ナラタージュ

著者 :
  • 角川書店
3.65
  • (667)
  • (647)
  • (1102)
  • (161)
  • (58)
本棚登録 : 4309
レビュー : 994
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735902

作品紹介・あらすじ

壊れるまでに張りつめた気持ち。ごまかすことも、そらすこともできない-二十歳の恋。これからもずっと同じ痛みを繰り返し、その苦しさと引き換えに帰ることができるのだろう。あの薄暗かった雨の廊下に。野間文芸新人賞を最年少で受賞した若手実力派による初の書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 優しくて、あたたかくて、ずるくて。
    弱くて、でも、力強くて。


    つらかった時に、手を差し伸べてくれて。
    不器用だけれども、向き合おうとしてくれて。


    人間、生きていればなにかしらの事情がある。
    事情を抱えずに、生きている人間などいない。
    一緒にいられない事情があって。
    終わりにしなければならない事情がある。
    それでも、感情は事情で割り切れない。


    好きになることに理由はない。
    事情があっても、感情で割り切れない。
    好きであったことを忘れられなくても、過去を受け止めて生きていく。


    終わった恋に、意味がない。
    大輪の花を咲かせずに散る恋は、最初から存在すべきではない。

    そんなことは、ない。

    どんな恋であれ、どんな結果であれ、何かしら得たメッセージがあって。
    そのメッセージを、私たちはそっと胸の奥底にしまって生きていく。

    意味のない恋など、存在しない。


    若かったころの恋。
    浅はかで、幼い恋だったのかもしれない。
    それでも、私は確かに彼を愛していて。
    背伸びをしているような、ビターチョコレートをちょっとかじったような。
    タバコの癖のある匂いのような、言葉がわからない国へ一歩入ってしまったような。
    そんな恋だった。



    終わってしまった関係でも、忘れることができない。
    そんな弱さをかかえて、また新たな恋をしていくのだろう。

  • 映画化されると聞いて、ずっと積ん読になっていたのを引っ張り出して読んで見た。まあ恋愛小説ということで敬遠していたのもあるのだが、最近なぜか女流作家の恋愛小説を続けて読んでいるのだが。まあなんと言うか思いは分からんではないが粘着質で複雑で淫靡である。この葉山という教師も随分罪作りな男だと思うよ、ちょっと間違えばただのロリコン教師ではないか、そんな消せない恋愛感情を持ったまま結婚する男と主人公に本当の幸せが訪れるのかしら、続・ナラタージュがあってもいいのでは?

  • 二回目。ちょっと感想を書くのに時間が空いてしまったので薄れてる。

    在学時から片思いしていた葉山先生と卒業後に再会し親交を深めていくも、演劇を通じて新しく知り合った小野くんと付き合うことに。しかし小野くんのことを葉山先生以上には思うことはできなかった~みたいな感じの話だったような?
    小野くんと幸せになったほうがよかったんじゃないかな~。結局先生は奥さんのところに戻るし。
    実は離婚してなかった、っていうのはめちゃくちゃずるい。結局不倫の片棒担いでいたことになる。
    登場人物にそれぞれ設定モリモリでう~ん、こんなにいらんおなか一杯。

    何かしら欠けている男性を書くのがお上手だと思いました。その「欠け」を魅力的だと捉えて惹かれるか、うんざりしてしまうか、の差で評価が分かれるのでは。
    この作家さんはそういう、欠けた男性と自己評価の低い女性の組み合わせが多い。

  • 読後の痺れ感で言うと、私の中でこの本を超える恋愛小説はまだ出てきていません。

  • 帰りの電車で泣いてしまった。

    こんなに全編通して苦しいのに、読み進めたくなる本に出会えて嬉しい。
    ナラタージュは、《主人公が『回想』形式で、過去を物語る事》だそうで。
    冒頭からすでに叶わなかったのがわかって、素敵な本だろうなと思いながらページをめくった。


    葉山先生は本当にずるくて、弱い。隠し通せない弱さ。
    相手を傷つけまいと遠回りして、何よりも一番傷つけてしまう。

    教師だから、生徒だからという意味じゃなく、結局実る形がない恋に結末を用意してあげられなかったなんて。

    最後、駅のホームで奥さんに強い嫉妬を覚えるシーンが一番苦しかった。
    反対車線に飛び乗り戻ったホームに先生が居て余計苦しかった。

    酷い、酷いと思いながらも、きっと私も葉山先生を好きになるんだろうと思う。

    実らないなら実らないなりに、相手の幸せを願えるようになりたい。
    だって好きな人は、どうやっても好きな人なんだから。

  • 読了。ひとことで言うと「恋愛した時のどうしようもない人間の弱さ」の話。それを共感できるかどうかによって、作品への評価も変わると思う。読了後、数時間経ってもなんか色々引っかかるものがあって、それがこの作品の魅力なのかな。他の方のレビューとか読んで、他の方がどう感じたかを知りたくなるのも、それだけこの世界に引き込まれたからこそなのかも。回想から始まるからこそ、すべての描写が物悲しく思えるし、恐らく今もう一度読み直したらもっと寂しく思える。

