遠まわりする雛

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1321
レビュー : 240
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738118

作品紹介・あらすじ

神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件-"省エネ少年"折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 『遠まわりする雛』。。。いいタイトルです!

    美しい上に、このタイトルを冠した終章の雰囲気を余すところなく伝え、
    しかもそれを本のタイトルにもってくることで
    奉太郎と千反田さん、里志と摩耶花の、近づきそうで近づかない、
    遠まわりもいいところのもどかしい関係を象徴しているかのようで。

    相変わらず、明治の文豪のような奉太郎の語り口や
    イマドキの高校生は絶対こんな会話してないから!とつっこみたくなる
    里志と奉太郎の才気走った会話が、どうしようもなく心地よくて、困ったものです♪

    今回の7篇は、苦さと甘さと可笑しさのバランスが絶妙で

    前作から「第一人者になれない自分」、「誰かに期待をかけるしかない自分」を
    引き摺り続けていた里志が、こだわらない気楽さを選んだ結果
    引き起こしてしまう『手作りチョコレート事件』が苦さ5割増しなだけに、
    『あきましておめでとう』や『遠まわりする雛』のほのぼのした味わいに救われます。

    計り知れない好奇心を秘めつつも、普段はおっとりした風情の千反田さんが
    北陣出を「わたしの終着点」として住民みんなが豊かに生きる方法を模索し
    理系に進むことを決意していることに感動し、

    心の中での「保留」の意味をやっと意識し始めた朴念仁の奉太郎に
    狂い咲きの桜の下を十二単を纏って歩く千反田さんを
    正面から見たい!と思った一瞬を、脳裡に刻み付けるがいい♪と
    心のなかで密かにお説教したくなる、古典部シリーズ4作目でした。

  • 古典部4人の高校入学からの1年間を綴った短編集。
    初出は順番もバラバラのようですが、時系列に並べてくれているので分かりやすい。
    「氷菓」事件、「女帝」事件、「十文字」事件の間にこんなこともあったのねぇ
    カンヤ祭のあとには、こんな展開が待っていたのねぇ。

    登場人物が打ち解けていって距離が近くなっていく様子や
    それぞれの葛藤やそこからの成長が見られて
    シリーズものならではの楽しみが味わえました。

    生き雛祭はいい話だね。きゅーんとした。
    早咲きの桜ってなんかいろいろいい予感がするもんね。

  • 〈古典部〉シリーズ第4弾にして入部以来の1年を描く短編集。今までの3作の間にこんなことがあったのかと面白く読めた。7つの短編が収録されていたけど、特に「正体見たり」が好き。あと表題作の「遠回りする雛」もホータローのようやっと自覚し始めた淡い恋心が描かれていてよかった。青い春とはこのことか。

  • 古典部シリーズの四作目。高1生活の中で起こる、ささやかな事件の謎解きが七編、そしてとうとう奉太郎はえるに恋愛感情を抱いたようで、告白一歩手前まで関係は深まった。次作の ふたりの距離の概算は既読であるが再読せねばならないだろう。しかし、こんなゆるい話なのに、次から次へと読みたくなるのは何故だろう。

  • 古典部4作目です。
    この筆者は本当に好きで文体等、本の中にのめりこませます。
    ただ、なのに私が苦手なのがこの古典部シリーズ。今回も苦手のままかなーと思いつつ読み進めていました(でも文体も内容も嫌いではないんです・・・これ本当です)短編のためか一作品ごと苦手意識を持たず読めました。おー、そして恋もいよいよ動き出した感じ?

    ミステリー性はあまりないが、でも古典部ファンなら読んでいてほっとできる一品なのではと思った。

  • なるほどなるほど良いですな。
    最後の「遠まわりする雛」でぐっと掴まれてしまいました。
    なんだかんだ高校生なのよね。

  • 「心あたりのある者は」が特に好きです。
    いつか映像化してみたいと思い、私は役者を探しています。
    一つの場面で、二人の役者のみ。それでいて映像でも成立しそうなミステリではないですか。

  • 米澤穂信の学園ものはなんだかあんまり好みでない

  • 古典部シリーズ第四弾。
    今回は短編集でどれも面白い。
    特に「心あたりのある者は」と「あきましておめでとう」が秀作だと思う。
    そしてついにホータローとえるの距離が縮まり始める。
    二人の今後が気になるなぁ。

  • クドリャフカの順番が面白くて、次のを早く読みたい!!と思い文庫化前に買ってしまいました。
    このシリーズの特徴は「ほろ苦い青春」なんだけど、この短編集は、甘酸っぱいです。なんだかラブコメの王道を突き進んだ感じがします。温泉夏合宿とか、二人きりで閉じ込められたりとか。突然の路線変更?に戸惑いつつも,ニヤニヤしながら読んでしまいました。
    これからもシリーズは続くようなので,どんな展開になるのか楽しみです。

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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