少女七竈と七人の可愛そうな大人

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  • 角川書店
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レビュー : 665
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737005

感想・レビュー・書評

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  • 七竈と雪風の、複雑だけども純粋な関係がとても好き。

  • 古文っぽい文章というか、そうゆう文は苦手だったのですが、これは良かった。どんどん読めた。それどころか、この少し古い言葉が味を出しているような気がした。桜庭さんの文で良かった。スラスラ読めた。
    親を憎みながら、愛してほしいと願う七竈。人の感情はそんなに簡単ではない。大人は身勝手に、子供を振り回す。子供は運命を選べない。
    時は流れる。いつまでも同じではいられない。

  • 淡々としていて静謐で、それでいて奥行きのある文章。旭川の真っ白な雪景色の中に浮かび上がる七竈の黒髪と雪風の七竈色の真っ赤なマフラー。色彩のコントラストが自然と浮かび上がってくる言葉選び。どこか俗世間を超越した大人びた美しい少女七竈が魅力的。最後のシーンは切なくも美しい。桜庭一樹の繊細な文章になんだかはまりそう。2011/191

  • 淡々と進んでいく物語。小さな町でこんなにドラマがあるんだなぁと妙に感心してしまいました。しかも繋がりの濃さといったら想像以上です。
    主人公の口調が深刻にならない要因なのかな。皆薄々と気付きつつも、核心に触れることなく、今までの生活を続けていくのでしょうね。それが大人なのだなぁと思ったりしました^^

  • 類い稀なる美貌をもってうまれた七竈と、彼女を取り巻く大人達の恋愛ものがたり。
    美しい少年・雪風との恋、思春期に感じる孤独感、大学のための上京…
    誰しもが経験したであろう、風にのって儚くきえてしまうような気持ちをさらりと表現している。

    いつまでも色褪せない、宝物のような作品。

  • 読んだのは文庫版ですが、装丁が好きなのでハードカバーの方で。(文庫版の装丁も好きです)

    遺憾にも美しく生まれてしまった少女・七竈の物語。
    幼馴染の少年・雪風との、やり取りが美しい。
    「雪風」
    「七竈」
    「雪風」
    「七竈」

    がたたん
    ごととん
    がたたん
    ごととん

    という、短くて2人だけが共有できる世界。
    変わっていく人間たちの、さまざまな視点と、その変わり方。

    会話の美しさがいい。
    登場人物の行動は跳びぬけていて、それがまた魅力。

    たんたんと語るような地の文と、キャラクターの激しさが心地よいギャップ。

    耽美だけど、少女漫画過ぎない。そんなところが好き。
    七竈も雪風もすごくいいキャラクターです。

  • もっと抽象的で絶望的な話かと思ってたけど、わりと普通にストーリーがあった。
    たぶん成長と親子の物語なんだよね。意外に。
    主人公の七竈と雪風の言葉の使い方が文語調で独特。「かんばせ」なんて。
    閉じられた世界にいる七竈が、だんだん外の世界に目を向け始めたとき、雪風がどんどん色あせてくるように見える。
    頑なな七竈が、後輩の女の子と心を通わしていくのがなんかほのぼの。最後はさびしいけど清潔なあかるさがあるように思いました。

  • 旭川という地方都市の、少女七竈とその周辺の人々の物語。
    私は、好きだった。

    母親と娘の関係って難しいと、私も常々感じている。結婚して家を出た時、その解放感は凄かった。育ててくれたことに感謝しているが、一つ一つ監視されているような息苦しさに、もう限界が来ていたのだ。

    私には娘がいなくてよかったかもしれない。知らず知らずのうち、女とはこうあるべきというような、私の固定観念で雁字搦めにしていた可能性が高い。
    出てくる女たちは強い。男は流されたり、翻弄されたり・・・。
    続編があったら是非読みたい。

  • 初、桜庭一樹さん。

    桜庭さんという作家のことを、何にも知らずに読んで、この世界観にびっくりしたんですけど、ライトノベル作家なんですね。それを知ったら納得。

    「辻斬りのように」だっけ?
    この始まりの話、すきでした。
    辻斬りのように。
    いいですね。
    すきです。

    全体的に、かなり切なかったです。

    ぐっと響いてくるところもあったけど、
    こういう作風はあんまり好きじゃないなあ。

  • 図書館から借りました

     青春小説。
     北海道の小さな街が舞台。

     まがまがしいまでに、呪いのように美しい少女七竈(ななかまど)の物語。

     ある日、七竈の母は思い立つ。
     辻斬りのように男遊びがしたい、と。
     そして、一ヶ月の間に七人の男と関係を持つ。
     学生時代の知り合い、嘘つき、美しくて自分を惨めにさせる男、無口な男、きらきらして夢を語る男等々。

     そして出来たのが七竈。
     七竈は高校生になる。
    「いんらんな母」と母親を呼びながら、彼女は恋う。娘を置いてけぼりにして男をアサリに旅に出てしまう母を。
    「私を見てください」
     でも、願いはすれ違う。
     母が家に居着くようになったとき、七竈は母を待つ魑魅魍魎の一つであるのをやめて、東京の大学に進学するのだ。
     母の言い分もわかる気がする。
    「娘が待っていてくれるのを知っていたから、出歩けた。私を愛してくれる者がいたから」
     でも、それって、待つ方はたまらない。

     ここまでは、七竈と母親の話を重点に説明したが、この物語の本筋は同じ年の、やはり美しく生まれた七竈の親友、雪風(少年)と七竈の物語なのだ。
     雪風は言う。
    「君がそんなに美しく生まれてしまったのは、母親がいんらんだったせいだ。母親がいんらんなときに子供をみごもると、娘は美しくなってしまうんだ」と。
     七竈は言う。
    「ええ、ええ、雪風」
     最初、なんだこいつらは、と思ったのだが。
     話が進むにつれ、この説を二人は信じずにはいられなかったというか、その説で周囲を納得させたかったのだな、とわかった。
     二人は似てしまう。
     雪風の父は、七竈の母の寝た「美しい男」であったから。
     雪風とあまりに似すぎてしまって、もう一緒にいられなくなり、彼女は東京へ。
    「七竈」
    「雪風」
    「七竈」
    「雪風」
    「七竈」
    「雪風」
     こうして何度も、二人はただ名前だけを呼び合うシーンがたびたび出てくる。
     終わってみると、「君がそんなにら美しく生まれてしまったのは~」のくだりセリフが、なにやら静かに必死に練りだした理屈だったのとわかって、なんだかすごく、綺麗で悲しい。
     すごく、綺麗な話なのだよね。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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