自分の評価が定まるのも死んだあと。制御できないから今を必死に生きる。

  • 亡くなって許せるというか徐々に心を開けるようになった。
    その感覚が私にもある。
    たまにふと思い出しては当時を懐かしんで、
    今ならもっと上手く付き合えたかな、なんて。
    近々お墓参り行くかあ

  • 森絵都さんセックス描写好きすぎないか?
    児童文学の反動?
    今思えば、あえて児童文学にセックス入れ込もうとしているような気さえしてきた。
    みかづき、すごく好きなんだけど...
    ちょっと恐いなあこの人
    特にハットする展開はなく最後はっぴぃでまとめて
    後味は悪くなかったが

  • 昔の人の小説を青空文庫で読んでると、日本文学の本流は、なんともないような日常を語ってみることではないか、なんて思ったりする。別にアマゾンのジャングルで食人族に襲われても良いけどね。
    というわけで、なかなかにのんべんだらりとした日々が語られるけど、そこは現代小説だけに、地味にアクセントがついていて、飽きさせない。達郎もどうしようもないけどな、まぁ気持ちは分かる。
    で、だらーんとやってたように見えるみんなも、まだ20代のうちにいつのまにか落ち着いてしまうというのがね、やっぱ大学なんて行かずに10代で外に出ないとダメだね、つまらんことばっか考えるようになるからね。でもつまらんこと考えてると本とか読むようになるからね、それも悪くないか。

  • 厳格すぎて、子供たちには暴君のようだった亡き父親。
    実は浮気していた事実が発覚し
    3人の兄妹たちは驚愕する。

    父の本当の姿を知りたいと、さまざまな人を訪ねるうちに・・・

    読み口は軽いかな。佐渡島行ってみたくなりました。

  • ストーリーとしては先が気になりサクサクと読み進めることができました。
    でも特に心に残るものはありませんでした。
    父親が絶倫だったなんて知りたくも無いし、
    みんなの生き方にも特に共感することが出来ませんでした。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    柏原野々は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。その父も亡くなり、四十九日の法要を迎えようとしていたころ、生前の父と関係があったという女性から連絡が入る。世間一般にはありふれたエピソードかもしれないが、柏原家にとっては驚天動地の一大事。真偽を探るため、野々は父の足跡を辿るのだが…。森絵都が大人たちの世界を初めて描いた、心温まる長編小説。

    父親とはいえ結局は男なので、何歳になってもオイタする人はするよね。でも誰でもするわけじゃないというのは男としての実感です。堅物でもするときはするし、スチャラカ父でもしない人はしない。
    父親のルーツを求めて佐渡へ渡る三兄弟。殆どグルメ旅行ですが兄弟で旅行楽しそうですね。
    結局大した話ではないですが、自分の血族になると途端に性的な話が生々しくて聞きたくなくなりますよね。それが父親だと猶更でしょう。
    結局2代前になると相当の悪行でも無い限り自分と関係ないと思うので、スパッと切り捨ててしまってもいいと思うんですけどね。
    ちなみに僕の父親も相当女癖悪かったので、血を引いたらどうしようと悩みましたが、ご面相が伴わなかった事も有り心配に及びませんでした。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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