夜市

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 2217
レビュー : 499
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736510

感想・レビュー・書評

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  • コレって確か
    デビュー作にして
    直木賞候補にもなってたんですよね。

    ドロリとした
    アングラな空気と
    ダークな感触、

    和情緒溢れる
    映像喚起力の高い文章。


    読み終わってまず感じたのは
    とにかく文章が
    巧みだなぁ〜って印象。


    会話はちと弱いけど
    ストーリーテリングの上手さには
    新人とは思えない
    ポテンシャルを感じたし、

    歯切れのいい
    流れるような文章は読んでいて本当に心地いい。



    中身は短編がニ編。

    どんなものでも
    手に入るという
    不思議な市場「夜市」。


    ふとしたきっかけで
    人が迷い込んでしまう
    異世界。


    何かを買わないと
    そこから出ることは出来ないという設定が
    素晴らしいですね♪



    学校蝙蝠や永久放浪者、一つ目ゴリラなど
    異形の者の
    ネーミングセンスも抜群で
    グイグイ引き込まれていきます。


    中盤、物語は一気に加速反転し、
    強烈に切ないラストの余韻に
    誰もが茫然となるハズ。



    そしてもう一編は
    霊や妖怪たちが通る道である「古道」に
    迷い込んでしまった少年たちを描いた
    「風の古道(こどう)」。


    主人公の子供が体験する
    異界での10日間。


    異界版「スタンドバイミー」と言えば
    雰囲気は伝わるかな。


    古道を放浪する者は
    認められると種をもらい、
    種を持つ者は
    肉体が死んだとしても
    道の樹となり
    生まれ変わることができる。


    ここの設定が
    ロマンを感じさせるし、

    子供たちの案内役となる
    レンという青年が
    悲しみを湛えながらも
    なんとも魅力的なのです。


    そして古道と下界を行き来することができ、
    レンの父親代わり兼
    相棒のホシカワが
    また泣かせてくれる!(>_<)




    子供だから見える
    異界と現実世界との境目。

    小さな森を抜ければ
    広い広い草原やお花畑だったり
    自分も10代までは
    霊感の強い子供だったので、

    この世のものではない不思議な体験っていうのが多々ありました。


    どちらの作品にも通じるのは
    子供の頃に誰もが見た景色を
    瞬時に思い出させてくれる
    強烈なノスタルジーです。


    ホラーというより
    幻想的なダークファンタジーといった空気観なので、
    コワいと敬遠していた人も
    大丈夫ですよ(笑)


    眠れない夜の子守歌みたいに
    優しくて切ない、
    自信持ってオススメしたい小説です♪

    • MOTOさん
      『異形の者』
      のネーミングセンス、ほんと面白いですね!
      (永久放浪者、ちょっと切ない??)

      人は未知なる生物のアイディアを決して生み出す事...
      『異形の者』
      のネーミングセンス、ほんと面白いですね!
      (永久放浪者、ちょっと切ない??)

      人は未知なる生物のアイディアを決して生み出す事は出来ない、とか
      どっかで聞いた事があります。
      (それほど、神は完璧にあらゆる生物を創造しつくした、って事でしょうか?)

      あ、すみません~(汗
      物語とは全く関係無くなってしまいましたね。^^;
      (つい、自分でも考えたくなっちゃいました♪)

      でも、どんな形で『異形の者』達が動き出すのか?
      市って、昼の部でもわくわくするのに、
      夜の市なら尚更興味深いなぁ~!

      まだ未読だった事が逆にラッキーでした♪

      2012/12/05
    • 円軌道の外さん

      MOTOさん、コメントありがとうございます!

      そうです!
      永久放浪者は
      人間に生まれ変わることもできずに
      永久に古道をさま...

      MOTOさん、コメントありがとうございます!

