悪果

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (564ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737272

感想・レビュー・書評

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  • 堀内・伊達シリーズ4作目の「熔果」で惚れ1作目に。
    まだ警察を辞める前の二人、悪さしながらも仕事もしっかり。
    終盤の退職に向かい盛り上がって行きます!

  • 小説はフィクションである。しかし、いかにもフィクションであるということを読者に感じさせないようにするのが、作者の力量である。そういう意味では、作者は小説家としてのたいそうな力量を持っていると言えよう。
    思わず、どうなるのだろうと先のページを繰りたくなるのは、まちがいなく優れた小説である。

  • 暴力団担当刑事のハードボイルド小説。

    大阪の今里署に勤務する堀内と伊達は、ヤクザの賭博現場にガサ入れをするが、賭博に関わる人物達には、さらなる大きなシノギが隠されていた。

    違法なシノギをするヤクザもヤクザですが、取り締まるマル暴担当刑事も警察の利権を使ってシノギをするという、まともな人間は一人も出てきません。

    癒着、横領、隠蔽、暴力とそんなキーワードが蠢く中、このシノギは警察にとっても、企業にとっても、ヤクザにとっても命懸けです。

    登場人物の性根の腐りっぷりは見上げたもんです。

    レビューでかけないほど、ストーリーが複雑ですが、とんでもなく吸引力のある文章で、600P程ありましたが、一気読みでした。

    恐るべし黒川作品。

  • リアルを追求した警察小説。

    登場人物が多いが
    展開にスピード感があり、読みやすかった。

    ヒーローという感じは堀内だが
    なんとなく憎めない。

  • クソだなーこいつら。清々しいまでに。

  • 初めて読む「疫病神シリーズ」以外の黒川作品。やっぱり面白い〜。関西弁の男二人のコンビ、片方はケンカが強い、シノギを追いかける等、疫病神との共通点はいろいろあった。よく練られたストーリーも同様で読みがいがあった。満足!

  • たくさん本は読んできたけど、割と記憶に残りそうな印象的な作品でした。
    日本警察大丈夫?とか心配になりつつ、極道の世界に興味が沸いたり関西に惹かれたりといろいろ楽しめました。
    最後はどうなるのかなーと予想しつつ、それを斜め上(でも納得)な感じで裏切られて、読後感は虚しい気持ちと、あぁ読書したなー!という満足感が6:4。
    とりあえず相棒に裏切られなくて良かった。

  • 過去5回直木賞候補にもなっている黒川博行さんの昨年の候補作品。
    実ははじめて読んだんだけれどもさすが5回も候補というだけあり読み応えがかなりしっかりです。大阪の悪徳警官を描いたと言えばそれまで何だけれども、なまなましくてこういうのが登場人物が生きているようなと表現するのではと今更ながらに思った。実際に今もいるかもしれないし、過去には確実にいただろう悪徳の極みを尽くすのだが、もちろん警官でありながらしのぎをする悪の世界から得る情報で警察社会の中でうまく生き抜いていく主人公の悪の限りに驚かされる。映画化は中身が中身だけにされないだろうが、マル暴がでてくる小説では近年でぴか一かも。楽しめました。

  • 関西系ハードボイルド。この著者の関西弁の描写は相変わらず秀逸。そこそこの長編だが、何の違和感もなく漫才のようなテンポでスイスイと読める。
    本作の主人公である悪徳刑事の堀内とその相棒の伊達。えげつないっちゃあ、えげつないけど、彼らのシノギの相手が更にウワテの悪者だからかな、嫌悪感は全然湧かなかった。ヒーロー感覚で読めた。まぁ最後は、やっぱり、って感じだったけど。
    ミステリとしても面白かった。この段階ですでに伏線が張られていたのかと驚き。ただ勢いだけのハードボイルドじゃないところがイイ。
    この二人を主人公にして、新しく続編が発売されるようで。これからシリーズ化されていくのだろうか。お馴染みの二宮・桑原コンビも捨てがたいが、このコンビも好きだ。

  • 暴力団相手の刑事さんも大変です。ストーリーの筋はまあまあ楽しめた。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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