トーキョー・プリズン

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 302
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736763

感想・レビュー・書評

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  •  題材に興味があったのと、ジョーカー・ゲームがおもしろかったので、こちらも読んでみました。

     最初のうちは、『探偵&助手を配置した本格推理もの』って感じだったんですが、推理要素はメインって感じじゃなかったです。

     事件や推理の要素もしっかり組んでありましたけど、この本の主眼はそこではないなぁと。トリックについては、面白い部分もあったけど、大枠は――特に終盤の展開は、解決すべく解決したって感じで。

     巣鴨プリズンの雰囲気とか、東京裁判の雰囲気とか、終戦直後の雰囲気とか……とにかく「当時の雰囲気」をこれでもかと、浴びるように堪能することができる本。そんな感じでした。ここまで要素を盛り込むかっていうくらい、当時のネタがぶっこまれていまして。捕虜にゴボウを食べさせたら、木の根を食べさせられた、虐待だ、って言われたってエピソードとか、そういうやつ。サービス精神旺盛な著者さんなのか、よくまぁここまで、当時のエピソードをてんこに入れることができるなぁと関心したり。

     登場人物の行動動機や、事件の根底に流れているものも、「当時の雰囲気」にどっぷりひたれるものでした。
     ただ、「当時の雰囲気」を描写することが先行していて、お話がちょっと散漫になっている気も。そんな中でもキャラが立っているのはさすがなのですが、もっとこー、時代の流れや雰囲気に合わせるばっかりではなく、読み手を著者さんの好きなように引っぱり回してくれるようなストーリーテリングでもよかったのよ、なんて思います。ともあれ、楽しかったです。

  • 内容は面白いのだが
    トリックがイマイチで酷い
    2.2

  • ニュージーランド出身の私立探偵が日本の捕虜となった
    友人の行方を探しに、戦犯の裁判が始まろうとする時期
    巣鴨プリズンに訪れた。

    青酸カリでの、原因不明の死者が、看守、収監者ともに
    出ていて、その解明にも手を貸すことに。
    そこで、暴漢に襲われ記憶喪失となってから収監されたキジマ
    について、調べることを条件に、出入り自由となる。

    キジマも推理小説が大好きで戦争が終わったら
    友人らと共に私立探偵事務所を作ろうとするような人物。

    知るにつけ、その観察眼や人物に興味惹かれる主人公。
    いろいろな事件をキジマとともに推理してゆく。
    驚くような結末。

  •  戦後巣鴨で戦犯として裁かれるキジマ。文化の違いや天皇制や政府にだまされたと信じたい国民性やいろいろとテーマがあった。考えさせるが話の筋としては混乱した。でも面白かった。

  • 戦後の話。
    戦犯として裁かれようとしている人の逸話で、日本人にとっては親切な行為が文化の違いによって酷い待遇だと判断されてしまっているという部分が出てきますが、以前ニュースでも見たことのある逸話でもあり、色々と考えさせられました。
    ミステリーとしても面白いですが、時代背景についてもなるほど、納得しながら読むことが出来ました。

  • 終戦後の戦犯収容所のスガモプリズンで起きた怪事件に一人の探偵が訪れる所から物語は始まる。
    収容者との衝撃的な出会いから新たな事件を経て、解決に向け推理が広げられていく。
    長編推理は久しぶりであったが、なぜか自分にはあわない。モヤモヤする気持ちが継続的に最期まであり、こうした居心地の悪さが、人気と言われる推理小説にも触手が伸びない要員と思う。(個人的意見)好きなヒトはこれらを楽しみつつ読み進めるのであろう…

  • ☆☆2つ

    のっけの書き出しで「あ、おもしろいかも」と思ったものの、段々と怪しくなっていく。

    いったい誰が主人公なのだ! そもそも主人公など存在しない物語のつもりなのか。

    それでもし面白い作品が書けたらそれは凄いが,
    今作はダメである。きっぱり!すまぬ。

  • 日本は民主主義の中で戦争に突き進み、アメリカは民主主義の名の下に原爆を投下した。

    ジメジメした薄暗い中に、筋があり、ユーモアがあった。
    柳広司さんの、こういう物を書ける所が好きです。

    東京裁判のいい加減さや無慈悲さ、国民の変わり身の早さ、したたかさ、やるせなさ、、、
    戦争直後のトーキョーの様子、、、
    文献じゃない小説だからこその、リアルに迫ってくるものがあった。

  • 戦争が善良な若者たちの精神をいかに狂わせたか。
    大きな力を持った者が国を支配することの危うさ。

    戦争批判物としてしっかりメッセージを受け取れた。
    探偵物好きの方は一言二言言いたいでしょうが。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二○○一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。○九年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門を受賞。同年刊行の『ダブル・ジョーカー』は、『ジョーカー・ゲーム』に続き二年連続で「このミステリーがすごい!」の二位に選ばれる。主著に「ジョーカーゲーム」シリーズ、『ロマンス』『楽園の蝶』『象は忘れない』などがある。

「2017年 『風神雷神 雷の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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