少女七竈と七人の可愛そうな大人

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 675
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737005

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な雰囲気を持つ美少女七竈とその出自とこれからの未来を思って楽しく読みました、

  • ラストシーンが美しい。

  • ジャケットが素敵。

    「辻斬りのように」男遊びをしようと決め、一月の間に7人の男と寝た女教師。
    たぐいまれなる美貌を持つその娘七竈と、幼なじみの美少年雪風。

    北海道が舞台なのもいかにも、って感じでいいなぁ。

  • やるせない。恋愛って、やるせない。
    2人成就するだけが、恋愛じゃない。最後の七話にそれが凝縮されていた。
    途中、帯にあった恋愛小説の文字を疑問に思う時もあったけれど、最後まで読めば恋愛小説かな?
    舞台である北は、穢れてて、綺麗で、やるせなくて、寂しくて。
    恋愛感情って、必ずしも恋愛だけじゃないんだと思わせる。エゴで、プライドで、なにかを埋める。
    女は過去に狂い、男は過去を消す。
    血の繋がりだけが家族じゃないし、血の繋がりがあるからって家族が成り立つもんでもなくて。
    ただ、血の繋がりには逆らえないね。
    ラスト1ページ。これが私の好きな純愛。
    形のないまま終わる恋ほど、綺麗で、可愛そうなものはないね。

  • 切なくて透明でスッキリしたお話でした。設定はどろどろしているはずなんですが、そんなお話にならないでいるのは、主人公が十代であり清冽な印象で描かれているからなんでしょうか?

  • いんらんの母も、美しく生まれすぎた娘も、似すぎている異母兄も、においですべてお見通しの犬も、なんだか突拍子も無い人たちなのに、それなのに「あー、わかるわーその気持ち!」となってしまうのが桜庭一樹さんの恐ろしさ(笑)
    冷静に考えれば私といっこもかぶらないのに…

    青春は失われやすいけど、大人になって振り返れば、ちゃんとそこにいつもあるので、そんなに怖がらずにどんどん先に進んでいいんだよ、って言ってあげたくなる。

  • 一話ごとに視点が変わっていき、それぞれの心中などがよく分かって読みやすい作品でした。七竈と雪風の美貌を想像するのも楽しかったし、緒方みすずと七竈の絡みも面白かったです。でも、何よりも平凡な容姿のいんらんな母を中心にした、狭い街の中での繋がりが見所だと思います。

  • 桜庭一樹さんの小説は、現実逃避ができるから好き。物語に出てくる美しい少女が好き。文字で表される美しさが素敵。
    それから、桜庭さんの文体も好きです。

    この本は高校のころ、図書室で読んだことがあったのだけれど、改めて読んだら好きな本の1冊になった。

    わたしはなにより、この七竈という少女が好きだ。
    (わたしは、風変わりな美少女というキャラクタアが、創作でも現実でもたまらなく好きだ。)

    人物のキャラクタア、描写がすごく良かった。雪風のお母さんの多岐も好きだな。

    最終章はスッキリとした。

  • 雪風と七竈の話す雰囲気が独特で好き。
    番茶を飲むシーンも印象に残っていて「そういえば小さい頃自分もやったなァ−。」と。
    ビショップ目線の話も好き。

  • 最後まで読んだとき、本を読んでいる中で漠然としか掴めなかった“印象”のようなものを網羅することができる。
    作者の文体も独特だけど、何よりも独特で個性的であり非常に人間的な登場人物たちの描く「話し言葉」「会話」がこの物語を進めていく。彼らによって発される言葉が、ストーリーの軸であり進行を担っているような印象。背景描写はそれを彩る付属的な印象を受けた。
    p152からp156まで、ほんの少し文章の雰囲気が代わっている気がする。たぶん雪風の第一人称になるからだと思うけど、心惹かれる表現や心理描写が増えた。
    全体としてはしっとりと流れるように静かな雰囲気と文体で描かれた物語。魅力は、やはり登場人物たちの個性的な思考や物事の捉え方、またその表現の仕方。最後の最後で、静かなのに綺麗に力強く本全体をまとめ上げている。最後の章が、この本の要で全体を輝かせる魅力になっている。すべてを読み終えて、改めてこの本の魅力に気づける。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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