雨と夢のあとに

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 277
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735957

作品紹介・あらすじ

蝶の撮影旅行に出かけたきり、2週間も音信不通だった父が帰ってきた。ひとりで留守番をしていた12歳の少女は喜ぶ。しかし、帰国した父は、いつもと様子が違っていた。少女の身に降りかかった、甘美で残酷な"孤独"の日々。柳美里初の怪談。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の好きな柳美里先生の雰囲気を期待していたら違った作風で驚いた。

  • スラスラ読めた。女の子の言動がはっきりイメージ出来て、最後が余計に切なかった。

  • 途中から結末がわかってきて涙が出てきた

    隣の家の女が登場する理由がわからない

  • 小学校のころにドラマ化されていた作品で、おぼろげな記憶はあったものの
    どんな話なのかはほとんど覚えていなかった(同じキャストの「てるてるあした」と混ざっていたみたいです)ので楽しんで読めました。

    母が持っていて、「ホラーだよ」ということだったのですぐに読み始めました。
    雨ちゃんのモノローグは小学生に思えないくらい大人びていて、
    ドラマ版も確か中学生の設定だったので少し違和感がありました。

    物語の最初から独特の雰囲気があり、
    あっという間に引き込まれてすぐに読み終わりました。
    後味のいい、ハッピーエンドというわけではないですが、
    これはこれで好きなエンディングでした。
    お隣の家の状態はすごそうでした。

    改めてドラマが見たいです。

  • 2020.4.9 読了


    桜井朝春(ともはる)カメラマンの父と
    娘 雨ちゃんの話。

    最初から「イヤな予感」があり、
    私にとってちょっと読みにくい文体では
    あったんですが、
    その予感が 当たってるのかどうなのかが
    気になって めちゃめちゃ読み進みました。

    ラストも 救いがなくて、
    読後感は どんよりしてしまいました。。。

  • しっとり。なぜか時々読み返したくなる作品です。

    • 稲垣 尚さん
      怪談なの?
      怖くなぁい?
      怪談なの?
      怖くなぁい?
      2020/03/22
    • hihihidekoさん
      怪談と言えば怪談かな!でも怖くは無いよ◎静かで悲しい感じ…そうそう、クラシックの曲が出てくるんだけど、それがまた物哀しくて…
      怪談と言えば怪談かな!でも怖くは無いよ◎静かで悲しい感じ…そうそう、クラシックの曲が出てくるんだけど、それがまた物哀しくて…
      2020/03/22
  • 柳美里さんシリーズ、第2段!

    幻想的な不思議なお話でした。

    雨という名の小学校6年生の女の子が主人公です。
    お父さんは、蝶などを撮影する写真家で、海外に撮影に行く際は、娘を一人日本のマンションに置いて出掛けます。その間、彼女は学童とコンビニ弁当暮らし。

    台湾で珍しい蝶に出会うシーンから物語は始まります。
    虫網で蝶を捕まえた瞬間に、お父さんは5mほどの穴に落ちてしまい、土砂振りの雨に見舞われ…

    場面は変わり、日本にいる娘の描写…

    お父さんとメールも電話もつながらない日が10日ほど続き、心配していると、突然、帰宅。
    お父さんがご飯を作ってくれたり、隣に住む女性が世話をやいてくれたり、一緒に花火をしたりと平穏な夏休みを過ごします。
    しかし、あるとき、3人で撮った写真を現像すると、2人が写っていない…。
    雨ちゃんの出生の秘密や、隣に住む女性の苦しみなど、様々な思いが錯綜しながら物語は展開していきます。

    ラストは…
    親戚の叔母さんから電話があり、お父さんが台湾で亡くなったと外務省からの連絡があったと。
    でも、目の前にいる父には告げず、2人で静岡まで旅行に行きます。そして、亡くなってから49日間は、この世に滞在できたと告げられお別れします。


    じんわりくる物語でした。
    夫に、あらすじを話すと…
    「それで、何を言いたい話なの?」
     …それは…わからないな…。

    お父さんとお母さんの複雑な関係とか…
    隣に住む女性の好きな映画と彼氏との話など…
    雨ちゃんとクラスの男の子北斗くんなども…
    恋愛を巡る心理描写が秀逸な作品でしょうか。

  • 結末は分かっているのに、どうしようもないことは分かっているのに、その時が来ないことを必死に願いながらページをめくり続ける。
    大人と子供の狭間を生きる、哀しくも愛らしい少女の魅力に溢れた一冊。

  • 柳美里の書くおんなのひとは湿度が高くて苦手なことが多いのだけど、今回も苦手で、種類がちがうなーとか思ってしまった。
    忘れる忘れない考えない考えるを対立させたお話でしたが、回路が違いすぎて、一緒にしかとらえられなかった自分ざんねん。

  • ①/162

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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