ラスト・イニング

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レビュー : 305
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737579

作品紹介・あらすじ

「バッテリー」屈指の人気キャラクター瑞垣の目を通して語られる、彼らのその後の物語-。

感想・レビュー・書評

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  • あさのさんの『バッテリー』という小説がとても、ほんとうにとても、心の底から好きでいつまでも何度も何度も取り出して眺めている。真剣に生きるっていうことは大人も子供も関係ないし、孤独の深さと生まれ持った才能の与える運命の重さも何も関係がない、苦しみの深さもまるで。いっそ幼いからこそそれはひどく鮮やかでごまかしようがない。

    『バッテリー』の、その後の物語がこの本になる。天才の目映さに目を細め心乱されて屈服し自分の生き方に苦悶した少年たちの、才能にひれ伏して覚悟を固めた側の少年たちの話だ。出会ってしまってもう目を背けられないということはこんなにも苦しく絶望的で逃げ出したくて息も出来ないということ(なのにそれを選ぶということ/選ばないということ)を読めてひどく胸が痛くてしあわせだった。側にいるということも才能だし、才能をひとりで受け止めきれるような人間はあそこにはいない。

    「ずっと思うてた。おまえが負けたら、誰かに完璧にやられたら、さぞかし胸が晴れるやろうなって……」

    群を抜いて大人びて斜に構えていた瑞垣の葛藤が、門脇の真摯さが心からいとしい。巧と豪とまた違う、才能のありかたとどうやって(一緒に)生きていくかについて。頼ること頼られること、離ればなれにもなれるから別々の人間だから『おれ』は『おまえ』にはなれないから。ああ、そうだね、野球って人間がしているんだわ。

  • 実はバッテリーの時から一番共感してたのが"お瑞"。本気になることに対する怖さって…あるよなぁ。考えすぎなだけなのかもしれない。ひねくれ者は苦労多いと思う。なーんか他人と思えない、それが"お瑞"。

  • 同人誌だな〜。(そりゃ言っちゃダメだ!!)
    バッテリー本編でもそうだけど、作者は書いてる内に愛が新田から横手に移ったのかな。て感じがすごくする。なんと言っても巧と豪の物語はバッテリーで決着がついてしまったので、揺るがない人たちの話しは話になりにくいもんな。
    しかし、しみじみとこの作品、(ホモ)同人誌っぽいよ(笑)
    エンタメとブンガク(含むホモ同人誌)の違いって、ストーリーに重点を置いてるか、キャラの感情に重点を置いてるか、の違いだと思うんだけど。基本的にエンタメ系小説は、ストーリーがさくさくと山あり〜谷あり〜といろいろ起こって、サービス精神に溢れてる。
    その点ブンガクとか同人誌は(同人誌をブンガクと同列に扱う私)基本的に、その時そのキャラがどう思ったのか、が肝心要で何らかの話が展開するにしても、その展開に対してキャラがどう反応するのかを書きたいが為だけに事件が起こる、という感じ。
    バッテリーは徹頭徹尾話の展開で読者を引っ張ってくんじゃなく、作者が、この時の巧の感情!豪の絶望と脱皮!瑞垣の鬱屈を描きたい!!とか、そういう情熱のままに書かれてるので、非常に同人誌っぽいな〜と思うわけです。
    あと文体もなんか、同人誌っぽいよね(笑)結構小難しい単語が使ってみてるとこがオタ心をくすぐるというのか・・・。

  • 巧の速球と出会い、人生が変わってゆく門脇、瑞垣、豪。三者三様の日々を過ごすも、彼らの心に巣食うのは巧の白球の重み。生き方すらをも変えられてしまうほどのナニカに出会えるということは、本当はとても幸せなことなのだが、若すぎる彼らはまだそのことに気づけない。でもそんな己に起きている変化を敏感に体が感じて、もがき、悩み、苦しむ。しかし、全身で苦しみ、抗った後の豪や門脇の、なんと凛々しいことか!悩んでいる若者は美しい。存分に悩め、若者よ。

  • 「バッテリー」屈指の人気キャラクター瑞垣の目を通して語られる、彼らのその後の物語―。
    (アマゾンより引用)

    私、この主人公キライ。
    あまりにも子供すぎる。
    読んでてイライラするくらい

  • バッテリーのスピンオフ
    瑞垣のその後、横手2中、永倉、原田のバッテリー、横手2中の新バッテリー
    その後を知りたいのは私だけか?

  • 『バッテリー』をけなした割に続編にも手を出してしまった。(意外に好きなのか?)

    『バッテリー』でもそうだったが、やはりキャラクターが物語の進行に都合のいいように動くなあというのと、肝心の試合についてきちんと描けていないんじゃないか、というのが印象。
    しかしながら、無気力で痛々しかった瑞垣が道筋を見出せたのはよかった。(2008.5.30)

  • おもしろかった。
    とゆーか、試合結果がはっきりしてすっきりした。
    しかし、その後の門脇くんの決断には驚き。
    この巻はすっかりメインが横手になっている。
    なんだかシリーズ通して、大人の存在感とゆーか
    まあ青春小説なんであたりまえっちゃーあたりまえなんだが
    その頼りなさみたいなもんばっかり前面にでてた感ありなものの、最後の最後で瑞垣の背を押したのが大人であったことにたまには役に立つじゃん、みたいな気になる。
    まあ、負けて悔しいという身も蓋もない感情からくるもんではあるところがちょっと笑えるケド。

    巧の球を巧だけは決して受けることができない。
    とゆーことに豪が言及していたが、
    ラスト瑞垣が巧の球を受けに行ったことが意味深ではある。
    攻略の端をみつけるか?

    結局のところ、2人の天才とその才能に対する2人の反応のお話だった、といえなくもない。
    これは野球だったが、いろんな分野でいえる話かもなあっと。

    門脇と瑞垣との関係はまた新たなステージに進んだ感あり。巧と豪の関係もまた、これから変わったりもするんだろうか?そのときバッテリーはどう変わるんだろう?
    結局最後らへんの心情的なもんは横手ばっかりだったんで、巧たちのバージョンも読んでみたかったなあっと思う。

  • 本編で鬱陶しいまでの “しゃべり” をしていた瑞垣のキャラがようやく分かった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14586035.html

  • さらさらっと。
    10年前にシリーズ読んだ時は(もうオトナだったが)もうちょっと感動したもんだったが、なんだか今はダメだ。汚れっちまったぜ。

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著者プロフィール

あさの あつこ
1954年生まれの小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町(現:美作市)湯郷出身。幼少の頃から本に親しみ、中学の頃から創作日記をつけはじめ、中学2、3年生の頃から作家を志す。青山学院大学文学部入学後、児童文学サークルに入り活動。卒業後小学校の臨時教諭を2年間務め、結婚。日本同人協会「季節風」同人となり、そこに連載した『ほたる館物語』で作家デビュー。
代表作に、1996年から執筆を続ける『バッテリー』。97年野間児童文芸賞受賞、99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。シリーズ1000万部超の大ベストセラーとなり、映画化・アニメ化された。

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