      そうです!
      永久放浪者は
      人間に生まれ変わることもできずに
      永久に古道をさまよい歩かなければならない
      悲しい身なのです(>_<)


      あっ、その話聞いたことあります。

      全く新しい生物を想像することができないから、
      宇宙人を見たと言えば
      人間型だったり

      全く正反対のタコやクラゲみたいな漫画チックな姿しか
      目撃談が出てこないらしいです(笑)
      (本当はもっと人間の想像が及ばない
      突飛な姿をしているのかもですよね笑)


      この小説は
      ホラー大賞出身だし
      怖いと思われて
      かなり損をしてると思います(^_^;)


      切なくて本当に
      胸を焦がす話だし、
      流れるような文章が心地いい
      本当に上手い作家さんなんで
      未読でしたら
      是非とも触れてみて欲しいと思います♪

      2012/12/06
  • 分類ではホラーになるみたいだけど、これはホラーではないです。
    絶対ダントツ☆5つ。この世界観(本として読むだけなら←この世界に行きたいわけではない)好き。

    表題「夜市」ワタシは泣けました。
    2度読みです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これはホラーではないです」
      表紙イラストに惹かれつつ、ホラーかぁ、、、と思って読もうかどうか迷っていたら、違うと聞いて購入しました。でもブ...
      「これはホラーではないです」
      表紙イラストに惹かれつつ、ホラーかぁ、、、と思って読もうかどうか迷っていたら、違うと聞いて購入しました。でもブルっとして風邪に罹ったら困るので、春までオアズケ。。。
      2013/01/18
  • ホラーだと思って今まで読むのを敬遠していたのが悔やまれます。死や闇の匂いの濃い、暗めのファンタジーでとっても私好みでした!「夜市」と「風の古道」の2編。どちらの話も読み始めると一気に恒川さんの作り出す妖しい世界に連れて行かれます。様々な世界に繋がっている空間や、妖たちが歩く古道。そこには私たちの世界とは違うルールがあって、そのルールは決して主人公たちにとって優しくなくて。ハッピーエンドではないけれど、落ち着くところに落ち着くようなラストで良かったです。これからも何回か読むだろうな。買おうか迷います。

  • 幻想的でどこか物悲しい2つの短編。どちらも懐かしくて、切なくて、読み終えた後、しばらく余韻でぼんやりしてしまった。

  • 大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

    最後の祐司のセリフの「ほしいものが見つからないんだ」というセリフが何故か印象に残りました。

    彼は夜市に飲み込まれてしまったのでしょうか?

    他にも短編『風の古道』もよかったです。
    古道は予想以上に怖いところだとは思いますが、レンちゃんに会えるなら行ってみたいです…。←

  • すごく良かったです。夜市といい草祭といい…恒川さんの描く世界観は本当に素敵です。幻想的で、どこか懐かしくて、和な雰囲気で溢れてます。誰にもこんな物語は思いつけないと思います。オススメです!

  • この空気感・・・、未体験でした。
    ・・Σ ゚д゚) ・・・ (つд⊂)ゴシゴシ ゚д゚)   といったカンジであります。
    ↑ をうまく説明できそうにないので、「とりあえず読んでみて!」と人には薦めてます^^

  • よく似たイメージを上げると千と千尋の神隠しのような、
    モダンホラーな感じがすごく気に入りました。

    異次元の狭間にある夜市の様子はどこか懐かしいような
    印象で、子供の頃に行ったお祭りを思い出します。

  • 初めて読んだ恒川さんの本!

    恐ろしさ、不思議さ、切なさ。
    この本を読んだときの衝撃は
    半端じゃなかった。

    でもどっちかってというと
    夜市と一緒に収録されてる
    風の古道のほうが好き!

  • 幻想的な雰囲気を醸し出しつつも、残酷な物語。
    ※スプラッター的な怖さではないです。
    人の知ることの出来ないあの世に近い世界を淡々と描いている。
    だけど、これは逸品。
    人に薦めて貸したら戻ってこなくなってしまった(^_^;)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あの世に近い世界を淡々と」
      私は、恐い話を読めない人なのですが、此れはジーンとなりました。。。
      「あの世に近い世界を淡々と」
      私は、恐い話を読めない人なのですが、此れはジーンとなりました。。。
      2013/07/08

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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