- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048737418
作品紹介・あらすじ
現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは-?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
感想・レビュー・書評
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◆先入観で8月だと思った雷季とは、冬と春の間にある神の季節。◆恐ろしかった。舞台描写は『夜市』同様キラキラと美しかったけれど、描かれている暴力の連鎖が恐ろしい。キュウちゃん・ナギヒサ・沙智子・トバムネキのおぞましさ。「殺さなければ殺される」…卑劣な暴力に立ち向かうため、思考を停止し、同じ土俵に立つことを強いられ、自らの手を血で汚すことを正当化せざるを得ない恐怖。◆高天原の草原の上を飛び交う風わいわいを想像することはとても素敵。本当にふと「穏」に迷い込んでしまいそうなその世界観は流石。◆読後、無性に『ゲド戦記』を再読したくなりました。【2013/08/27】
◆「風わいわい」…勝手にハシビロコウのビジュアルを当てて読みました(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「隠」という地図上に無い閉じた世界から始まる物語。
恒川氏の言葉選び、造語の妙と巧みな描写力で冒頭から物語の世界に引き込まれます。
古い因習・風習の残る「穏」という場所は郷愁を誘うけれども、閉鎖社会の息苦しさや余所を受け入れない頑なさがどこかリアルでもあり、まるで本当にこの世界と隣り合わせに存在するのではないかと思わせる。
現実世界との境界・歪みを表す描写も、目に浮かぶようでした。
中盤から少し色を変え、ラストはちょっと駆け足で過ぎた感はありますが、恒川氏の世界観は本当に素敵です。
本当に怖いのは人の歪んだ悪意。 -
恒川光太郎2冊目。(一冊目=夜市)
いやー、この方の独特の妖しくて美しい世界、素晴らしいです。
でも「夜市」にはかなわないかな。
・・・長編=登場人物が多く、その登場人物に寄りそうように細かく描写しているせいか、ちょっと全体的にボヤケた感じになってる気がするのはワタシだけでしょうか?
でも、それでも素敵な本でした。
まだまだ恒川光太郎氏の本、読み続けたいと思います♪-
はじめまして。
はなまる、ありがとうございました。
みつきさんのブログ拝見しました。ひまわりの写真がきれいで、鮮やかで感動しました。
あ...はじめまして。
はなまる、ありがとうございました。
みつきさんのブログ拝見しました。ひまわりの写真がきれいで、鮮やかで感動しました。
あと本棚も素敵なのでフォローさせてください。
私も恒川さん好きで、「風の古道」が一番印象深いです。
私の本棚はフォローしなくてもOKなので、気になさらないでください(o^∀^)
2012/09/14
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現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
(BOOKデータベースより) -
「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎さんの2作目。「夜市」(というより一緒に収録されていた「風の古道」)がよかったので期待しつつ、期待しすぎないように気をつけながら読み始めました。2作目だからね。でもそんな気を配る必要はなかった。面白いです、これ。ここではない別の世界が舞台なんですが、細かい描写もしっかりしてて薄っぺらくなっていない。雰囲気あります。伏線もうまく張られ、きれいに収まっていて。ラストの展開が微妙っちゃ微妙。それでも次の作品(もう出てるみたいね)も必ず手に取ろうと思えるくらいよかったです。
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穏という隔絶されていた村で暮らしていた私の回想録。
この世とあの世の狭間の国、家族のいない私。
虐められていた私に声を掛けてくれた穂高という少女。
厳格とも言える身分制度、外からやってきた私は最下層だった。
唯一居たはずの姉も雷の季節に拐われてしまった。
そして私に取り憑いた鳥。
やっぱりこの作者さんの世界観が好きだわ。
レイヤーが違う感じとか。
家出して居なくなってしまった姉のお父さんがどうなってしまったのか気になる。 -
最後びっくりした、という感想を聞いたのでドキドキしながら読んでたけど想像以上のものはなく残念
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隠れ里?異界? 静かな筆致で描かれるどこか空恐ろしさを感じさせる世界が”現実”に繋がっていく様が見事。
閉鎖社会での優位性と、“下界”と呼ばれている世界を知ったときのギャップは痛烈だった。
著者プロフィール
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