  • 大好きな人は手に入らない。
    なら、「好き」だと思う心も体も壊してくれと
    私も思う。
    切なくて涙が止まらなかった。

  • ひさしぶりに心が揺さぶられた。
    大切なひとを失いたくなくて必死でもがいたり、行き場のないどうしようもない感情を持て余している描写が心にせまる。
    人生で一番の恋を思い出す本。

  • 島本さん前は好きで読んでいたけど『ナラタージュ』は、ずっと読めずにいた。何年積んでいたんだろう…映画になると聞いてひっぱり出して読んでみた。相変わらずあやうくて都合が良くてズルい人が多かった。

    島本さんの作品は、愛とか恋とか言ってるけどそれの底にはいつも暴力があるので読んでいてつらかった。手紙のあたりは特に。あと母性とか父性の欠如も盛り込まれているのでそれも重かった。

    身をもって体験した。欠けている者同士寄り添ったってただ不毛なだけ。わかっているだろうけどどうしようもないのが気持ちってものなんだよね。生々しく刺さるものが多すぎて気持ちがどよーん…となった。恋愛小説とは言えないような…気がする重さ。タイミングの問題なのかもしれないけれども、つら過ぎた。

    ナラティブセラピーから文字っているのかな…。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      ナラタージュ、映画始まりましたね!
      映画を観るのが好きなのでこの作品も気になるのだけど、恋愛ものはどうも苦...
      こんばんは(^-^)/

      ナラタージュ、映画始まりましたね!
      映画を観るのが好きなのでこの作品も気になるのだけど、恋愛ものはどうも苦手で。
      まっき〜♪さんのレビュー読んでやっぱり読まないし、観なくてもいいかなと思いました。
      いつも参考にしてます(*^^*)♪
      2017/10/08
    • まっきーさん
      けいたんさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      映画始まりましたね~。映画化したおかげで読むことが出来たので、いい...
      けいたんさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      映画始まりましたね~。映画化したおかげで読むことが出来たので、いいきっかけになったような気がします。

      初期作品なのに読む気が起らなくて、やっと読んだら内容が重くって…どよどよーん…となりました。

      「ひよっこ」から一転。
      有村さん、たぶんイメチェンになるんじゃないかなと思っています。

      私は「三度目の殺人」が気になっていますー。

      2017/10/08
  • 素人のような文章だな、と思った。
    物語の進行をセリフに頼りすぎていて、それなのにそのセリフ回しが下手だ。何回「そう言えば」と書けば気が済むのか。
    不必要なシーンも多いし、原稿枚数を稼いでいるのか?と勘ぐってしまう。しかも、それだけ言葉を重ねていても、いまいち工藤泉の葉山先生に対する熱が伝わってこない。
    まさか推敲していないなどということは無いだろうけれど、推敲していないかのように見える文章。推敲しても気付けないほどセンスが無いのか。最後の方は、日本語としてどうかという部分もあるし。
    内容的にも、私は好きではなかった。
    葉山先生は優柔不断で、なぜか工藤泉に頼りすぎていて、少しも魅力を感じない。深夜に女の子を外へ呼び出すとは、何を考えているのだ、という感じだし、(工藤泉にしても、そういう危機感がゼロなこと自体問題ではあるけれど)妻とよりを戻すと決めたのに、工藤泉と関係を持つなんて、それが妻を裏切ることになるとは考えないのだろうか。一体何がしたいのか意味不明。
    小野君は工藤泉に振り回されて可哀想だったな、と思う。
    工藤泉は、簡単に一人で男の部屋へ行ったり、真夜中に近道だからといって人通りの少ない道を通ったり、相当なぼんやりだと思う。葉山先生に対する感情も、恋愛というよりは、初めて優しくしてくれた人に懐いているだけのように思える。葉山先生に負けず劣らず優柔不断で、流されやすい。

全994件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

ナラタージュのその他の作品

島本理生の作品

ナラタージュに関連する談話室の質問

ナラタージュを本棚に登録しているひと

ツイートする