クドリャフカの順番―「十文字」事件

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 174
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736183

作品紹介・あらすじ

待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず"省エネ"をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲-。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 古典部3作目は、ついにきたカンヤ祭。
    今回は4人の目線で描き分けられていて、それぞれの心情が読み取れて新鮮でした。
    トランプマークの通し番号にはなんか意味があったのかな。

    古典部の抱える難題、200部の「氷菓」を3日間のカンヤ祭でどう売りさばくか4人がそれぞれ知恵を絞ってがんばります。
    そして、あいうえお窃盗事件をうまく利用しようと「十文字」事件の真相に迫っていきます。

    ホータローの安楽椅子探偵ぶりに、わらしべ長者プロトコル
    えるちゃんの料理の手さばきと交渉術
    摩耶花の「夕べは骸に」と漫研バトル
    里志のコンプレックスとデータベース

    期待と諦め、青春のほろ苦さ。
    学祭の独特な高揚感とエネルギー。
    3作目がいちばん好きかも。

    周辺の色々が「十文字」事件と「クドリャフカの順番」に収束されていって、
    文集もめでたく完売しても
    ただめでたいだけの終わりではなかったけれど、
    みんな成長途上ということで。
    「十文字」事件の真相はだいぶ切ないものがありました。
    4人の今後が、わたし、気になります!

  • いいなあ!!
    ムダに多い文科系部活が総力をあげて取り組む文化祭♪
    たった3日間の文化祭期間が終われば壊され、跡形もなくなる展示や
    ただ一度のパフォーマンスのために傾けられる、膨大なエネルギー。

    そんな二度とない時間の中で、

    知識とフットワークを駆使しても「十文字」の尻尾も掴めなかった里志から
    省エネモードで部室に籠っていても事件を解決に導いてしまう奉太郎へ

    漫画への真摯な姿勢を先輩に揶揄されて悩む摩耶花から
    去年の文化祭で手に入れた同人漫画『夕べには骸に』の作者へ

    神山高校挙げての大騒ぎとなった「十文字事件」の犯人から
    原作の仕上がった『クドリャフカの順番』に手をつけようとしない作画担当へ

    と、何と引き換えても手に入れたいほどの才能に、眩しげに切なげに注がれる視線。
    「期待っていうのは、諦めから出る言葉なんだよ」という里志の呟きに
    漂う、もはや米澤節ともいえるようなほろ苦さ。

    今は手が届かない、あるいはずっと手が届かない気さえする才能や力に憧れ
    生まれながらにしてその能力を得ているのに浪費しているかに見える存在に
    嫉妬したり、期待して裏切られたりする高校時代という季節に

    省エネ主義者の奉太郎は、お料理バトルに苦戦する仲間たちのために
    数百人の観客の注目を集めることも厭わず窓から身を乗り出して小麦粉を投げ

    関係のない人を巻きこんだり人前にしゃしゃり出たりするのを良しとしない千反田さんは
    「氷菓」完売のためあらゆるツテを駆使し、校内放送にまでゲスト出演し

    『夕べには骸に』の完成度に打ちひしがれ、漫研での微妙な立場に悩む摩耶花は
    それでも見上げる頂となる作品を目標として腕を磨き、進むのだと決意し

    データベースを自認し、いつもは奉太郎のサポート役に甘んじていた里志は
    店番で動けない彼のかわりに事件を片付ける!と自ら積極的に走り回って

    それぞれに苦手分野に足を踏み出し、柄にもないことをしたと苦笑いしながら
    古典部の皆が、いつのまにか殻を破ってちょっぴり成長しているのが素敵です。

    前作『愚者のエンドロール』では冷徹さが鼻についた「女帝」入須さんが、
    就活中の学生全員に配布したいほどの交渉術を千反田さんに伝授しながらも
    その効果を気にかけ、彼女の美点を損なわないよう、
    わざわざ助言を撤回しに来るあたりも、意外で心が温まり

    壊れた万年筆→ワッペン→水鉄砲→小麦粉→ブローチ→同人誌
    と続くわらしべプロトコルの経緯も大いに楽しい、この作品。

    そして、なんといっても。。。
    古典部のみんな、「氷菓」完売おめでとう!!

  • おもしろかったけど、読む順番を完全に間違えててそれが残念。「いまさら翼と…」を先に読んてしまっていたので…。

  • 面白かったけど、小説というよりアニメっぽい。
    登場人物の名前が一癖あって、読み方わからなくなって、謎解きに???となってしまった!

    こういう作品は、登場人物たちや「シリーズ」を愛する人のためにあるものなのかな。
    なんとなくタイトルが気になって読む、というのにはちょっと。

    クドリャフカという聞きなれない単語、小説の中で、宇宙へ送られた犬の名前だと説明されていた。
    気になって、読後、クドリャフカで検索してみた。結構有名な話みたいで、wikiを読んでちょっと涙が出そうになった。

  • 諦めと期待、理想と現実、の話。何だか切ない。
    自分の一番やりたいことが、一番得意なこととは限らない。逆に、自分の一番得意なことが、一番好きなこととは限らない。得意だからと言って、好きでもないことを誰かに強要されたくはないし、でもそうやって、誰かが才能を無駄にしていることには腹が立つ。いや、腹が立つ、というよりも、田名辺先輩の言葉を借りるなら、見ててたまらんよ、なのだ。
    データベースを自任している里志の諦めも、省エネ主義だと言い張る奉太郎も、誰かが何か悪いわけではなく、ただ、世の中の儘ならなさに溜め息をつきたくなる。

  • 氷菓を読んでなく、古典部2冊目。よくできていて面白いが、無理くり感がすごく。十文字、古典部、クリスティ、みごとです。

  • 2017/2/25(土曜日)

  • 古典部シリーズ第三弾。
    氷菓、カンヤ祭最後のシリーズ。

    大好きなクリスティーを絡めて進んでいく物語。
    思わず引き込まれてしまう。
    個性的な面々もそろい、楽しかった高校時代を思い出す。

    トランプのナンバー気になったな。
    最後までわからなかった。
    わらしべ長者はおもしろかった。

  • 学校祭、少し箸休め的な印象。
    わらしべプロトコルが面白かった。
    千反田も料理コンテストで本領を発揮したりして動きがあったので楽しかった。
    なかなか千反田がしゃきしゃきと動かずイライラしてしまったけれど。
    漫研の話も学生らしくて青春という感じだった。

  • ようやく出てる古典部完読。変な順番になってしまった。

    今回は動機はともかくとして仕掛けは早々にわかったので、青春を満喫した。ふくちゃんがかわいいのだ。

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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