三日月が円くなるまで: 小十郎始末記

著者 :
  • KADOKAWA
3.05
  • (1)
  • (10)
  • (21)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 94
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736848

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長期政権となった家斉の時代。元々は同じ家であった二つの藩にまつわる事件に揺り動かされる青年たち。
    面子というあまりに、つまらないことで命をかけねばならない理不尽。平穏な長い時代だけに、命を張ることの、緊迫感も無くなった時代。
    町家の跡取り娘と、全国の放浪の旅をする修行僧とのふれあい。

  • 初・宇江佐真理

  • こういう時代モノって
    去年、篤姫を見なければ絶対に読まなかった。

    篤姫サマのおかげで読書の幅が広がりましたよ。

    時代モノって人情が描かれてるから、読んでて気分が良い。
    人情って今の時代では浮くような言葉だけど。

    ひとりの若侍が町娘に恋をしたり
    藩の命令で仇討ちをしたりする話。
    生まれた時代に、人っていうか地球上の生命は
    みんな翻弄されるんですね。あなうらめし。

  • これも大川界隈が舞台になる人情物です。この程度の理由の仇討ちが許されるのか?と疑問に思いましたが、小十郎と雲水の賢龍の友情がほのぼのとした味わいがあり、そして小十郎と居候先の小生意気な娘ゆたとの恋心は何ともユーモラスで、可愛く、切ないものがありました。この3人の人間関係の彩がこの作品の魅力ですね。しかし、ラストの大団円は少し展開に無理があるのでは?しかも、仇討ちに失敗し、仙石藩のため犠牲になってしまった小十郎の友人・庄左衛門が非業の死を遂げるのはやや呆っ気なさ過ぎました。末七郎もそうですし、武士同士の友情、父子の愛情などの描き方が物足りないと思いました。この人の作品の中では少し軽いように思いました。

  • この岡っ引き,どこかで出てきたような,と思ったら「銀の雨」でした。あのゆた坊がねえ,とちょっと感慨にふけりました。

  • 再読。ハッピーエンドでひと安心。

  • 仙石藩士の刑部小十郎は,特にこれといった取り柄もないが,
    ある任務を命じられ,市中の長屋に住むことになる。
    任務は,忠臣蔵みたいな内容なのだが,忠臣蔵に比べるとずいぶんしょぼいし,
    本人も緊迫感がない。
    そんな小十郎の話。

    主人公の小十郎は成り行きで変なプロジェクトに関わってしまったサラリーマンのようで,
    親近感を抱くし,同情するのだが,
    それでこの結末は,ちょっと都合が良すぎる気がする。

    読んでいる間はおもしろいんだけど,
    後でよくよく考えると,なんだか納得できなくなってくる。

  •  「銀の雨」の紅塵堂のゆたちゃんが出てきます!相変わらず小気味よく、でも娘さんらしくなったなぁと思いました。宇江佐さんで登場人物が繋がってるのは珍しいような気がするなぁ。

  • 刺客の助っ人にしては心もとない。実父の家老がそのような命を下すのも解せない。終章に説明あり、ばたばたと結末へ。

  • 小十郎が大人になっていく話かな話が無難すぎて、すっと読めるけど後何も残らず。ちょっと物足りない

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇江佐真理の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×