夜市

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736510

感想・レビュー・書評

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  • どこか別の世界と交わる”道”にまつわる中編2話。

    ・よかった編
    どっちもよかったけど、あえていうなら表題作「夜市」。「何かを買わねば帰れない」設定のうまさと、前半の不気味さと追い詰められ感から一転、弟側の苦労と頑張りと決断とがすごく良く、ラストそうなるかぁ、兄ちゃんの贖罪はそういう形でいいのかなあ、と切ない終わり方。

    ・気になる点
    先に「竜が最後に帰る場所」を読んでからだったので、「夜行の冬」とか一緒だなあ~と思う。おそらく「どこかで交わるどこでもなくてどこか違う場所」が作者の書きたいことの根っこなんだろうけど、村上春樹みたいに毎度そればっか出てくると「またかい」となりそうなのだけ気になる。いや他作読んでないので分かんないですけど。たまにだったら全然いいんですけど。

    総評
    ホラー小説大賞とあったので、夜寝れなくなる系の呪とか怨とか嫌だなあと思っていたんだけど、そういうじくじくした感じじゃなくてよかった。っていうかもっと早く読めばよかった。
    ホラーというより、一度手にしたはずの何かがすり抜けてしまった後の余韻と寂しさがきれいで読みやすかった。レビュー参考にさせてもらいましたありがとう!

  • おもしろ。
    こんなこと言ったら怒られそうだけど、ちょい怖な千と千尋って感じ。

  • ミニコメント
    不思議な市場夜市。迷い込み、望みの品物を手に入れるために引き換えたのは弟だった。不思議な世界は異世界であるのに現実世界のように情景が、浮かんできます。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/426938

  • 夜市 
    ホラーというよりは、ファンタジーというか、不思議なお話だった。
    夜市という舞台は実際にありそうでワクワクする話。


    風の通り道
    こちらもホラーよりも、不思議さがある話。
    選ばなかった方の道は見ることはできない、という締めかたは良かった。

  • 異形のものが店を並べる夜市では、何でも欲しいものが手に入るという。裕司に連れられ夜市を訪れたいずみは、裕司が過去に野球がうまくなる能力と引き換えに弟を売ったことを聞かされる―。
    第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

    あ~~この雰囲気大好きです!
    ホラーというよりダークファンタジー寄り。引き込まれる話の展開に、どこか物悲しい雰囲気。
    夜市がデビュー作ということですが、次に書き下ろされた「風の古道」も夜市に負けず劣らず好き。

  • ダークファンタジー。ホラー大賞だと思い「ぼぎわんかー、来る」を読んだあとだったので尚更ホラー要素を期待しすぎてしまった。。
    登場人物が周りで起こる出来事等を自然に受け入れて話が進んでいくから、「無駄な不気味さ」とか「ただの恐怖」が省かれているのがよい。登場人物のその後に思いを巡らせてしまう。一度だけではなく何度か読みたい本。

  • 巻末の解説にも書いているように、ホラーではなく鬼や妖怪が出てくる日本のダークファンタジー要素が強い。
    奇々怪界な世界の中で起こった切ない話。
    ストーリーと何とも言えない綺麗な文体がマッチしてて、読みやすい。
    ジワリと広がるような読み心地でした。

  • 足を踏み入れた「夜市」は、そこで何かを買うか、取引をしないと帰ることができないという。
    かつて訪れたここで失った弟を取り戻したい主人公は…。

    この世とあの世の狭間か、二つの不思議な物語が収録された一冊。
    恒川氏の初読み作品でした。この幻想的な雰囲気、何がどう美しいのか表現できないけど、美しいとしか言えません。
    すっかり虜です。

  • 二話目の『風の古道』の方が好きだったなぁ。
    後半の抒情的な展開にぐっときた。
    抒情的なんだけど、ゴリゴリと情に訴えかけてこない距離感良かった。

  • ホラーということだが、私にはホラーとは思えなかった。不思議な、そして悲しい物語だった。
    面白いか面白くないかで言えば面白くはなかった。でも、独得の世界観があって、活字が絵として見えてくる。そして、どっぷりとその世界に引き込まれる。そんな小説だった。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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