クローバー

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レビュー : 296
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738170

感想・レビュー・書評

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  • 島本さんの作品にしてはほっこりとする作品でした。

    双子の姉弟の華子と冬治。
    華子はちょっぴりわがままなお姉さん。
    それに降り回されるシスコンの冬治。

    華子のことが好きで好きでたまらない公務員の熊野氏。
    同じく冬治に想いを寄せる雪村さん。

    何だかんだで、まとまってクローバーなんだなぁ。。。
    何気に史弥(いとこ)の告白がちょっとドキッとしてしまいました。
    えぇ…そういうことだったの?と一番萌えたかも。

    家族や自分を取り巻く人間関係って、その本人を映し出している
    鏡のような存在なんだと思いました。

    冬治と雪村さんの関係が、冬治の父母の過去の関係に似ているし
    電車で降りてくる性別に運命を託すところでは
    男女の双子が出てくる。(華子と冬治みたい)

    読み終えてこんなに暖かい気持ちになれる、珍しい作品だと
    感じました。
    たまにはこんな島本さん作品もいいですね♪

  • 華子と冬冶、大学生の双子の姉弟の物語。

    青春、恋愛、家族。いくつもの要素が詰まっているけれど「あとがき」で作者は言っている。これは 「モラトリアムとその終わりの物語」。大学生というモラトリアム真っ只中の、ふわふわした自由と不安はどこか懐かしい。

    既読の「ナラタージュ」や「あなたの呼吸が止まるまで」がおそろしく後味の悪い作品だったのに比べ、本作は良い意味で期待を裏切られた。ハッピーエンドかどうかはわからない、それでも爽やかなラスト。

    神々しいほどの図々しさを持ち合わせた熊野氏のキャラが良い。「クローバー」の意味はなるほどと思ったけど、そのわりには母親の影が希薄だったかな。

    「人間は人生の必要な時期に、必要な人間としか出会わないし、そこで色々と学び尽くして一緒にいることの意味がなくなれば遠ざかっていくのは仕方ない」
    心の底からそう思えたら、もっと楽に、自然に生きられる気がする。

  • あらすじを読んだ感じでは華子の方にいらいらさせられるのかなと思いきや、冬冶の優柔不断ぶりというか、自分に自信がなさそうでいて、面食いなところとかいらっとした(笑)。
    雪村さんもあまり好きにはなれないタイプのキャラだったので、この二人のカップリングの部分はわりとあっさり読みました。
    熊野(細野)さんと史弥くんがとても良かったです。この二人が出てくるシーンは話が締まる感じ。
    華子が熊野に惹かれるのもわかります。

    途中、雪村さんが赤いワンピースで登校するシーンに既読感があったんですが、何年か前に何かの短編集で読んだんだったかな。
    長編になって新たに刊行されたんですね。
    島本さんにしてはコミカルな文体で、とても読みやすかったです。
    藤森くんのキャラいいなーと思ったんですけど、勝手に頭の中に、オリラジの藤森さんがチラついて笑ってしまいました。

    • まっき~♪さん
      野崎紘さん

      こんにちは。

      突然ごめんなさい。
      そして花丸ありがとうございました。


      藤森くんがオリラジの藤森がちらつき...
      野崎紘さん

      こんにちは。

      突然ごめんなさい。
      そして花丸ありがとうございました。


      藤森くんがオリラジの藤森がちらつき…というところで
      激しく共感してしまいました。思わず笑ってしまいました。

      素敵な本棚ですのでフォローさせてくださいね。
      2015/05/29
    • 相沢泉見さん
      まっき~♪さんありがとうございます。
      オリラジ藤森さん好きなのでチラチラして仕方なかったです(笑)。
      まっき~♪さんありがとうございます。
      オリラジ藤森さん好きなのでチラチラして仕方なかったです(笑)。
      2015/05/29
  • 双子の姉華子と姉にいつも振り回されてる?冬治のおはなし。
    最初はストーカーにされて最終的には華子の彼氏になった熊野さんのキャラが好き。
    冬治の彼女になった雪村さんはなんか、めんどくさい…と思ってしまった。
    一番好きな所は冬治にずっといるから安心しろよ、と言われて華子が小さく頷くところ。
    華子がかわいい。
    最後はの終わり方は納得いかなかったけど、この本は好きです。
    久しぶりに島本理生さんの本を読んだけど、島本さんの本は、やっぱり好きだなと思った。
    また色々読んでいこうかな。

