- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048736039
感想・レビュー・書評
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電車のキップを失くしてしまった子どもは駅から外に出られない、駅の子になってしまうという何とも不思議で、考えるとちょっとこわい設定の話。
それが読んでいるうちに駅の子になりたいと思えてくるのだ。駅の子は駅内の食堂や駅弁を自由に食べ、キヨスクのおやつもただ。駅から外にでなければ、好きなだけ電車に乗れる。電車好きにはたまらない。
けれど楽しいだけでは終わらない。
駅の子とは、なんなのか?その仲間の一人ミンちゃんとは?駅長さんとは?
駅の子たちと一緒にミンちゃんに寄り添いながら、死とは、死んだあとはどうなるのかを考えさせられる。死を受け入れるということ、全ての命が繋がっているという死生観をやさしい言葉で語りかけてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『キップをなくして』再読。
私が中学生の頃、友達から借りて読んだ本。また読みたくなったので読んだ。こんな話だったっけ?って感じだったけど、すごく新鮮だった。
キップをなくしたために駅から出られなくなった子どもたち。「ステーション・キッズ」として子どもたちを守る駅の仕事を始める。
仕事をする意味や役割について、生と死について、子どもでもわかるような内容だった。
「ステーション・キッズ」がはじまったきっかけも、なるほどと肯ける。誰かの思いが後世にも繋げているんだろうな…
舞台は山手線だったけど、東京の路線ってすごく複雑なのね…朝のラッシュとか想像を絶するな…
2020.7.19(2回目) -
以前に読んだ気がしたけど、結末を覚えてなかったので再読しました。「切符をなくしたら出られない」ってホラーになりそうですが、なんだか楽しげな話でした。
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キップをなくしたら、駅から出られない。じゃあ山手線で見かけたあの子は、もしかして「駅の子」なのかな。
透明感のある文体のせいで、わくわくやどきどきは控えめ。それを設定の素敵さでカバーしている。小中学生のときに読んでいたら、一度くらいはわざとキップをなくしてしまうかもしれない。そんな素敵なお話。
生きていると、キップをなくしたような気持ちになることが時々ある。駅から出られないんだったら、しばらく駅にいたらいい。駅だって、世界の一部なんだから。 -
こどももおとなも楽しめる本でした。キップをなくしたくなりました。
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息子の国語の問題に一部が出たらしく、続きが気になるので借りてきてーと言われたので、ついでに読んでみた。
電車好きには、ちょいちょい電車ネタが出てきて面白いけど、ディープな感じではない。時代設定もかなり前(東京で自動改札機がない時代)だなー。最後のほうはなかなか重たい内容だけども(生死感の話)、全体的に読みやすいので、確かに小学生高学年くらいからは読めるのかな。 -
冒頭を読んで何となく読了。
何と言うか、何もない。 -
キップをなくして「駅の子」になったイタル。駅からは出られない。学校にも家にも帰れない。でも電車は乗りたい放題。仲間もいる。通学中の子どもたちを守る仕事もある。ちょっと不思議な鉄道ファンタジーであり、命や心と向き合う子どもたちの冒険物語でもある。仲間と仕事と旅と。子どもにはこういう時間が必要だね。ぜひ。そして考えること。自分の中にはいろんな心があって生きているってことか。常に見守ってくれる大人たちがいたのがよかった。いつだって安心感が漂っていたのはそういうことかな。
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「キップを買って電車に乗る」なんて懐かしいんだろう。遠い子供のころに引き戻された。最後の、人の心の話、そして死ぬ準備という言葉が深く心に刻まれた。出会えて良かった本。子供が読んでもいいし、大人が読んでもいい。
著者プロフィール
池澤夏樹の作品






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