秋の牢獄

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738057

感想・レビュー・書評

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  • 収録されている3つの短編は、いずれも、何かに囚われている点が、共通しています。「夜市」に比べて、人間の闇の部分の描写が多いため、現実的な怖さを感じました。

    表題作は、11月7日を繰り返し続け、「神家没落」は、誰かと入れ替わらないと、家の敷地内から出られず、「幻は夜に成長する」は、人智を超えた能力に囚われています。

    最初の2作品は、囚われた状況の中、どうやって抜け出すかを考えていたのが、考え方次第で、この状況を、いかに楽しむかに変わっていき、どんな時でも、発想を転換させること、気の持ち方を変えることの大切さを、ふと覚えたりしました。今の、世の中が色々あるので。
    それでも、最後は、予想だにしなかった終わり方になり、物語の内容が良いですね。

    また、特に、印象に残った話が、「幻は夜に成長する」です。
    その能力ゆえに、周りとの確執が起こるのは、よくある話だと思うのですが、大人や子供、いろんな人間の闇の部分が描かれている怖さに加え、正確に表現しないゆえの怖さがあり、主人公自身も最後には・・結末がいちばん怖かったのですが、主人公自身に、嫌なイメージは湧かず、むしろ、恐れられている能力が描く美意識にすごく牽かれたし、最後に至るまでの、何とも言えない孤独感がすごく切なかったです。

    美しいといえば、タイトルも、洒落てて、好きです。

  • 世にも奇妙な物語なお話し

  • なんともいえない空気間。異次元のようであり、パラレルワールドのようであり。。。やるせないような、羨ましいような不思議な世界観。

  • ■ 10119.
    <読破期間>
    H22/10/12~H22/10/12

  • 第一作目には劣る作品。

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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