  • 理生さんの作家としての展望を垣間見られたような、そんな気がします。「物語」としての理想と自分の至らなさをそのまま書ききっていて、それは登場人物から見た異性であったり、作者自身であったり。

    読み手に任されているような安心感があります。

  • 島本さんの著書はこれで三冊目。島本さんって幸せな雰囲気を漂わせておいて、ある日爆弾を容赦なく投下してくるイメージがあったから、ちょっとびくびくしてたけど今作はそんなに心配いらなかったな。爆弾はあったけど。それにしても双子って不思議な関係ですよね。同い年だけど友達とはもちろん違う、だからといってたぶん兄妹とも違うんじゃないだろうか。ちょっと憧れます。私は、華子も冬冶も好きです。でも冬冶があの時の決断を後々後悔しやしないかと心配。最後辺りの雪村さんは理解できない。冬冶に重荷を背負わせすぎな気がする。

  • 島本さんらしくない、と言えるかもしれないけど、とても好き。
    こういう話をもっと書いてほしいと思いました。

    双子の姉とガールフレンドに振り回される主人公の、「僕には勝てないものがたくさんある。その中でも、女の人には一生かなわないんじゃないかと思う」という独白に笑いました。

    いくらイライラしていても、見ず知らずの他人の背中(LOVE&PEACE)に向かってドーナッツを投げつけちゃいけないんじゃないかな。

  • 冬冶には華子という双子の姉がいる。
    外見にコンプレックスのある彼女は着飾って
    自分の価値を認めてもらうために常に男と一緒にいる。
    しかしさえない公務員の熊野の熱愛に折れた。
    冬冶はと言えば昔の恋愛で負った傷から新たな恋に踏み出せず
    同じ班の雪村さんからの恋心に気づきながらも曖昧な態度をとってしまう。
    カバー素材:mina perhonen カバー撮影:高橋和海
    装丁:鈴木成一デザイン室

    ありそうでなさそうな恋愛小説。
    なんだろう、ぴったり当てはまらないけれどわかる!という感じ。
    冬冶の優柔不断さとか雪村さんの自信のなさとか。
    そっち側の人間なので華子はまぶしいね。

  • 儘ならないもの、不本意なこと、叶わない想い。そんな現実にどう折り合いをつけて生きるのか、モラトリアムとその終わりの物語、と島本さんの後書きの言葉。自信のなさで、何事にも「正解」を求め、進路も恋愛も、踏ん切りがつかない弟冬治と、過剰な承認欲求で弟にしか弱い部分をさらせない姉華子の双子対比。どちらか一人に焦点を絞ってもよかったのでは?若干物足りなさが残る。他人に嫌われるのを過剰に恐がり、自分の気持ちを常に手放し、受け身で自分を抑圧し続ける。予測不可能の状況が怖くて判断を躊躇するなど、テーマはさすが島本さん。

  • 島本作品はまだ三作めだけれど、ややこしい人も 変に闇を抱えている人もあまり出てこなくて真っ当な恋愛小説な気がす…いや、やっぱり真っ当ではないかな。うーん…



    大学生の双子の姉弟、華子と冬治。ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。理系男子の冬治は人生やや不完全燃焼気味。ちょっとこじらせ男子の傾向あり。
    冬治を軸に進む物語。



    それぞれが抱える思い、想い。
    そして、進む道。
    進むべき道。
    でも、進む方向に「べき」なんてないよね。

    選んだ道と 選ばなかった道と。
    結局は、ずーっと後になってからでないとわからない。
    もしかしたら、後になってからだってわからないかもしれない。
    ただ、決めた自分のココロに納得できるか否か。
    好きな人と、好きなことと、明日へ向かう道。

    「悲しみや後悔や不幸って特別なものじゃなくて、切ったら種が黒かったアボカドみたいに、たまたま自分のところに来ないときもあるし、来るときもある。ままならないのが人生ですよ」

    そうです! 人生なんてままならないんです。
    だからこそ。
    だから、こそ。。。


    冬治の選択を私は応援したいと思う。

    祝クラッカー 脱、モラトリアム冬治!

    青春の鬱々とした感じと、未だ見ぬ明日への微かな希望と不安。
    島本作品にしては息苦しさも閉塞感もなく、未来を感じることのできる作品だったかな。
    青春ですね。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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